無敗馬をアタマ差しのぐ金星
5着サンオークレアがGDJ優勝
ホクトベガが3秒6差の大差勝ちを収めた交流初年度のエンプレス杯から30年。古参のダートグレードに今年も11頭が集結した。注目はデビューからここまで8戦無敗で、昨年のこのレースを制しているオーサムリザルト。トップハンデで勝った前走のクイーン賞JpnIIIを見ても力は一枚上で、定量戦となればさらに死角はなくなると見られた。
しかし、数字の計算通りにいかないのが、競馬の競馬たるゆえん。単勝1.2倍の女王に、展開が牙をむいた。
馬群を先導したのはアンデスビエントで、前半の3ハロンは35秒8(推定)。2100メートル戦で、決して軽くはなかったこの日の馬場では、明らかにオーバーペースだった。オーサムリザルトは3番手の外でスタンド前を通過したが、1コーナーでいったん4番手に下げて内ラチ沿いへ。その後も下がってくる馬をさばきながら好位を堅持し、最後の直線で外めに持ち出した。
しかし、それ以上に勢いがあったのが2番人気のテンカジョウだった。オーサムリザルトの後ろにつけ、向正面に入ったところで仕掛けると、3コーナーで2番手まで浮上。一歩先に抜け出したアンモシエラを直線の半ばで交わすと、オーサムリザルトの追撃をアタマ差で振り切った。
殊勲の松山弘平騎手は3日前のNHKマイルカップGI(パンジャタワー)に続く重賞制覇で、再度武豊騎手の騎乗馬をアタマ差で下す結果となった。「大外枠から他馬の動きを見ながら運ぶことができたので、いい形で競馬ができました。最後もしっかり押し切ってくれて、強かったなと思いましたね」と勝因を口にした。スムーズな追走から持ち前の息の長い末脚を引き出す好騎乗。アタマ差しのぎ切った結果を見ても仕掛けのタイミングはベストで、鞍上の手腕が光った一戦となった。今後は秋の船橋・JBCレディスクラシックJpnIを最大目標に、長めの距離を中心に使っていく予定だ。
オーサムリザルトは最後に詰め寄ったものの、初黒星を喫した。今回は前半のハイペースに加え、テンカジョウとネバーモアの早めのスパートで非常にタフな競馬。終始他馬に絡まれながらの追走になったのも響いた形だ。「直線に向いたときは差せるかと思ったけど、相手もしぶとかったし、最後は少しソワソワしていましたね。連勝がストップしたのは残念ですが、また頑張ります」と武騎手。ただ、アタマ差まで迫った内容を見ても実力は示した格好で、スムーズな競馬さえできれば巻き返しは必至だ。
地方勢の最上位は5着のサンオークレア(北海道)。前走の兵庫女王盃JpnIII(4着)に続くダートグレードでの好走で、グランダム・ジャパン古馬春シーズンの総合優勝を果たした。石川倭騎手は「ペースが流れていたので競馬はしやすかったですし、リズム良く運ぶことができました。最後もしぶとく脚を使ってくれましたね」とパートナーをねぎらった。JRAでは未勝利だったが、各地を渡り歩きながら力をつけ、末脚にも磨きがかかってきた。今後も流れ次第で存在感を示すに違いない。
取材・文大貫師男
写真築田純(いちかんぽ)
Comment

岡田稲男調教師
トモの感じはすごく良かったですし、プラス6キロの馬体重も成長分だと思います。最後は本命の強い馬が来たので、心臓に悪かったですね。勝ったと思いましたが、確定するまでは不安でした。今後は状態次第で決めますが、これで選択肢も増えたので、この馬に合うレースを選んでいきたいと思います。











松山弘平騎手
長距離輸送でも馬は元気でしたしプラス体重だったので、状態はすごく良かったのではないかなと思いました。いい枠を引けていたので、前半は馬のリズムを整えながら、他馬の動きを見ながら運ぶことができました。すごくいい形だったなと思います。まだまだ伸びしろがあると思います。