鷲頭騎手が会心の逃げ切り
第2戦は新庄騎手が差し切る
ヤングジョッキーズシリーズTR 高知
高知競馬場では暑熱対策と馬場改修のため8月4日の開催をもって約1カ月休催し、9月7日から競馬を再開した。それに合わせて新たな施設もオープン。スタンド3階にはゲートや実物比70%のゴール板を見て触れることができる体感ギャラリーが、そして入場門左手にはボルダリングコーナーに加え、授乳室やおむつ交換台などを備えた乳幼児休憩所ができた。昨年4月に完成したバババパークと合わせて利用する家族連れが多く見られ、そのエリア一帯は遊園地のように子供たちのはしゃぐ声で溢れた。
子供の頃に競馬場を訪れたことがきっかけで騎手を志す人も多い。今年デビューの城野慈尚騎手(高知)も徳島県から家族旅行で高知競馬場に来たことで、ふんわりと「実家のお寺を継ぐのかな」と抱いていた将来像が一変した。
そうした夢を抱く若者たちが集うヤングジョッキーズシリーズ(YJS)は、創設当初はハイペースになることが多かったが、この日の第1戦はスローペースに落ち着いた。鷲頭虎太騎手(JRA)が先手を取ると、前半400メートルは26秒3で、同じC3クラスだった一つ前のレースより0秒5も遅かった。そうなると、鷲頭騎手が逃げ切るのは当然の流れ。これには本人も「誰も来なくて、思った通りのレースができました」と笑顔が弾けた。
一方で驚いたのは2着泉谷楓真騎手(JRA)が中団やや後方から差してきたこと。「道中は気難しさを見せていましたが、ハミを取ってからはしっかり伸びてくれました」と汗を拭った。3着大久保友雅騎手(JRA)は「外枠だったけどできれば内を取りたくて、いい位置を取れました」、4着小沢大仁騎手(JRA)、そして5着の長江慶悟騎手(笠松)は「外の馬が速くて控えたけど、無理してでも行った方がよかったのかな」と唇を噛んだ。
第2戦は地元高知の阿部基嗣騎手がレースを引っ張る中、ゴール直前で差した新庄海誠騎手(兵庫)とサーブルミラージュが勝利。地方競馬教養センターに一度は入所しながらも中退し、その後の厩務員時代には12連勝で重賞・摂津盃を制したヒダルマを担当するなど、今年4月デビューの同期の中でも人生経験豊富だ。そんな彼を「上手に乗ってくれた~」と笑顔で出迎えたのはサーブルミラージュを管理する宮川真衣調教師。2着小沢騎手の騎乗馬も管理しており、ワン・ツーでもあった。
逃げた阿部騎手は新庄騎手からアタマ+クビ差の3着。検量室で見守った地元の先輩騎手や調教師は3コーナーから「阿部くん、行け!」の大合唱だった。惜しくも勝利は手にできなかったが、いつもニコニコと仕事をする阿部騎手の人柄ゆえだろう。
4着に山本屋太三騎手(兵庫)で、5着はルーキーの柴田裕一郎騎手(JRA)。初のYJSに「すぐに結果を残せるかなと思っていましたが、みなさん上手くて通用しませんでした」と、さらなる向上を誓った。
トライアルラウンド(TR)高知を終えて、地方西日本暫定1位は3鞍の騎乗を終えた長江騎手で44ポイント。「うそ!?」と目を輝かせるほど本人にとっても意外だったようだ。TR高知第2戦を勝った新庄騎手は4位。同じ兵庫所属の山本屋騎手はこれでTR終了見込みながら7位で「僕はもうファイナルは厳しいので、新庄を応援します!」と切り替えた。ただ、新庄騎手もTR騎乗はこれで終了の予定。「あとは残りの組のポイント次第ですね」と山本屋騎手は自分事のように計算した。
JRA西日本では小沢騎手と大久保騎手がTR終了予定。小沢騎手はTR高知で4着、2着と上位に食い込み3位に浮上したが、第2戦は僅差2着で「あと少しだったので悔しいです」との思いが強かったよう。大久保騎手は8位で数日後には武者修行中のニュージーランドに戻るとのことだった。
取材・文大恵陽子
写真桂伸也(いちかんぽ)
Comment

第2戦1着 新庄海誠騎手(兵庫)
返し馬から調子が良さそうでした。前のペースが流れていて展開もハマりましたし、馬を信じてじっくり追いました。ゴール前は外の馬が脚を伸ばしていたので、勝ったか分かりませんでした。初めての遠征も楽しめて、一つ勝てたのでいい思い出になりました。










第1戦1着 鷲頭虎太騎手(JRA)
スタートが速く、他に誰かハナを取りに来るかなと思いましたが誰も来なくて、楽に道中を進めることができました。最後まで気を抜かせず、勝てて良かったです。次のTR笠松も頑張ります。