得意の舞台でDG初制覇
JBCスプリントも視野に
9月中旬にもかかわらず、さいたま市は猛暑日を記録し真夏のような蒸し暑さ。午後から大気の状態が不安定になり、浦和競馬場上空も厚い雲がかかっていた。それでもなんとかもってくれそうだったのだが、テレ玉杯オーバルスプリントJpnIIIのパドック中に、ついに大きな雨粒が落ち始め、激しい雨の中でレースが行われた。
2011年にJRA交流となってから、初めて10頭未満の7頭立て。JRAからは良血馬スレイマンや、重賞3勝の実績馬サンライズホークなど4頭が出走。地方からは昨年の2着馬スマイルウィや、トライアルを好タイムで勝利した地元のシーサーペントが注目を集めた。最終的にはスレイマンが単勝1.9倍で1番人気に推されたのだが、6頭が10倍以下と大混戦模様となった。
シーサーペントが先手を取り、2番手にイーグルノワール、外目3番手にスマイルウィがつけた。直後にスレイマン、テーオーステルス、サンライズホークが続き人気上位6頭が牽制し合いながら進んだ。
向正面半ばあたりで各馬が動き始め、大外からサンライズホークが一気に進出し、3コーナーで先頭に並んだ。シーサーペントも負けじと抵抗していたが、さらに外から上がってきたのがスマイルウィだった。直線入口で先頭に立ち後続を引き離すと、ゴール前で外から伸びてきたスレイマンを3/4馬身差で振り切って勝利。クビ差で3着にはサンライズホークが入った。
浦和1400メートルのスペシャリスト、スマイルウィが底力を見せつけた。これで重賞7勝目、待望のダートグレード初制覇だ。ここまで、昨年のさきたま杯JpnIIがクビ差、テレ玉杯オーバルスプリントJpnIIIでは3/4馬身差でともに2着とタイトルまであと一歩。「悔しいレースが続いていたので、起死回生の一発と思っていました。嬉しいですね」と張田京調教師も感慨深い表情を見せた。
前走のスパーキングサマーカップは状態が伴わず10着と、約3年半ぶりの馬券圏外だった。その影響もあってか今回は5番人気の評価だったが、その不安を吹き飛ばす会心の勝利。矢野貴之騎手は「前走が乗っている側としても心配な内容だったので半信半疑なところはあったのですが、担当スタッフの方がここまで持ち上げてくれて感謝しかないです」と嬉しそうだった。
気になる次走について、「定量戦以外だと60キロ背負うことになってしまうからね。JBCスプリントを使ってからゴールドカップというのは間が短いので、どちらかの選択になると思う」と張田調教師。さらなるステップアップを目指すスマイルウィの今後の動向に大注目だ。
2着スレイマンの西村淳也騎手は「状態は良かったです。もう少しでしたね」とコメント。3着サンライズホークのミルコ・デムーロ騎手は「難しい性格で、最近はブリンカーに慣れてしまっていましたが、今日外してみたら良かったですね。久しぶりに好走できました」と振り返った。
取材・文秋田奈津子
写真宮原政典(いちかんぽ)
Comment

張田京調教師
騎手に指示をしたことはないので今日もお任せでした。シーサーペントが行ってくれたので楽に追走できたし外枠も良かったですね。雨もプラスになりました。直線はなんとか凌いでくれと思っていました。まだ絶好調ではないですが、前走とは状態が全然違いました。これからさらに上がると思います。









矢野貴之騎手
この馬らしく絶好のスタートが切れたので良いリズムで運べたと思います。少頭数ながらもなかなか厳しいレースになったのですが、本当に辛抱強く走ってくれました。実力のある馬がようやく交流重賞を勝てました。これからもっと良くなると思うので応援よろしくお願いします。