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第18回秋桜賞

コースレコードで7馬身差圧勝
  秋の大舞台に向け視界良好

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬秋シーズンは、名古屋競馬場を舞台に第7戦の秋桜賞が行われた。シリーズは、ここを含め残り3戦。佳境を迎えた戦いに、精鋭11頭が揃った。

戦前から耳目を集めていたのが、大井・キャリックアリードの参戦。JRAから転入後ダートグレードでも接戦を演じ、GDJ古馬春シーズンの覇者でもある同馬は、どの陣営の関係者に聞いても一目置かれる存在だった。管理する藤田輝信調教師は、少し早めに検量室前に姿を見せ、馬場の状態などを確認。「とても大人しい馬で、輸送は全く問題ない」と、馬の状態面に自信を覗かせていた。

一方、対抗格筆頭と目され、2番人気に推された金沢・ハクサンアマゾネスの吉原寛人騎手は、週末のコリアカップGIIIで騎乗するライトウォーリアの調教のために滞在していた韓国・ソウルから一時帰国し、名古屋競馬場に駆けつけた。彼も早めに検量室前に姿を現し、筆者らとの懇談の中では「あの馬は強い」とライバルに敬意を表しつつ、予想される展開面に思いを巡らせていた。

レースは、3コーナー奥のポケットから発走する1700メートル戦。戦前「勝つなら前受け」と話した多田羅誠也騎手が、高知・アンティキティラを促して先手を主張すると、「先行力と粘りが持ち味」(田中正人調教師)という大井・ミルニュイが追随。注目されたキャリックアリードは、その直後の好位置から機を窺う。一方、中団より更に後ろの9番手でレースを進めたハクサンアマゾネスは、吉原騎手が戦後「控える競馬をするつもりだった」と話したように、作戦に沿った運びだったようだ。

向正面中程から、キャリックアリードが御神本訓史騎手に促され前の2頭を捉えにかかると、まずアンティキティラが3コーナーで脱落。粘るミルニュイも直線入口で振り切られた。そのままぐんぐんリードを広げつつキャリックアリードがゴールを迎えたとき、後続馬は7馬身離れていた。勝ち時計1分46秒3(良)はコースレコード。文字通りの圧勝劇だった。

もつれた2着争いを制したのは、外を猛然と追い込んだハクサンアマゾネス。吉原騎手は「この馬としては新しい、後ろから砂を被る形でもしっかり脚を使ってくれた。収穫のあるいいレースだった」と笑顔で話し、次の戦いの地ソウルへと戻って行った。加藤和義調教師も「いい経験になったと思う」と、レース振りには納得の様子。次走については「年齢的にもあまり無理は出来ない」と話し、目標レースとして昨年も勝った兵庫クイーンカップ(10月30日・園田)が挙がった。

1馬身差の3着には、大井・グレースルビーが渋太く差し込んだ。達城龍次騎手は、2カ月近く空いたレース間隔を敗因の一つに挙げつつ、「底力で前を交わした。万全だったら、ハクサンアマゾネスにも負けなかったかも」と、馬の健闘を称えた。一方、6着に敗れたアンティキティラの多田羅騎手は、高知競馬場の馬場改修や前週の台風の影響で「仕上げきれなかったのが大きい。馬がピリッとしなかった」と、奮闘した前2走との様子の違いを残念そうに振り返った。

GDJ古馬秋シーズンは、この勝利で15ポイントを加算したキャリックアリードが単独トップに躍り出た。残すは、レディスプレリュードJpnII(10月1日・大井)と最終戦となるJBCレディスクラシックJpnI(11月4日・佐賀)の2戦。出否も含め、各馬の動向が大いに注目される。

取材・文坂田博昭

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

御神本訓史騎手

実績的に負けられない一戦でしたが、強いパフォーマンスで勝ち切れてホッとしています。(弥富移転後初めて乗った)名古屋競馬場は乗りやすかったですし、返し馬では馬にとっても馬場が合うのではないかと感じました。馬体重マイナス6キロでも仕上がりは凄く良く、それもレコードに繋がったと思います。

藤田輝信調教師

普段からとても大人しい馬で、今日も装鞍所では微動だにしていませんでした。マイナス6キロの馬体重で見た目スッとした感じはしましたが、状態は良く、理想的な展開で思っていた以上に強い競馬をしてくれました。当面はJBCレディスクラシックを最大の目標と考え、馬の体調を見ながら進めていきます。