格上挑戦で直線一気に差し切る
秋元騎手は22年ぶり重賞制覇
2024年の浦和競馬を締めくくるS1重賞、ゴールドカップ。短距離からマイルまでを得意とする南関東の猛者たちが1400メートルの舞台で戦った。
史上初の3連覇がかかるスマイルウィは単勝1.3倍の断然人気で、2番人気は今年に入り1000メートルと1200メートルの重賞で計3勝しているエンテレケイア、3番人気は浦和1400メートルで7戦6勝のシーサーペントで、浦和1400メートルの重賞プラチナカップを制しているサヨノグローリーと続いた。
しかし、勝ったのは5番人気のアウストロ。A2クラスから重賞初挑戦Vを飾った。外の4番手を追走し、4コーナーではさらに外を回ると、前を行く上位人気馬たちを豪快に差し切った。クビ差の2着は逃げ粘ったエンテレケイアで、1馬身差の3着はインからしぶとく脚を伸ばしたサヨノグローリー。3番手を追走したスマイルウィは伸びを欠き4着に終わった。
アウストロはダノンレジェンド産駒の4歳牡馬。22年11月に浦和でデビューし、昨年10月はまだC1クラスだったが、そこから9戦パーフェクト連対で重賞タイトルを獲得した。
コンビを組む秋元耕成騎手は益田と上山に所属していたが、いずれも競馬場が廃止となり、03年に浦和へ移籍。重賞勝ちは02年益田・日本海特別のニホンカイマリノ以来22年ぶりだった。「うれしいですね。道中は何も考えられませんでしたが、ゴールした後に勝った実感がわいて、『やったぁ!』という感じでした」と笑顔。
アウストロと秋元騎手が枠場に引き上げてくると、内田利雄騎手をはじめとした浦和ジョッキーズがズラリと勢ぞろいした。そんな多くの騎手が重賞後に出迎える光景を筆者は初めて見たが、苦労人・秋元騎手の勝利を多くの仲間が称えたかったのだろう。
小澤宏次調教師も涙ぐみながら喜びをあらわにしていた。「秋元は開業当時から気性の難しい馬に乗ってくれて、縁の下の力持ちとしてやってきてくれました。アウストロは遊んで集中力を欠くところがあるので、シャドーロールやブリンカーなどの馬具をつけています。秋元も調教とレースで教えてくれています。生え抜きの馬で初めて重賞を勝てたので感慨深いですが、秋元が乗って勝てたことが一番。馬はもちろんですが、騎手も褒めたいです」
アウストロは来年5歳になるが、出走16回と数を使っていない。「オーナーが無理をさせずに休みながら使ってくださっているので、調子をガクンと落とすこともなく、成長してくれています。ポテンシャルの高さと前に馬がいれば追いかけていく勝負根性がいいところ。まだ計り知れない伸びシロがあります」と力を込めた。
今後については迎徹オーナーと相談の上、決めるそうだ。
階段をひとつずつ上がってきたアウストロと秋元騎手のコンビで、更なる大舞台での活躍を期待したい。
取材・文高橋華代子
写真宮原政典(いちかんぽ)
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小澤宏次調教師
A2で格下だったので、いきなりのS1はどうかなと思いましたが頑張ってくれましたね。ペースに惑わされないように馬のリズムで走るように、乗り役にはお願いしました。1コーナーで4番手につけられたので、あとはペースが上がった時にどのくらいついていけるかなと。ゴールした時は声が出ました。







秋元耕成騎手
スタートで前の方に行ければと思っていましたが、4番手になってしまい、最後は馬に助けられて勝つことができました。まだ少し難しいところはありますが、少しずつ直していきたいです。この後は馬の状態を確かめて、またゆっくりと仕上げていきたいと思います。浦和競馬をみんなで盛り上げていきます。