得意の東京コースでGI初制覇
女性騎手がJRA・GI初勝利
フェブラリーステークスGIの前日、サウジアラビアで開催されたサウジカップデーの各レースでは日本馬が大活躍。2024年ジャパンダートクラシックJpnIの優勝馬で、東京大賞典GIで古馬もしりぞけたフォーエバーヤングがサウジカップG1を勝利した。地方からは、昨年のフェブラリーステークスGIでも注目を集めた兵庫のイグナイターがリヤドダートスプリントG2に出走。11着に敗れたが、新たな挑戦はファンの胸を熱くした。
そんな盛り上がりのなか迎えた、2025年国内最初のGI・フェブラリーステークス。6年連続の出走となる地方馬は、高知からヘリオスが参戦した。フォーエバーヤングなどの強豪馬が中東遠征のため、今年も混戦ムード。24、25年にダートグレードを勝った馬が、16頭中11頭と抜けた馬がいないメンバー構成だ。単勝1番人気はミッキーファイトで3.3倍、2番人気はコスタノヴァで4.3倍、3番人気はエンペラーワケアで5.9倍と5番人気までが10倍を切った。
見事優勝を飾ったのはコスタノヴァだ。スタートは少し遅れたが、「1歩目は遅くなる時があるが、2、3歩目でスピードに乗ってくれる」(レイチェル・キング騎手)とすぐに好位を確保し、馬群の中で虎視眈々。3~4コーナーを手応えよく回ると、直線では残り200メートル手前で先頭に立ち、後続の追撃を振り切った。
「とても乗りやすい馬です。先頭に立つのが早かったかなと思いましたが、馬の力で勝てました。東京の直線は長いと分かっていますが、今日はさらに長く感じました。感謝の気持ちでいっぱいです」とキング騎手の笑顔が弾けた。
初挑戦でGI制覇を飾ったコスタノヴァは前走の根岸ステークスGIIIに続いての重賞連勝で、東京コースは6戦6勝とパーフェクト。ダートの成績は9戦7勝、2着1回とまだまだ底が知れていない。
木村哲也調教師は「中2週でしたが、エネルギーも前向きさもあったので出走を決めました。距離は1400メートルから1600メートルまでが良いと思っています。将来は種馬になれるよう導いてあげたいですね。間隔なく使っているので、この後はしっかりオーバーホールさせたいです」と語った。
また、完璧な騎乗で存在感を示したキング騎手は、女性騎手として史上初のJRA平地GI制覇という新たな歴史も作った。現地時間の21日にサウジアラビアの騎手招待競走に出場し、強行軍の日程で帰国。「飛行機で寝ることが得意なので役に立ちました」と笑ってみせたが、フェブラリーステークスGI当日は10鞍に騎乗し、2勝、2着4回と大活躍なのだから、すごいの一言。サウジアラビアではコスタノヴァに騎乗経験のあるクリストフ・ルメール騎手から馬について聞いていたようで、木村調教師は「ルメール騎手が乗っているような立ち回りでしたね」と称賛していた。日本での騎乗はあと1週のみだが、さらに注目を集めることだろう。
フォーエバーヤングに続けと、ハイレベルの4歳世代も意地を見せた。3/4馬身差の2着は直線で内から鋭く伸びたサンライズジパング。「最後は良い脚を使ってくれました。着差が着差だけに何とかしたかったですね」と幸英明騎手。さらに1馬身1/4差の3着にはミッキーファイトが続き、戸崎圭太騎手は「完璧な仕上がりでしたが外々を回されて流れが噛み合いませんでした」と、両者とも悔しい表情だった。それでもまだまだ伸び盛りの4歳馬。今後の成長を大いに期待したい。
高知から挑戦したヘリオスは、大外枠から中団の位置取りとなり11着(同着)という結果だった。
初コンビの原優介騎手は「高知からの輸送でしたが状態は良く感じました。返し馬では少し気が入っていませんでしたが、リップチェーンを外したら気が入ってくれましたね。前がハイペースだったのであのポジションになってしまいましたが、溜めれば弾けそうなところは垣間見えたので行くだけの馬ではない印象でした」と振り返った。
レース後の工藤真司調教師は少し緊張感が解けた表情だった。「もう少し前の位置取りで競馬をしたかったのですが、前に行きたい馬も多かったですからね。その中でも良い競馬をしてくれました。遠いところからの輸送なので心配もありましたが、馬がよく分かっているベテランですから。ただ、何も経験したことのない初めての大舞台でしたので、陣営としてはとても緊張していました。でもファンの方の熱もすごくて、また来たいと思いました」
そして、“この遠征が、今後の高知競馬の発展にも繋がりそうですか?”という質問に、「間違いなくこの経験は活かされますし、自分もこれからの糧にしていきたいと思います!」と力強く語ってくれた。
取材・文秋田奈津子
写真岡田友貴、早川範雄(いちかんぽ)









