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第2回ネクストスター笠松

低評価を覆し逃げ切る
  笠松移籍で素質開花

今年のネクストスター笠松には12頭がエントリー。そのうち笹野博司厩舎と後藤佑耶厩舎が各3頭、伊藤強一厩舎と加藤幸保厩舎が各2頭(加藤厩舎のアイファータイトルは発走直前に競走除外)と、今年ここまでの笠松のリーディング上位4厩舎からの出走が大半だった。そのなかで圧倒的な支持を集めたのは笹野厩舎のスターサンドビーチで、最終の単勝オッズは1.3倍。1.1倍を示している時間帯もあった。しかしこれまでのような先行策は取れず、結果は7着。勝ったのは笹野厩舎の3頭のなかでもっとも人気がなかったブリスタイムだった。

昨年のこのレースは笹野厩舎のワラシベチョウジャが勝利。スターサンドビーチと同じく渡邊竜也騎手が騎乗しての1番ゲートで、単勝1.2倍の支持に応えた。渡邊騎手は今回の開催初日となる前日に、自身が昨年記録した笠松競馬場での年間最多勝記録(183勝)を更新。それも人気を後押しする材料につながったのかもしれない。

しかしゲートが開くと、スターサンドビーチは好スタートを決めた隣の枠のメイプルギンとしばらく並走する形。その間にブリスタイムがダッシュを効かせて先手を取り、センゴクブショウ、ダットデアなどがその後ろにつけた。

スターサンドビーチはインコースで包まれるような形で、先行勢から少し離れた7番手。そのままの位置でゴールを迎えてしまった。「外から来られて、いい位置が取れなかったのが響きました。向正面で仕掛けましたが、いつもの脚ではなかったです」と、渡邊騎手。笹野調教師も「砂をかぶってどうかという不安があったので、最内枠は気になっていました」と振り返った。

それでも笹野厩舎としては連覇。先手を取ったブリスタイムが逃げ切って、1馬身差での2着争いは写真判定の結果、2番手を進んだ同厩舎のセンゴクブショウが残った。ハナ差3着は後藤佑耶厩舎のゴーゴーバースデイで、塚本征吾騎手は「4コーナーでは勝てそうな手応えがあったんですが」と悔しそう。それでも「今回の経験が今後に生きると思います」と、この先の牝馬重賞戦線に向けての希望を示した。

逃げ切ったブリスタイムは、笠松に移ってから3連勝。8歳上の半兄にジャパンダートダービーJpnIを制したヒガシウィルウィンがいる血統とはいえ、門別では6戦とも6着以下だったのだから大変身だ。

「でも門別の能力検査で50秒0(800メートル)を出せたので、いい素質は持っているんですよ。ただ、レースになると気の悪さを出していました。それで環境を変えたことが、いいほうに出たのだと思います。この選択ができたのは、各競馬場にネクストスターという目標が新設されたおかげ。このレースがなかったら、まだ門別にいたかもしれません」とは、馬主のYGGホースクラブのスタッフ。このあとは間隔を取りつつ、年末のレースに向かう予定だそうだ。

笹野調教師はレース直後に複雑な表情を見せる瞬間もあったが、「(ネクストスター笠松に出走した)3頭ともタイプが違うので、今後は笠松以外も選択肢に入れてもいいと思います。最近は笠松の馬が他の競馬場で勝てていませんが、まだ笠松の力は落ちていないということを示したいですね」と締めくくった。

取材・文浅野靖典

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

藤原幹生騎手

ゲートで我慢できて、好スタートを切れたことが勝因ですね。前走はペースを落としての逃げ切りでしたが、今回は後ろに脚を使わせるような形で逃げようと考えて乗りました。距離はもう少し長くても大丈夫だと思います。門別でいろいろ経験しているので、差す形を試してもいいかもしれません。

笹野博司調教師

藤原騎手は調教から乗ってくれていて、今回は前走よりもペースを上げて逃げるという作戦で送り出しました。門別では気性的に難しい面があったそうですが、こちらでは今のところそこまでの雰囲気ではないですね。自分の競馬ができなかったときの心配はありますが、将来性を含めて楽しみな存在です。