出遅れも人気にこたえ快勝
無傷の3連勝で三冠へ名乗り
ダート競走の体系整備により、昨年からJpnIIIに格付けされた一戦。三冠初戦の羽田盃JpnIと同じ大井1800メートルで行われるうえ、同レースへの優先出走権(JRA所属は5着以内に入った上位2頭、地方馬は上位2頭)が与えられるだけに、この路線を歩む意思のある馬にとっては、始動戦として絶好のレースとなる。
今年もJRAからは3頭が参戦。デビューから2戦2勝のジャナドリア、JBC2歳優駿JpnIIIで2着のグランジョルノ、芝のサウジアラビアロイヤルカップGIII・2着のタイセイカレントという面々。これらを昨年のハイセイコー記念を圧勝したスマイルマンボ、門別で重賞2勝を挙げたリコースパロー(ともに大井)が迎え撃つ構図となった。ただ、各馬ともに目標は先。現時点での仕上がり具合や馬場適性の有無が焦点となった。
迎えたスタート。JRA勢の飛び出しが今ひとつで、スマイルマンボが先手を奪った。地元のシビックドリームとアクナーテンがこれに続き、リコースパローもこの一角。1番人気のジャナドリアも二の脚を使って4番手の外につけた。隊列がすんなり決まったことで、前半3ハロンは38秒0とスローな流れ。その後に多少ペースは上がったが、先行した3頭が雁行する形で直線を迎え、前々で運んだ馬に有利な展開と見えた。
しかし、最後はJRA勢の瞬発力に軍配が上がった。直線では外からジャナドリアが力強く脚を伸ばし、残り200メートルでスマイルマンボを交わして先頭へ。さらにその外をグランジョルノが伸び、2番手に上がったところで決着。ジャナドリアが無傷3連勝で初のタイトルを獲得し、三冠路線の主役に名乗り出た。
勝ちタイム1分55秒8(良)は平均レベルだが、スタートで後手に回り、道中も少し掛かり気味ながら勝ち切ったあたりは、この馬の能力の高さ。今後は精神面も成長してくるはずで、春以降のさらなる活躍へ期待は高まるばかりだ。手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手は2020年の兵庫チャンピオンシップJpnII(バーナードループ)以来となる地方タイトルで、「とてもうれしいです」を連発。「パワーアップしているので、トップレベルにいけると思います」と笑顔で期待を口にした。
全日本2歳優駿JpnIは7着に終わったグランジョルノだが、広いコースに替わって2着に巻き返した。戸崎圭太騎手は「調教のときから成長は感じていました。ゲートが遅いという課題があるなかで、よく頑張ってくれたと思います」と評価した。ゆったりと追走できる大井外回りはベストで、流れが向けば三冠路線での好走も期待できる。
スマイルマンボが3着に入り、地方勢の最先着を果たした。「久々のぶん脚取りが重かったけど、正攻法でよく頑張ってくれました」と矢野貴之騎手。楽に先手を奪えただけに、もうひと粘りがほしかったが、使ったことで息もちが変わってくるはずだ。当初は短距離路線との両にらみだった坂井英光調教師も「現状の仕上がりでここまでやれたからね。次走は羽田盃」と話し、三冠路線へ照準。打倒JRA勢の急先鋒として期待が高まる。
4着にペピタドーロ(大井)が入り、この上位4頭が羽田盃JpnIの優先出走権を獲得。後方から鋭く伸びたレース内容が良く、初めて手綱を取った吉井章騎手も「雰囲気が良かったですね。テンションが上がりやすいので、次回は落ち着いてくれれば」と手応えをつかんだ様子だった。もともと距離が延びていいタイプで、使ったことで良化も見込める。三冠路線の台風の目になるか注目だ。
取材・文大貫師男
写真宮原政典(いちかんぽ)
Comment

武井亮調教師
出遅れて掛かり気味になり心配していましたが、ジョッキーがうまく収めてくれたので安心して見ていました。今後は馬の様子やオーナーとの相談次第ですが、三冠に行きたいですね。昨年は羽田盃と東京ダービーで負けているので、今年は結果を出せればと思います。もっとパフォーマンスを出せる馬です。








C.ルメール騎手
地方での重賞勝利は5年ぶりなので、とてもうれしいです。スタートはあまり上手ではないので、ゲートからの反応はよくありませんでしたが、二の脚が速いのでいいポジションを取ることができました。直線向いてからすごくいい脚を使ってくれました。スピードアップしてゴールまで頑張ってくれました。