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第26回兵庫チャンピオンシップJpnII

ゴール前突き抜け人気に応える
  一戦ごとに充実ぶり示し4連勝

昨年から1400メートルに距離短縮となり、3歳スプリントシリーズのファイナルとなった兵庫チャンピオンシップJpnII。優先出走権が与えられる各地のネクストスター競走の勝ち馬では、中日本(笠松)を制したケイズレーヴ(愛知)が出走。そのほか地方馬はいずれも地元兵庫所属で、ネクストスター西日本(佐賀)で2着のエイシンハリアー、同3着のシャナオウが出走してきた。

しかしながら人気上位はやはり中央勢。ダートで3勝を挙げているマテンロウコマンド、ヤマニンチェルキに、ダートの新馬戦を6馬身差で圧勝しているリリーフィールド、兵庫ジュニアグランプリJpnIIを制したハッピーマンまで4頭が単勝一桁台。近年のダート路線の充実に加え、1着賞金が5000万円にアップしたこともあり、中央勢は高素質馬が集まった。

予想されたとおり、芝でも先行するスピードのあるリリーフィールドが仕掛けることもなく先頭に立ち、ハッピーマン、マテンロウコマンドと続いた。先行争いにはならず枠順どおり3頭が雁行状態で隊列が決まると、この距離のダートグレードとしてはめずらしくペースが落ち着いた。ミストレス、ヤマニンチェルキも続いて中央勢が前を固める先行集団に、地方馬では地元期待のエイシンハリアーが加わった。

スローに流れたため徐々にペースアップしてもほとんど隊列は変わらず。直線を向いて前3頭の追い比べとなったが、最後の瞬発力勝負でマテンロウコマンドが突き抜けた。2馬身差で2着にハッピーマン。逃げたリリーフィールドが3/4馬身差で3着に粘った。

単勝1.9倍の人気にこたえて勝ったマテンロウコマンドは、これでダート1400メートルで4連勝。初勝利まで4戦を要し、未勝利勝ちの時計も平凡だったが、中央での3連勝では一戦ごとにタイムを詰めて確実に力をつけてきた。今回初めてのコーナー4つの小回り1400メートルで、「やってみないとわからない部分はありましたが、中京の2戦で動きたいところで動ける強みが出てきたので、こなしてくれるだろうと思っていました」という長谷川浩大調教師は、ヤマニンアンプリメで制した2019年のJBCレディスクラシックJpnI(浦和)以来の地方ダートグレード勝利となった。「現状は1400がベストですが、短くても戦えると思いますし、マイルくらいまでかなと思いますけど、ここからの成長で変わってくるとは思います」とのこと。

2着ハッピーマンは、近2走が着外だったことで人気を落とした(4番人気)が、「距離は1400がベスト。2番手につけて最高のレースができたと思います。ただ勝ち馬が強かった」と坂井瑠星騎手。直線追い比べで3着となったリリーフィールドの武豊騎手は「重いダートの1400ではちょっと一杯になってしまいました。芝でもダートでも1200のほうがいいかな」とのこと。

そして地方最先着は、冒頭のとおりメンバー中唯一のネクストスター(中日本)勝ち馬として臨んだケイズレーヴで5着。2日前に行われた羽田盃JpnIでは地方馬が2着、4着に食い込んだが、短距離路線では中央と層の厚さの違いを感じさせられる結果だった。

取材・文斎藤修

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

松山弘平騎手

今日は前半のレースから前有利な馬場かなと考えて、(3番手追走で)前を見ながら行ける外枠もいい枠だなと思っていました。理想通りの展開で、理想通りの競馬ができたと思います。初めての競馬場で、返し馬では物見をしていましたが、レースではしっかり反応して強い競馬をしてくれたと思います。

長谷川浩大調教師

前走後はここを目標に調整してきましたし、自信をもって出せる状態だというのはパドックでも確認できました。流れが落ち着いたので、前の2頭をつかまえきれるかという心配はありましたが、力強く抜け出してくれてほっとしました。まだまだ伸びしろはあると思っています。