大井所属騎手が地元で好騎乗
ともに直線一気の差し切り
ヤングジョッキーズシリーズTR 大井
大井競馬場でのヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンド(TR)には、地方から8名、JRAから6名が出場。そのうち6名が大井所属騎手となる予定だったが、木澤奨騎手が騎乗停止。代わって、船橋の山本大翔騎手、川崎の佐野遥久騎手が1鞍ずつ騎乗予定となっていたが、船橋の所蛍騎手も怪我で欠場となっため、2鞍ずつの騎乗となった。ともにTRの予定騎乗数が当初は4回だったものが6回となった。
そして山本騎手は第1戦が単勝3.5倍と1番人気。ファイナルラウンドに向けて、ポイントを大きく加算できるチャンスといえた。しかしながら単勝オッズ20倍未満が8頭と上位拮抗となった。
パドックを周回した14頭のうち6頭が騎乗合図前に地下馬道に向かったのは、YJSらしい風景といえるかもしれない。しかしそのうちの1頭、佐々木大輔騎手(JRA)の騎乗馬は、馬場入場後に右前肢の跛行で競走除外となってしまった。
13頭立てとなった第1戦は1200メートルが舞台。2番ゲートから先手を取った田中洸多騎手(大井)が作った前半3ハロンは35秒9で、このクラスとしては平均的なタイムでも先行争いは激しかった様子。勝ち時計は1分15秒8と遅く、3着から8着までの差がすべて“クビ”という結果ながら田中騎手が5着に粘ったのもまた、若手騎手同士の戦いらしい結果といえた。
その流れを味方につけたのが、6番人気の鷹見陸騎手(大井)。スタート直後は10番手でも道中で脚を溜めて、最後の直線は際立つ末脚で勝利を挙げた。
1馬身差の2着には2番手を追走した小林脩斗騎手(JRA)が残り、3着は中団から差を詰めた秋山稔樹騎手(JRA)で、今年5年目で最後の出場となる2名。小林騎手は「前半で競ってしまった分、最後に脚が上がってしまいました」と振り返り、秋山騎手も「展開は向いたと思いますが、最後の1ハロンが重かったです」と、JRAとは違う大井の砂質を実感したようだった。
一方、1番人気の山本騎手は出遅れて、最後方から差を詰めたが8着まで。レース後は苦笑いするしかないという様子だった。
ひとつレースをはさんで迎えた第2戦は1800メートル。こちらも単勝オッズは割れぎみだったが、10倍未満は3頭。最後はその3頭による勝負となった。
勝ったのは3番人気の谷内貫太騎手(大井)で、中団追走から最後は大外に持ち出して差し切った。1番人気の菅原涼太騎手(大井)は主導権を取って、ゴール手前では差を詰めてきた勝ち馬に体を寄せたが、クビ差で2着だった。「先手を取った馬が控えてペースが遅くなったので、気持ちよく走らせることを優先して先頭に立ちました。逃げ切れるかなと思ったんですが……。でも次の浦和で頑張ります。燃えますね」と意欲十分。逆に1馬身3/4差で3着だった佐々木騎手は、これで騎乗予定が終了。「(2着だった)門別の第1戦で勝ち切れていれば」と、TRの4戦を終えて、悔しい想いがあるようだった。
4着馬は3着から4馬身離れたが、そこから10着までは0秒1の僅差。その争いを制しての4着は佐野騎手だった。「うまくゲートを出られましたし、3コーナーでみんなが仕掛けたときに動かなかったことで、最後に脚が使えました」という11番人気での好騎乗で、大井終了時点で地方東日本5位に上昇。最後のTR船橋の結果次第でファイナル進出が狙える位置だ。
しかし第2戦ではアクシデントがあった。3コーナーの手前で行き場がなくなった田中騎手が落馬。本人は大きなケガはなく検量室に戻り、騎乗馬もカラ馬のまま完走したのは幸いだったが、この件で千野稜真騎手(浦和)が開催4日間の騎乗停止となった。このため、千野騎手は第2戦が12着でもポイントはゼロ。ただし、騎乗できないのは出場予定のTR浦和が行われる10月22日を除く4日間。千野騎手は肩を落としながら控室へと戻っていったが、巻き返すチャンスは残されている。
TR大井が終了した時点での地方東日本1位は、騎乗予定が終了した谷内騎手。このままファイナルラウンド出場の4位以内をキープできるのか、10月31日のTR船橋まで他の騎手の動向が気になる状況が続くことになる。
取材・文浅野靖典
写真築田純(いちかんぽ)
Comment

第2戦1着 谷内貫太騎手(大井)
道中でペースがゆるんだことで上昇していく馬がいましたが、そこで動かなかったことが最後の伸びにつながったように思います。4コーナーではカラ馬が外にいましたが、それほど気にはならなかったですね。トライアルラウンドで初めて勝てたので、とてもうれしいです。










第1戦1着 鷹見陸騎手(大井)
うしろからになりましたが、位置取りは気にしていませんでした。それでも4コーナーではいい手ごたえで、最後の直線に入ったところで、前は止まるだろうから捕まえられると思いました。ヤングジョッキーズの最初のレースで、無事に帰ってくることができてよかったと思います。