web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第70回大井記念

スタート決め一騎打ち制す
  年度代表馬が復活の狼煙

日中の気温が30度近くまで上がり、パドックでは暑熱対策のミストが稼働していた大井競馬場。そんな夏を思わせるような陽気の中、南関東中長距離路線のトップホースが集結し大井記念が行われた。7月の帝王賞JpnIのステップレースでもあり、1・2着馬には優先出走権が与えられる。

15頭中、9頭が重賞ウィナーという好メンバーだったが、人気は渡邉和雄厩舎の2頭。JRAから転入後、南関東重賞で3連勝しているキングストンボーイが単勝1.3倍と断然の支持。キリンジは、兵庫からの転入初戦・金盃で圧勝し、その後もダートグレードで掲示板を確保という実績馬で、4.2倍と続いた。

しかし、その前に立ちはだかったのは、JpnI馬ライトウォーリアだった。

1番枠から好スタートを切ったライトウォーリアは迷わず先手を取った。2番手にオピニオンリーダー、3番手にヒーローコールと前の隊列はすんなり決まった。キングストンボーイは中団外目の位置取りで、キリンジは後ろから4頭目を追走していた。

向正面では、1馬身ほどの差をつけてマイペースで逃げるライトウォーリア。それを目掛けて、キングストンボーイがじわじわと位置取りを上げ、3~4コーナーで一気に先頭に並んできた。そして直線では、内外離れた2頭の追い比べに。手応えからはキングストンボーイが優勢に見えたが、ここからライトウォーリアが本領発揮。なにがなんでも抜かせないとばかりにもうひと伸びし、最後は3/4馬身差でねじ伏せた。2着から4馬身差の3着にはオピニオンリーダーが入り、キリンジは8着に敗れた。

これがNARグランプリ2024年度代表馬ライトウォーリアの底力。昨年4月の川崎記念JpnIで見せた驚異的な粘り腰を発揮し、約1年ぶりの勝利を手にした。今年は、報知オールスターカップで流れが向かず2着。連覇を狙った川崎記念JpnIでは出遅れが響いて8着と不完全燃焼が続いていただけに、ゴール後は担当厩務員が「やったー!やっと勝ったー!」とガッツポーズをしながら大喜び。内田勝義調教師は「ずっと状態が良かったのに負けていたから、担当のスタッフが一番悔しがっていたんですよね。スムーズな競馬ができた時は本当に強い。今日は年度代表馬として恥ずかしくないレースができました。とにかくホッとしています」と安堵の表情だった。

そして見事にライトウォーリアの強さを引き出したライアン・クアトロ騎手は、4回目の地方競馬短期免許で念願の国内重賞初制覇を飾った。「大きなストライドを活かすために前に行って力を出すことができました。今まで乗ったダート馬の中ではベストホース。パワーとスピードを兼ね備えた素晴らしい馬ですね」と笑顔が弾けた。

次走については状態しだいとのことだが、「今日のタイム(2分4秒4・稍重)なら、JRA勢とも戦えますよね」と内田調教師。南関東の総大将が、この後も地方競馬を盛り上げてくれそうだ。

一方、キングストンボーイの吉原寛人騎手は残念な表情。「もう少し馬力のある馬なんですけど、あの位置に収まってしまいました。流れがライトウォーリアに向いたのもありますが、直線では伸びきれませんでした。連戦の疲れがあったのかもしれません」と振り返った。それでも、3着との差を考えれば力は示した一戦。巻き返しに注目したい。

取材・文秋田奈津子

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

R.クアトロ騎手

南関東の重賞を勝ちたくて何度もトライしてきたので天にも昇る気持ちです。騎乗する機会をくださって感謝したいです。良いペースで逃げられました。直線でキングストンボーイが迫ってきた時には少し不安もありましたが、自分の馬にはまだ余力があったので大丈夫だと思っていました。

内田勝義調教師

上手くゲートが切れれば逃げた方が良いと作戦を立てていました。前走は出遅れてしまったけど、今日はスタートから最初のゴール板までの流れが良かったので安心して見ていました。直線は少し心配にはなりましたがよく我慢してくれました。まだまだ馬体も若いですし、改めて底力があると思いましたね。