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ヤングジョッキーズシリーズTR 笠松

笠松出身の田口騎手が連勝
  地元長江騎手が第2戦で見せ場

JRAに初めて“両親が元騎手”というジョッキーが誕生したのは2023年3月。ともに笠松競馬場で騎乗していた父・田口輝彦調教師、母・広美厩務員(旧姓:中島)という田口貫太騎手だ。デビュー戦で惜しくも2着となったのち、初勝利を挙げたのは故郷・笠松。師匠の大橋勇樹調教師が「貫太の地元だから」と笠松のJRA交流レースで騎乗馬を用意してくれたのだった。

あれから1年半。JRA賞最多勝利新人騎手に輝き、今夏はフランスへ武者修行に出向くなど、短期間に濃い時間を過ごして再び笠松に帰って来た。

紹介式ではともに笠松所属の長江慶悟騎手に大きな声援が送られたり、明星晴大騎手の横断幕を掲げるファンがいる中、JRA騎手ながら「貫太~!」とあちこちから声が聞かれたのは、やはり笠松で生まれ育ったジョッキーという認識がファンにも強いからだろう。トライアルラウンド(TR)笠松はレースも貫太一色だった。

第1戦は田口騎手が最内枠からコーナリングを生かして2コーナーで3番手インにポジションを上げると、直線で前を捉えて半身差で勝利。

「え!1番人気だったんですか?期待に応えられてよかったです」と専門紙の印以上の支持を知り、目尻を下げた。

2着加藤翔馬騎手(金沢)は悔しそうな表情。「砂を嫌がって向正面で外に出した時、田口騎手に間を上手く突かれてしまいました」と、勝ち馬の進路を作る格好となってしまったことを反省した。一方で3着鷲頭虎太騎手(JRA)は敗れた中にも納得の表情。先手を強く主張する馬が不在で「番手につける予想でいましたけど、スンナリ逃げて楽に運べました」と、スローペースに落として粘り込んだ。

4着に笠松初騎乗で「深澤杏花騎手に特徴を教えてもらいました」と古川奈穂騎手(JRA)、5着は「JRAの女性騎手と仲良くなりたいです」と話していた塩津璃菜騎手(兵庫)で、「直線で内にササってしまいました」と反省点を挙げた。

第2戦は地元の長江騎手が見せ場たっぷりの逃げを打った。3~4コーナーでは後ろを待たずに引き離しにかかったが、ゴール直前で田口騎手が差し切り勝ち。「なかなか差が詰まらなくて、逃げ馬を可愛がりすぎたかなと思ったのですが、届いてよかったです」と喜ぶと、「昨年はファイナル2位。今年はファイナルで優勝するつもりだったので、TRで2勝できてよかったです」と先を見据えた。

2着長江騎手は4コーナーでは勝ちを意識したが、最終的に半馬身差で敗れ、「悔しいですけど、反省の方が大きいです」と話した。それでも地方西日本1位に浮上し、地元メディアは「渡邊竜也騎手以来の笠松ジョッキーのファイナル出場が叶うかも」と胸を躍らせた。

3着には4コーナーをロスなく回った河原田菜々騎手(JRA)。出遅れて後手に回ったが「砂が深い内からでも頑張ってくれた馬に感謝です」と話し、第1戦も4着だった古川騎手は「なんとか馬券に絡めるようにと思ったのですが」と応援してくれたファンへの思いを口にした。5着は中山蓮王騎手(佐賀)で「思うように競馬ができませんでした」と言葉少なめだった。

いよいよ西日本のTRは金沢を残すのみ。TR笠松の最中、鷲頭騎手がずっとポイントを気にしていたのも当然だろう。その当人はJRA西日本4位で金沢の結果待ち。地方西日本1位の長江騎手は2位に16ポイント差の64ポイントだが「金沢が残っているので安心できませんね」と、3位加藤騎手、5位望月洵輝騎手(愛知)などTR金沢騎乗予定組を警戒した。


取材・文大恵陽子

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

第1戦・第2戦1着 田口貫太騎手(JRA)

第1戦は出負けしましたが、内枠のぶんリカバリーできました。向正面で砂を被らないところに出せて渋太く伸びてくれました。第2戦は逃げ馬が飛ばしていて止まるかと思ったのですが、直線で思ったほど差が詰まらず、届いてよかったです。笠松ではよく勝たせてもらっていて嬉しいです。