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第52回佐賀記念JpnIII

逃げにこだわり昨年の雪辱
  シンメデージーは悔しい2着

昨年の佐賀記念JpnIIIは、11月に佐賀でJBC競走が開催されることもあり、GI/JpnI上位実績馬が例年より多く出走。先日発表されたレースレーティングは110.25と、23年の102.50から大幅に上がった。

今年は出走馬の傾向がどう変化するか注目されたが、昨年からのダート体系整備により、佐賀記念JpnIIIは4月の川崎記念JpnIの前哨戦として位置付けが明確となり、JRAからはノットゥルノ、デルマソトガケのJpnI勝ち馬2頭。地方からもシルトプレ(佐賀)、シンメデージー(高知)といった昨年のJpnIで上位実績がある馬が参戦と、昨年同様の好メンバーが集結した。

週明けからの寒波襲来が心配されたが、佐賀県内の雪のピークはレース前日の5日。24時間態勢での馬場整備もあり、終日重馬場だったものの開催への影響はなかった。

昨年佐賀で2走し佐賀記念JpnIII・1着、JBCクラシックJpnI・5着のノットゥルノが単勝2.3倍の1番人気。2番人気には大井・東京ダービーJpnI・4着のシンメデージー、4番人気に北海道所属だった昨年の佐賀・JBCクラシックJpnI・4着のシルトプレと地方馬も上位人気に名を連ね、5番人気デルマソトガケまでが単勝1桁台と混戦模様の評価となった。

外から好ダッシュをみせたクラウンプライドを、内からメイショウフンジンが交わしてハナを奪った。最初の3コーナーまでに位置取りはほぼ固まり、メイショウフンジンから8番手ヒロシゲウェーブ(愛知)までの馬群は縦長で、後方に3頭置かれる形で最初のゴール板前を通過した。

向正面入口でクラウンプライド、4コーナーでノットゥルノに迫られたメイショウフンジンは、その都度突き放すと、直線でも脚色が衰えず2着に2馬身差を付けての逃げ切り勝ちとなった。

中団を進み、4コーナーで4番手に付けていたシンメデージーがゴール直前でノットゥルノをクビ差交わして2着。両馬の争いから1馬身半差で4着にグロリアムンディ。その後は差が開いて5着にデルマソトガケ。シルトプレは中団から向正面で前との差を詰めたものの、そこから伸びず勝ち馬から3秒0差の6着に終わった。

メイショウフンジンは昨年の佐賀記念JpnIIIでも逃げを打ち、4コーナーでノットゥルノに先頭を奪われたが粘りを見せコンマ7秒差の3着。今年は4コーナーで抜かせずに押し切って雪辱を果たした。

2着シンメデージーはダートグレード4度目の挑戦で初の連対。なお地方馬が佐賀記念JpnIIIで3着以内に入ったのは08年1着チャンストウライ(兵庫)以来。管理する打越勇児調教師は「2着で悔しいと言ってはいけないのかもしれませんが、悔しいです。レース(のペース)をいじってくれれば結果は違ったかもしれません」とレースを振り返った。

取材・文上妻輝行

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

酒井学騎手

ハナに行くというのが一番理想の形だと思っていたので、他に(馬が)行ったとしても、内の深い所を通してでも、とにかくハナを取ろうと考えていました。ブリンカーを2走前から着け始めましたけど、いつもよりも行きっぷりも良くなってくれましたし、道中も気を抜くことなくしっかり走ってくれました。

西園正都調教師

前走は上手に番手に付けて、ああなると走らない馬なので、いつもどおり「死んでもいいからハナに行け」と指示を出していました。ハイペースでもなんでもハナに行き切ってしまえば力以上のものを発揮しますので、今日はある程度期待はしていました。次はダイオライト記念の予定です。