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ジャスティン


高橋華代子

2025.04.18 (金)

「気になるあの馬はジャスティン」

ジャスティンはJRAと地方に所属し、長きに渡りスプリント戦線で活躍しました。

2018年10月にJRAの矢作芳人厩舎からデビューし、当初は芝で2勝しましたが、19年からはダート路線に転向。20年の東京スプリントで重賞初挑戦Vを飾ると、その年に東京盃、カペラSを制しました。さらに、世界にも挑戦。リヤドダートスプリントとドバイゴールデンシャヒーンにもそれぞれ2回ずつ遠征しました。

23年9月からは大井の坂井英光厩舎(小林分厩舎)に所属。24年の東京スプリントは西啓太騎手を背に直線で力強く抜け出し、3年4か月ぶりの勲章を奪取しました。

坂井調教師は騎手時代に2000勝をあげた名手ですが、交流重賞の勝利はありませんでした。厩舎開業は21年4月。まだ5年も経たないうちに、ジャスティンがビッグレースのタイトルをプレゼントしてくれました。

今年は東京スプリント3度目の勝利を目指していて、活気も戻り状態もすごく良かったそうですが、「前哨戦の調整中に球節の剥離骨折を発症しました。大きいところへ向かっていく上では調教も攻めていかなくてはいけなかったので……。結果的には9歳という年齢を考慮して引退することになりました」と坂井英光調教師。

ここまでを振り返り、「ひとつの目標でもあった交流重賞を勝てたことはうれしかったですが、JBCスプリントを目標に入れていただいた馬だったので、そのタイトルを取れなかったことは本当に残念です。ジャスティン自体は勝てるだけの能力はあったと思うので」と悔しさをにじませていました。

ジャスティンは年齢を重ねてもなお闘争心が薄れることはなかったと言います。「小田吉男オーナーが大事に使ってくださっていました。馬は、年齢を重ねればズブくなって全力で走らなくなることも多いですが、(ジャスティンは)競馬に向かっていこうとする気持ちが最後まですばらしかったです」。

ジャスティンは今後、種牡馬になる予定とのこと(繋養先などはこれから決まるそうです)。「馬っぷりや闘争心を引き継いでくれたら、いい仔は出ると思います。その仔とJBCに挑戦して勝つことができるように、僕自身も成長して厩舎力をあげていきたいです」と力を込めました。

ジャスティンと関わる皆さんの物語は、これからも続いていきます。

ジャスティン 牡9歳
馬主 小田吉男様
生産 天羽禮治様(日高町)
父 オルフェーヴル、母 シナスタジア、母の父 Gone West

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関東競馬(南関魂)
・大井競馬
・WEBハロン
・サンケイスポーツ
・馬事通信
・東京馬主ニュース
・川崎競馬馬主協会ニュースなど