一気のまくりで直線抜け出す
気性難を修正し掴んだタイトル
昨年までJBC2歳優駿JpnIIIの指定競走として行われていた兵庫若駒賞が休止となり、昨年第1回として8月10日に行われた兵庫ジュベナイルカップが1カ月以上時期を繰り下げ、あらたにJBC2歳優駿JpnIIIの指定競走となった。1週前には2歳牝馬の園田プリンセスカップが行われたが、牡馬が出走できる兵庫の2歳重賞はこのレースが最初となる。
出走10頭の成績を見ると、1戦1勝の2頭以外に無敗馬はなく、2勝しているのもラピドフィオーレだけで混戦といえるメンバー。そうした中で、3週前のデビュー戦を7馬身差圧勝で逃げ切ったマオリが単勝1.9倍の1番人気に支持された。
2歳戦らしくバラついたスタートだったが、2番人気のキミノハートが1番枠から好ダッシュを決めて先頭に立った。ゲートを出た瞬間、内によれたマオリはすぐに立て直してピタリと2番手。ビーチボーイ、ジューンコメットが差なく続き、この4頭を見る形でラピドフィオーレが追走。そのうしろはバラバラで縦長の展開となった。
人気2頭が前で競り合う形となり、ペースアップした3コーナー手前でマオリが徐々に後退。すると3コーナー過ぎでラピドフィオーレが1頭だけ違う脚色で外からまくってきた。4コーナーで先頭のキミノハートに並びかけると直線は2頭の追い比べ。じわじわと差を広げたラピドフィオーレが2馬身差をつけて勝利。4コーナーでまだ離れた6番手だったジーニアスレインが直線外から一気に伸び、内で粘るキミノハートに迫ったが、3/4馬身及ばず3着だった。
勝ったラピドフィオーレの鞍上は、この日行われたゴールデンジョッキーカップ(GJC)に出場していた高知の赤岡修次騎手。GJCの総合成績では3位と同ポイントの4位で、兵庫ジュベナイルカップの表彰式では「あとひとつ上だったらさっき(GJC)も表彰台に乗れたんですけど」と悔しがって見せ笑いを誘った。この日は不在だったが、田中範雄調教師から直接騎乗依頼を受けていたとのこと。
「聞いていたとおり乗りづらい面を出していたんですけど、馬のうしろに入れたら落ち着いてまじめに走ってくれました。3コーナー手前ではいつでも交わせるくらい手応えはよかったですが、直線でも手前を替えなかったので終いは甘くなりました。それでも最後までよくがんばってくれました」と赤岡騎手。ラピドフィオーレはデビューから2連勝のあと、1番人気に支持された前走で4着に敗れていたが、今回は赤岡騎手が気性の問題をなんとか克服して勝利に導いた。
ラピドフィオーレの父は、ダートの種牡馬ランキングで上位を争うホッコータルマエ。母は2018年に兵庫クイーンカップを制したナナヨンハーバーという、血統的にも今後の活躍が期待される。
2着キミノハートは「正攻法で前で競り合ったから展開もしんどかった。それでもよく2着に残った。今後の成長に期待ですね」との吉村智洋騎手。そのキミノハートと前半競り合った人気のマオリは最下位。長谷部駿弥騎手によると、デビュー戦は手前を替えないまま走って勝ったが、今回も手前を替えずに、そのあたりの難しさが出てしまったようだ。
その他の馬たちの関係者からも、2歳馬ゆえの難しさであったり、まだ能力を発揮しきれていないというようなコメントが多く聞かれた。戦歴の浅い2歳馬たちの勝負付けはまだまだこれからのようだ。
取材・文斎藤修
写真桂伸也(いちかんぽ)
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芳賀雅広調教師補佐
前回がスタートから気の悪いところを見せていたので、落ち着かせるように調整してきましたが、レースでは赤岡さんがうまく乗ってくれました。外枠もよかったかもしれません。園田で活躍した血統ですが、この血統は気性的に難しいところが多いので、そのあたりが課題ですが、まだ伸びしろはあると思います。








赤岡修次騎手
気の悪さがあると聞いていたので、レース映像も見て、そこを気を付けて乗っていました。まだ子供らしさがあって能力を生かしきれていないと思います。ただ今日は思ったよりまじめに走ってくれたのでよかったです。これからしっかりして、器用に立ち回れるようになったらもっとよくなると思います。