2レースとも大波乱の決着
浦和・室騎手が地方1位通過
ヤングジョッキーズシリーズTR 船橋
2024ヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンドは2日前に西日本地区が終了し、東日本地区は船橋競馬がラスト。地方所属でトライアルラウンド船橋に出場する騎手は9名で、そのうちポイント2位の及川烈騎手(浦和)と3位の菅原涼太騎手(大井)が1レースだけの騎乗。ほかの7名は2レースに騎乗する。
船橋での第1戦を前にしてのポイントは、菅原騎手が48。2レース騎乗の騎手では鷹見陸騎手(大井)の35が最高で、それ以下の騎手も含め4位以内に入るには、最低でも1レースは上位入線の必要がある。
一方のJRA騎手は6名が出場して、トップの佐藤翔馬騎手と2位の長浜鴻緒騎手は4位以内が確定。そのほかの4名には残り2枠に入る可能性が残っている。
各騎手もそのあたりの事情は頭に入っていたのだろう。1600メートルで行われた第1戦は普段のレースとは違う流れになった。
ほぼ横一線のスタートから先手を取りに行ったのは加藤雄真騎手(川崎)。その直後から鷹見騎手、秋山稔樹騎手(JRA)などが追走したが、1コーナーに入るとペースが落ちて徐々に馬群が詰まる形に。先行争いに加わっていた室陽一朗騎手(浦和)は1コーナーで「インコースが危なかったので」と、すこし離れた外を回った。
向正面に入ってもペースがあまり上がらない流れは、完全に逃げ先行タイプが有利。しかしそれが当てはまったのは先頭の加藤騎手だけだった。3コーナー手前から横山琉人騎手(JRA)、原優介騎手(JRA)が位置取りを上げたが、加藤騎手の直後を進んだ鷹見騎手、小林脩斗騎手(JRA)などは失速してしまった。
そして最後の直線では加藤騎手の独走で、2着の横山騎手に4馬身差をつけての逃げ切り勝ち。その時計は1分48秒0で、C3クラスではあまり組まれない1600メートル戦とはいえ、前日のC1クラスとの比較では3秒2も遅い。まさに乱戦という印象が残った。
そのなかを単勝11番人気で1着、12番人気で2着という結果を得た水野貴史調教師は、驚きと喜びが同居する表情。2着から1馬身半差で3着だった原騎手は「最後は伸びてくれたので、もう少しいい位置が取れればよかったのですが」と振り返った。
3着からクビ差の4着は田中洸多騎手(大井)。「気難しいタイプと聞いたので、馬なりで様子を見ながら進めました。でも初めて乗る馬ですからね。もう1回乗せてもらえれば違う結果になると思うんですけど」と苦笑い。逆に勝った加藤騎手は「逃げたのは作戦。次も頑張れば4位以内が狙えますよね」と笑顔で装鞍所に向かっていった。
続く第2戦はC2クラスの1800メートル。第1戦に続いて原騎手が単勝1番人気に支持されたが、騎乗馬は船橋競馬場で10戦して未勝利で、2着が6回という成績。原騎手は12番ゲートから好スタートを決めて積極策を取った。
と同時に、内枠では佐野遥久騎手(川崎)と秋山騎手が落馬。どちらも最初の1歩目でバランスを崩して隣の馬に体当たりをしてしまったように見えた。その2頭はカラ馬のまま走り、うち1頭は1コーナーで走るのをやめたが、もう1頭は先手を取った田中騎手と向正面まで横に間隔を取る形で並走していた。
そのカラ馬は3コーナーで走るのをやめたが、展開には少なからぬ影響があったようだ。4着だった木間塚龍馬騎手(船橋)が「カラ馬に気を使いながらでしたね」と話し、最後方から3着に上がった鷹見騎手は「カラ馬がいたおかげで、僕に展開が向いたのかもしれません」と話した。
その流れをもっとも味方にしたといえるのが田中騎手。最低人気馬で先手を取って、4コーナーでは逃げ切れるかという雰囲気まであった。「根性があると聞いていました。室くんの馬がもう少し早く来てくれたら逃げ切れたかも」と笑顔。その室騎手が最後の直線で目立つ伸び脚を見せて、田中騎手に2馬身半の差をつけて勝利。「久しぶりに勝てたのでホッとしました」という結果、トライアルラウンド1位が決まった。
そして鷹見騎手が2位に浮上。第1戦を制した加藤騎手は未計算の得点表をのぞきこみながら「第2戦は後ろのほうだったんで、ダメですよね」と残念そうな表情を見せていた。
逆にJRA騎手は第2戦で全員が6着以下だったため、上位4人の順位はトライアルラウンド船橋の前から変動なし。1位のポイントを獲得した佐藤騎手は「1位ですよね。初めてのファイナルなので、いい騎乗ができるように頑張ります」とコメントを残した。
取材・文浅野靖典
写真千葉県競馬組合、国分智(いちかんぽ)
Comment

第2戦1着 室陽一朗騎手(浦和)
みんなが事故のないようにという乗りかたをしたので、道中は落ち着いたペース。だから4コーナーでは逃げ切られるかなと思ったんですが、馬の強さで勝てました。調教師さんからは早めに仕掛けても良いと言われていたこともあって、強気に前の馬を追いかけたのが結果的に良かったと思います。










第1戦1着 加藤雄真騎手(川崎)
ペースは少し速い気はしましたが、後ろが来なかったのでそのままのスピードで行きました。4コーナーでは後ろの馬の足音とかが聞こえてきましたが、手ごたえがまだ残っていたので押し切れると思いました。船橋コースで勝ったのが初めてなので、それも含めてとてもうれしいです。