良馬場の59kgでも3連覇達成
兵庫アラジンバローズは2着
高知に春を告げるダートグレード競走・第27回黒船賞JpnIII。地元の高知勢は第1回のリバーセキトバが勝ってからは、中央勢をはじめとする遠征馬の厚い壁に阻まれ続けている。だが、近年では2022年ダノングッドが3着、昨年ヘルシャフトが2着とまったく歯がたたなかった訳ではない。今年も地元勢は、直前の重賞を勝った5頭が駒を進めてきた。
その地元勢に立ちはだかる中央勢は今年も強力。中でもダート重賞2勝で、前走フェブラリーステークスGIでは3番人気で5着だったエンペラーワケアが単勝1.1倍の圧倒的人気を集めた。前走で12キロ増だった馬体重も14キロ絞られ、本領発揮かと思われた。
2番人気はかしわ記念JpnIを制し、このレース3連覇を狙うシャマルで6.9倍、3番人気にはダートのオープン2勝で昨年の根岸ステークスGIII・2着のアームズレイン(7.1倍)が推された。
この日の第1~4レースでは、逃げ切りがなく、直線失速やゴール前で差されるなど、逃げ馬には厳しい馬場状態。そんな中、どの馬が逃げるのか注目されたが、敢然とハナに立ったのがシャマルだった。好スタートからスムーズに加速。レースの主導権を握った。
向正面でもシャマルのスピードは衰えない。前半4ハロン48秒9というハイペースで3コーナー。2番手アームズレインが伸びない。3番手メイショウウズマサは失速。4番手のエンペラーワケアも差を詰められない。好位勢はシャマルが作ったハイペースに脚をそがれてしまった。
直線もシャマルの独壇場で、焦点は2着争いに。2番手に上がったエンペラーワケアに、道中9番手で4番人気の兵庫アラジンバローズが外から迫る。さらに、その外から、道中は最後方だった地元ニクソンテソーロが上がり3ハロン38秒5の脚で猛然と突っ込んできた
激しい2着争いを尻目にシャマルが4馬身差でゴールイン。12~14年のセイクリムズン以来となるこのレース3連覇を達成した。2着争いはアラジンバローズがエンペラーワケアに1馬身差をつけて制し、ニクソンテソーロはクビ差で4着だった。
鞍上の川須栄彦騎手にとっては、昨年に続く連覇。ハイペースの逃げで、後続の脚を奪った走りはまさに“肉を切らせて骨を断つ”だった。逃げ馬に有利ではない馬場での圧勝は能力の高さと、高知コースとの相性の良さを物語っていた。
2着アラジンバローズの下原理騎手は「前走がチグハグな乗り方だったので、ためるのに徹した。状態は前走より良かったし、思うようなレースはできたが、1頭強いのがいた」と勝ち馬を称えた。断然人気で3着だったエンペラーワケアの川田将雅騎手は「パドックで跨った感じからいつもの雰囲気ではなかった」と肩を落とした。地元勢最先着の4着だったニクソンテソーロの加藤翔馬騎手は「中央では未勝利だった馬が、この相手に4着。本当に成長している」とねぎらった。
今回の勝利で重賞7勝目となったシャマルの今後は、昨年同様、かしわ記念(1600メートル)からさきたま杯(1400メートル)のJpnI挑戦ローテーションが予定されている。
取材・文松浦渉
写真桂伸也(いちかんぽ)
Comment

松下武士調教師
速かったですね。最後は一杯でしたが(笑)。1回使って良くなっているのは感じてました。道中は他の馬が行くなら、逃げなくてもいいと思っていたが、うまくハナに立てた。本当は脚抜きのいい馬場が良かったが、良馬場でも走ったので高知とは相性がいいんでしょうね。








川須栄彦騎手
59キロで良馬場という条件は楽ではなかったですが、ジーワンを勝っている馬ですし、与えられた条件の中で精一杯やるだけという気持ちでした。レースプラン自体は考えてなかったが、加速が良く、1コーナーもいい入りができたし、素晴らしい走りでした。