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ヤングジョッキーズシリーズFR 園田

3戦いずれも1番人気が勝利
  1着・2着の鷹見騎手が首位

例年に比べ、フレッシュな顔ぶれとなった。今年のヤングジョッキーズシリーズ(YJS)ファイナルラウンドは出場16名中14名がデビュー3年目以内。それゆえ、ファイナル出場経験者はデビューイヤーの2022年に14位だった及川烈騎手(浦和)と、昨年2位の田口貫太騎手(JRA)のみだった。

なお、JRA東日本3位の大江原比呂騎手は負傷のため、同5位の石田拓郎騎手が繰り上がり出場。「ファイナルに出られることは嬉しくて、園田競馬場で騎乗経験のある先輩に話を聞いてきました」と、6日前に急遽決定ながら準備を整えた。

一方で、鷹見陸騎手(大井)と谷内貫太騎手(大井)は深夜から調教騎乗してから空路で向かったのだが、騎手紹介式に間に合わないというハプニング。「どうしよう、間に合わずに騎乗変更かも」と鷹見騎手はかなり焦ったようだが、第1戦でいきなり存在感を示した。

騎乗したラディアントホースは1400メートルでの近走タイムが頭一つ抜けた存在。好スタートを決めると、逃げて好成績の馬に乗る河原田菜々騎手(JRA)を抑えてハナを取った。3コーナーで及川騎手が一気に迫ってきたが、必死に追う同騎手に対し、鷹見騎手はまだ手応えを残したままで、直線を向いて後続を離すと最後は流して2馬身差で勝利。移動のバタバタがありながらも、園田初騎乗で単勝1.6倍の断然人気に応えた。

この勝利の陰には地元騎手からのアドバイスもあった。ラディアントホースは本馬場入場からテンションが高く、輪乗りでも飛び出していきそうになる場面もあったのだが、鷹見騎手が土方颯太騎手(兵庫)に聞いたところ「この馬はいつも輪の内側を回っている」と、たびたび地元騎手が使う方法を教えてもらい実行したことで、落ち着かせることができた。

勝利のサポート役ともなった土方騎手だが、第2戦は自身が主役に躍り出た。騎乗したハテナビトは前走では直線で伸びて2着とあって、ここでは単勝2.0倍の1番人気に推された。レースでは逃げ馬の直後のイン、地元では”ハコ”と呼ばれる絶好位を確保した。逃げる橋木太希騎手(JRA)がスローペースに落としたことで末脚不発も懸念されたが、直線を向いたところで、逃げた馬と2番手の馬の間に進路ができると迷わず突いて1馬身1/4差で勝利。当日このレースまでにすでに2勝を挙げる絶好調の勢いのままに、母や祖母が見守る中、大きな1勝を手にした。

さらに第3戦も単勝2.5倍の1番人気が魅せた。直近2走のC2クラスで2着のマリノマジカルに騎乗の長浜鴻緒騎手(JRA)が道中をインの3番手で運ぶと、4コーナーでも内ラチ沿いをピタリと周って抜け出し、2馬身半差で勝った。

長浜騎手はJRA美浦所属ながら園田ではすでに3回の騎乗経験があり、1週間前にもJRA交流レースに騎乗していた。3頭外を回って5着だったのだが、その際に地元の保利良平調教師から「いまの園田は内を回らなアカン」と助言を受け、それを実行しての勝利だった。

これまでYJSは若手同士の戦いということもあり、ファイナルラウンドでも人気薄の勝利が多かった。ところが、この園田ラウンドは3戦すべてで1番人気の勝利。ファイナルで1ラウンドすべてを1番人気が勝ったのはYJSが創設された17年大井以来だったのだが、今回は馬の能力に加え、3騎手がそれぞれに周囲からのアドバイスを素直に実行したことで結果を引き寄せた。

園田ラウンドを終えてトップは1着、2着の鷹見騎手で50ポイント。昨年こそ総合で50ポイント以上が5名いたが、YJS創設から22年までであれば表彰台に上がれそうな高ポイントを1日目に稼いだ。続いて第2戦を勝った土方騎手と第3戦を勝った長浜騎手が34ポイントで並び、4位は5着、2着とトライアルラウンドに続き安定して上位入着を果たした橋木騎手だった。

総合優勝が決まるJRA中京ラウンドは1日置いて12月14日に行われる。通算100勝に王手をかける長江慶悟騎手(笠松)は「中京で達成できたらいいですね」と意気込み、土方騎手は「小牧太騎手から中京の乗り方を聞いたので生かして、16ポイント差を逆転したいです」と表情を引き締めた。


取材・文大恵陽子

写真いちかんぽ(桂伸也、岡田友貴)

Comment

第1戦1着 鷹見陸騎手(大井)

1~2コーナーで自分のペースを作れて、大丈夫かなと思いました。4コーナーではこちらが持ったままなのに対して及川騎手が押しながら来たので、押し切れると思いました。初出場のYJSでトライアルラウンドを含め2勝はありがたいです。何ポイントで優勝できるか気になりますが、安全に乗りたいです。

第2戦1着 土方颯太騎手(兵庫)

スタートしてポジションを取るまでは緊張していましたが、あとは馬を信じるだけでした。思ったよりペースが落ち着いていい位置につけられたことが勝因。進路が空かないかと思いましたが、2番手の馬が下がったところで外に進路ができて焦らずに誘導できました。中京でも高ポイントを獲りたいです。

第3戦1着 長浜鴻緒騎手(JRA)

イメージした位置を取れていい手応えのまま回ってこられました。向正面でマクった馬がいた時は焦りましたが、内が空くだろうと落ち着いて乗りました。直線でいい反応を見せてくれて、1番人気でしたし勝てて最高でした。中京には青森から家族も応援に来ますし、全て勝つつもりで乗りたいです。