末脚勝負にかけ重賞連勝
7歳でさらなる高み目指す
この日は、JRAのルーキー・舟山瑠泉騎手の地元凱旋にわいた。舟山騎手は千葉県出身。船橋競馬場は父の舟山浩厩務員が働く場所で、瑠泉騎手も子供の頃から過ごした故郷だ。3月8日に今年デビューのJRA新人で一番乗りとなる初勝利をあげたばかりだが、今度はこの日の第1レースで父の担当馬で地方初騎乗で勝利を決めた。厩舎の人たちも親戚の子供を見守るような温かい感覚で、レース中はコース近くで応援していたという。以前から父に取材をさせていただいていた筆者も同じ気持ちで、今後の更なる活躍を期待したい。
さて、この日のメインは南関東4歳以上による京成盃グランドマイラーズ。今年から南関東S1に昇格し、好メンバーが集った。
単勝1.6倍の断然人気は、今年正月の川崎マイラーズを勝ち、重賞3戦連対パーフェクトのムエックス。さらに、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを制したフォーヴィスム、重賞で好走しているサンテックス、昨年のマーキュリーカップJpnIII・2着馬でJRAからの移籍初戦ビヨンドザファザーが10倍以下で続いた。
勝ったのは、吉原寛人騎手がコンビを組んだフォーヴィスム(川崎)。ダートグレード勝ちがある実績馬が自慢の末脚を存分に発揮した。
フォーヴィスムは好スタートを切ったが、7番手を追走。向正面では先頭から10馬身ほど離れていた。「しまいの脚にかけていたので、初めはリズムだけを整えて乗っていました」と吉原騎手。3コーナーからは馬群をぬうようにして一気に押し上げると、4コーナーでは外の4番手。2番手から直線で抜け出したムエックスが押し切るかと思ったところに、一完歩ごとに詰め寄っていき、ゴール寸前でクビ差とらえ切った。3着には逃げたリンゾウチャネルが粘った。
フォーヴィスムは2020年11月にJRAでデビュー。コツコツと走りながら3勝クラスを勝ち上がり、23年12月に南関東へ移籍。堅実な走りを続けて3つ目のタイトルを獲得した。
馬主のキャロットファーム、内田勝義調教師、瀬戸貴博厩務員、吉原騎手と言えば、NARグランプリ2024年度代表馬を受賞したライトウォーリアと同じ面々だ。
レースを終えた吉原騎手はフォーヴィスムをエスコートしながらゆったり引き返してくると、まずは多くのファンに向かってガッツポーズ。次に、顔をクシャクシャにしながら出迎えた瀬戸厩務員と顔を見合わせるなり、「やったー!よっしゃー!」と、2人そろって雄叫びを上げて喜びを分かちあっていた。
厩舎の先輩にあたるライトウォーリアは、昨年7歳で川崎記念JpnIを制し、コリアカップG3で海外遠征を果たすなど、飛躍を遂げた。今年7歳となったフォーヴィスムも幸先のいいスタートを切った。これからどんな一年が待っているのか楽しみにしたい。
取材・文高橋華代子
写真築田純(いちかんぽ)









吉原寛人騎手
直線を向いて、すごくいい脚でした。手応えもずっとあって、最後はなんとかかわしてくれると信じていました。使うたびにいい状態で来てくれているので、瀬戸厩務員には感謝しています。かしわ記念に向けても、いい競馬ができてホッとしました。まだまだ大きいところを獲れると思います。