中団馬群から抜け出し接戦を制す
新馬戦大敗から立て直し重賞制覇
かつては準重賞として実施されてきたが2020年に重賞へ格上げ。今年からは距離が1400メートルに延長され、よりハイセイコー記念を意識するレースになった(1・2着馬に優先出走権)。大井9頭、浦和2頭、船橋1頭の12頭立てで行われた。
勢いよく飛び出したのは単勝1.7倍の圧倒的人気に推されていたラブミーメアリー。フリーダム、プリムスパールスの7枠2頭がピタリとマークして向正面へ入ると、さらに外からユーロジータビートが早めに進出。2ハロン目からのラップが11.5-11.9とペースが上がった。
直線ではラブミーメアリーが単独で抜け出すかたちになったが、半ばからは後続が大挙して脚を伸ばし、ゴールまで100メートルという地点では5頭が一団になる混戦状態。
その真ん中を抜け出してきたのは8番人気のランベリーと2番人気のオーシンレーベン。外からは7番人気シビックドリームも迫るが、最後は競り合いを振り切ってランベリーが勝利を決めた。中団の位置取りから直線では馬群の狭い間を抜け出す、2歳牝馬とは思えない精神面の強さを見せた。勝ちタイムは1分28秒6(良)。
「新馬戦では苦い思い出しかありませんが、責任も感じていました。爆発力はこのメンバーでも劣っていないと思っていましたので、結果を出せてほっとしています。少し窮屈な競馬になりましたが、馬が辛抱してくれてよく伸びてくれました」と喜びの表情を見せた矢野貴之騎手。
デビューから5戦目での重賞制覇となったが、矢野騎手の言う“新馬戦の苦い思い出”とは、スタートで6番枠から外ラチまで逸走してレースにならず。再調教試験を受けるに至ったが、単走ながら48秒5(800メートル)という破格のタイムで走り抜けた。
「あのタイムには驚いた。50秒切るのでもすごいことだし能力の高さを感じた。気性がじゃじゃ馬だから新馬戦の時のようなことも起きるんだけど、そのあと責任を感じた矢野騎手からマルタンガール(手綱・馬の首回り・腹帯を繋いで馬の頭の可動域を制限する馬具)を着けましょうと提案があった。続くレースは楽勝したが、ここ2走でスタートの進みが良くない。相談して今回は外してみようとなった」と赤嶺本浩調教師。
今回はもうひとつ、「テンションが高いので引っかかる馬にならないように気をつけて調教に乗ってきたが、初めてビッシリ追い切りをかけた。へこたれることもなく良い仕上がりで送り出すことができた」。そう話すのは調教を任されている小安和也調教師補佐。馬体重マイナス6キロは調子を落としていたわけではなかったのだ。
「次走?目標は年末の東京2歳優駿牝馬だから、その前に1戦。ハイセイコー記念を挟む可能性がある。1600メートルも大丈夫だろう。それにしても8番人気とは今日は人気がなさすぎだよ」と笑う赤嶺調教師にとっては、17年のサンタアニタトロフィー以来の重賞勝ち。そのときの勝ち馬は12歳まで走ったゴーディー。現在は乗馬になっているが、ランベリーと同じオーナーでもあり、浅からぬ縁を感じているという。
競り合いの末半馬身差で2着だったのがオーシンレーベン。キャリア1戦での重賞挑戦とは思えない立ち回りを見せた。「勝ち馬とは、通った場所や経験の差かな。パワーアップしてくればマイルくらいまでは大丈夫だと思う」と笹川翼騎手。
デビューから3連勝中で圧倒的人気のラブミーメアリーは直線半ばで脚いろが鈍り6着。「マークされる立場でプレッシャーをかけられオーバーペースになった。それを考えればよく走っている」と森泰斗騎手は振り返った。
取材・文中川明美
写真宮原政典(いちかんぽ)
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赤嶺本浩調教師
マイナス6キロでも調子を落としているようには見えず、しっかりパドックも周回して良い状態だった。スタートで躓くことが多かったが、矢野騎手と相談してマルタンガールを外してみたらスタートも良かった。凄い勝負根性を見せてくれたね。









矢野貴之騎手
一生懸命走りすぎてしまうところがあるのでそのあたりを心配していましたが、前走1600メートルを使ったこともよかった。当初から素質はいいものを持っているなと思っていましたし、体つきは少し小さいですがその分根性はあるので、このまま順調に成長していってくれたらなと思っています。