小回り不安を払拭し8馬身差
グランダム2勝目をマーク
過去10回でのじぎく賞への南関東4場からの遠征馬は合計14頭。単純計算では1年に1~2頭で、決して多いとは言えない。ところが今年は一挙4頭が参戦してきた。
中でも中心的存在となったのはエスカティア(浦和)。重賞勝利こそないものの、前走は船橋・東京湾カップで逃げて直線半ばまで粘って3着だった。近走は前付けできるようになっており、小回りの園田コースに向きそうなタイプ。また、フリーダム(大井)はのじぎく賞と同じくグランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズンの水沢・留守杯日高賞を勝った実績もあり、単勝3番人気に推された。この2頭の間の2番人気に地方再転入後、重賞で2戦して1、3着のコパノエミリア(愛知)が入った。
向正面からのスタートは予想通り、エスカティアがダッシュをつけてハナに立った。その外には8カ月前の園田プリンセスカップでも2番手から運んだリヴェルベロ(船橋)。それらを見る位置でコパノエミリアが運んだ。
2周目向正面に入ると、内から差を詰めていったのはコパノエミリア。そして4コーナー。外に出されたコパノエミリアはグングンと脚を伸ばすと、ゴール前数十メートルは流す余裕の勝利。名古屋・東海クイ―ンカップに続きGDJ3歳シーズンで2勝目となった。
2着はエスカティア。直線だけで8馬身離されたとあって吉原寛人騎手は「勝った馬が本当に強かった」と称えた。その勝ち馬とは門別所属時代にブロッサムカップで対戦し、先着されていたが、エスカティアはその後、調教で単走でも動けるようになるなど気性面の成長と、ダッシュがつくようになったことで逃げ・先行ができるようにパワーアップ。それでも、当時1馬身半だった差は広がった。
7馬身差の3着は同着で、ともに後方待機策の地元馬、チョッパスニーとフセノオーロラ。前者は「直線で寄られて逆にハミを取りました」(大山龍太郎騎手)、後者は「1870メートルの前走で掛かったのでじっくり行くつもりだったことがハマりました」(鴨宮祥行騎手)と話した。
勝ったコパノエミリアは門別デビュー後、2歳秋に笠松に移籍。年が明けるとJRAに移ったが、3戦したのち今春に地方再転入し、愛知・宇都英樹厩舎にやってきた。笠松在籍時のレースを見て「小回りはどうかな」と宇都調教師は一抹の不安があったようだが、それを払拭する走り。「ジョッキーの合図に反応してくれるのがこの馬の良さ」と話した。
今回初めて手綱をとった吉村智洋騎手は昨年の大晦日のレース中に落馬し、肩甲骨や肋骨の骨折に加え、内臓損傷の大怪我。これまで肝を冷やす落馬があっても鍛え上げた体のおかげか不思議と軽症だったが、この時ばかりは約3カ月間休養し、復帰後の重賞初制覇がこの舞台だった。
「今日も前付けできましたし、レースの引き出しを作っていけば、この先どんどん伸びると思います」
のじぎく賞がサラブレッドで行われるようになった過去26回ではレース史上最大着差をつけて勝ったコパノエミリア。まだまだ楽しみを持たせてくれそうだ。
取材・文大恵陽子
写真桂伸也(いちかんぽ)
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宇都英樹調教師
動き出すとしっかり脚を使う馬で、思った以上の走りを見せてくれました。硬さがあって間隔も詰まっていたので、筋肉疲労が出ないよう攻めすぎない調整を行いました。地方だと2000メートルくらいまでは大丈夫かなと。関東オークスに予備登録はしていますが、次走はオーナーと相談して決めたいです。








吉村智洋騎手
内枠でしたし、小回りなのである程度の位置に付けないと差し遅れると思って、序盤から出していい位置を取りに行きました。直線では手応え良く、後続を離すだろうなと感じました。操縦性が高いので、距離ももつと思います。牝馬ですが大人しくて、しっかり調教されていると感じました。