断然人気にこたえ無傷の8連勝
今年も目指すはブリーダーズC
グランダム・ジャパン2025古馬春シーズンが、クイーン賞JpnIIIから開幕。71回目を迎えた伝統の一戦で、数々の名牝が船橋競馬場の砂上を駆け抜けてきた。
風が冷たく、非常に寒い1日。場内はすれ違うこともままならないくらいに多くのファンが詰めかけ、その注目度の高さがうかがえた。ライオットガールが左後肢跛行で出走取消となり、今年のラインナップは7頭。少頭数になったが、豪華メンバーがそろった。
単勝1.2倍と断然人気に支持されたのは、重賞2勝を含む無傷7連勝中のオーサムリザルト。2番人気は昨年のマリーンカップJpnIIIの勝ち馬テンカジョウ。昨年の佐賀・JBCレディスクラシックJpnIとブルーバードカップJpnIIIの覇者アンモシエラが3番人気で続いた。
強さを見せつけたのは、武豊騎手とコンビを組んだオーサムリザルトだった。2番手を追走し、楽な手応えのまま最後の直線へ。逃げ粘るアンモシエラに並びかけると、残り100メートル付近からステッキが入り、一瞬で突き放した。
2着に1馬身差をつける内容に武騎手は「この馬は先頭に立つと気を抜くところがあるので、それほど差は広がりませんでしたが手応えは十分にありました」とコメント。メンバー中で一番重い57.0キロのハンデを背負い、着差以上の内容だった。
2着にはアンモシエラが入り、4番手を進んだテンカジョウが半馬身差の3着。JRAの人気3頭が上位を独占した。地方最先着はクビ差で4着だったキャリックアリード。メンバー最速の上がり3ハロン37秒0の脚を繰り出し、NARグランプリ2024・4歳以上最優秀牝馬の実力を示した。
優勝したオーサムリザルトは昨年11月のブリーダーズカップ・ディスタフGIは出走取消。今回は5カ月半ぶりの実戦だったが、デビューからの連勝をさらに伸ばし8連勝。昨年のエンプレス杯JpnII、ブリーダーズゴールドカップJpnIIIに続く3つ目のタイトルを獲得した。
武騎手は「ポテンシャル・潜在能力はすごいですけど、中央でも地方でも、右回りでも左回りでも、砂質が変わってもいろんな競馬場で安定したレースをしてくれています。すごくいい馬だと思いますよ」と強さを称えた。
牝馬は一般的に体調管理が難しいと言われている中、環境の変化にも動じず、出走したレースすべてで結果を出していることに頭が下がる。今後も関係者が思い描いている夢に向かい、進んでいってほしいと願う。
2着アンモシエラの横山武史騎手は「前走(JBCレディスクラシックJpnI)より負担重量が3.5キロ増えましたが、しっかり走ってくれました。今後が楽しみになる内容だったと思います」と手応え。
3着テンカジョウの國分優作騎手は「強い2頭を前に見て差せればとジワジワ詰め寄ってはいますが、2頭は強かったです。斤量差があるからチャンスはあると思っていましたが申し訳ないです。もう一段上に行ける馬だと思っています」と期待を込めた。
今年も砂上で輝く牝馬たちの動向を楽しみにしたいと思う。
取材・文高橋華代子
写真岡田友貴(いちかんぽ)
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池江泰寿調教師
今年の大目標はブリーダーズカップ・ディスタフを予定しています。去年は残念でしたが、今年は万全を期して行きたいです。ユタカジョッキーもブリーダーズカップジョッキーにさせてあげたいですね。中間の具体的なレースについては馬の様子を見ながら決めたいと思っています。
武豊騎手
調教には乗っていませんが、スタッフからはすごくいいと聞いていましたし、パドックで跨ってからの雰囲気も最高に良かったので、なにも心配することはなくゲートインできました。今日は寒い中、たくさん応援に来ていただき、まさにオーサムリザルトでしたけど(笑)。この馬と今年も頑張ります!