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第58回東京盃JpnII

直線追い比べで古馬をしりぞける
  グレード連勝でJBCスプリントへ

Road to JBCの東京盃JpnIIは大井1200メートルが舞台。1着馬には11月4日に佐賀競馬場で実施されるJBCスプリントJpnIへの優先出走権が与えられる。

昨年の覇者ドンフランキーやコリアスプリントGIIIで優勝したリメイクは、アメリカのブリーダーズカップ・スプリントGIへと向かう予定で、14頭立てで行われた。

JRA勢を抑えて1番人気に推されたのは昨年のJBCスプリントJpnI優勝馬イグナイター(兵庫)で2.8倍。フリオーソ産駒のクロジシジョーが2.9倍と僅差で続き、シャマル、チカッパと4番人気までが単勝ひと桁台で人気を分け合った。

エンテレケイアが1枠1番からハナを主張する。へリオスが2番手、マックスが3番手内、シャマルはそのすぐ外に続く。エートラックスは好位外、そして人気のイグナイターは中団外、インにはチカッパが位置取った。

中位までが一団で進むハイペースで、隊列が動いたのは4コーナーを回ってから。

馬場の中央からまず抜け出してきたのがシャマルで、外に出して追い上げてきたのはチカッパ。先行したマックスの伸び脚もいい。大外からイグナイターが迫るが今ひとつ伸びきれずにいた。

最後は3頭の競り合いとなり、チカッパが半馬身抜け出したところがゴールだった。2着マックスで、さらに半馬身差ついての3着がシャマル。

古馬を蹴散らし勝利を挙げたチカッパ。3歳馬が東京盃を制したのは2005年のアグネスジェダイ以来19年ぶりで、前走の門別・北海道スプリントカップJpnlllに続く重賞2連勝を飾った。今回の手綱は横山典弘騎手だった。

「状態面と相談してから決めることになりますが、勝ったからにはJBCへ行きたいですね」と、不在の中竹和也調教師に代わって白鳥義人厩務員が口にした。

「3歳馬で勝てたのは誇らしい。クラスが上がってからは前が速くなることでレースがしやすくなったようです。かなりいろんな競馬場に行っているし、どこの競馬場でも結果を出してくれているので、佐賀の小回りコースでも対応できると思う。コースにはこだわらないですね」と白鳥厩務員は続けた。

好位で競馬をしてきたチカッパが、中団で脚をためる競馬をしたのは、前走で騎乗した武豊騎手からのアドバイスもあったという。

前日のジャパンダートクラシックJpnIでのフォーエバーヤングに続いてリアルスティール産駒の重賞勝利となったが、昨秋以来のコンビとなった横山騎手はインタビューで、チカッパの“成長”と“将来性”をアピールした。

イグナイターは6着。外枠が響いたのか、58キロを背負った影響もあったのだろうか?

「ゲートは出たし流れもスムーズだったけど、いつものガツッとファイトする感じがなかった。メンタル面で、休み明け初戦の難しさみたいなものが出たのかもしれません」と笹川翼騎手は首を傾げる。

「外枠から外々を回ったぶんだと思います。一回叩いてグンと上がると思いますし、JBCには絶好調で行きたいですね」と新子雅司調教師には悲観の色はなかった。予定通り佐賀のJBCスプリントJpnIに向かい、目指すは“連覇”ということだろう。

取材・文中川明美

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

横山典弘騎手

馬体重が増えてたくましくなり、いい馬になっていましたね。僕の馬も行かせれば行くだけの脚はありますが、スピードには対応できていたので楽でした。まだ子供っぽいところを残しながらこのパフォーマンスですから将来がとても楽しみです。