プラン通りに運び直線差し切る
GDJのポイント暫定トップに
佐賀ヴィーナスカップは昨年同様にグランダム・ジャパン(GDJ)古馬春シーズンの第6戦となったが、距離が昨年までの1400メートルから1750メートルへ変更となった。しらさぎ賞(浦和1400メートル)と日程が近く昨年参戦のなかった南関東からは、距離変更を受けてか、近走はマイル以上の距離を使われてきたミルニュイ(大井)とエレノーラ(川崎)が参戦。西日本からは佐賀初出走のセブンカラーズ(愛知)、昨年の覇者アンティキティラ(高知)、同5着のミニョン(高知)が参戦。遠征5頭と佐賀7頭での争いとなった。
GDJ古馬春シーズンのポイントランキングではブルーリボンマイル(笠松)2着、若草賞土古記念(名古屋)1着で16ポイント(表彰対象の地方馬では2位)のセブンカラーズ、対象3レースに出走して15ポイントのアンティキティラが参戦。セブンカラーズは出走馬の中では重賞実績(6勝)が抜けており、単勝1.4倍の圧倒的人気に推されていた。
ハナを切ったのは転入後4連勝中のショウナンマリンで、シルヴァーゴースト、ミニョン、アンティキティラ、ミルニュイが続き先行馬群を形成。やや離れてセブンカラーズが中団の前に付けて最初のゴール板を通過した。
向正面でセブンカラーズが前との差を詰める一方で、ショウナンマリンが脱落。直線ではシルヴァーゴーストが先頭に立ったが、最後はアンティキティラ、ミルニュイ、セブンカラーズの争いとなり、一番外を通ったセブンカラーズが差し切って勝利。クビ差2着にミルニュイ、さらにクビ差で3着アンティキティラとなった。3頭の争いからは2馬身離れてエレノーラが4着に浮上。佐賀勢最先着はシルヴァーゴーストの5着。2番手追走から直線あわやのシーンもあり、勝ち馬からコンマ5秒差は健闘といえるだろう。
セブンカラーズは道中は前から離れた位置を進んだが、馬場の中ほどを通って最後は外に持ち出す事前のプラン通りにレースを進めての勝利。GDJ古馬春シーズンでは3戦して2勝、2着1回。今回他地区15ポイントを獲得して31ポイントとし、戦前地方馬1位(30ポイント)だったサンオークレア(兵庫)を1ポイント上回ってトップに立った。しかし管理する川西毅調教師は「暑い時期はよくないので、この後は北海道での休養というプランもあります。来年JBCが金沢であるので、そこを最後の舞台と考えていて、そこまでは無事に行きたい」と、先を見据えシーズン最終戦のエンプレス杯JpnII(5月14日・川崎)へは出走しないとのこと。3着アンティキティラは7ポイント加算で22ポイントとなり単独3位へ。2023、24年ともに総合3位で、今年も上位を狙える位置に付けている。
取材・文上妻輝行
写真桂伸也(いちかんぽ)
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川西毅調教師
今日の馬場では5番は(内側に)ギリギリだったので、山田騎手とは事前に「内にネジ込まれないように、馬場の真ん中を走ってくるように」という打合せをしていました。今日行きっぷりが悪かったのは暑さの影響だと思います。(クビ差ですが)キッチリ勝ちきったと思います。
山田祥雄騎手
初めての馬場だったのでどうなるかなと思っていたので、勝ててよかったです。(福山時代の)先輩騎手(渡辺博文調教師)がいたので、そのアドバイスを聞いて外々と回ろうかという感じでしたね。思ったより反応が悪かったので最後は怪しかったですけど、凌いだっていう感じでした。