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第55回東海優駿

早め先頭から直線振り切る
  18歳望月騎手と重賞初制覇

2025年の東海優駿は、デビュー2年目、18歳と9カ月少々の望月洵輝騎手が単勝2番人気のサンヨウテイオウで1着。06年の東京ダービーを18歳2カ月で制し、東京ダービー最年少優勝記録を持つ町田直希騎手(川崎)には及ばなかったが、昨年4月9日の騎手デビューからおよそ1年2カ月での重賞初制覇を東海優駿で達成したことは、快挙であることは間違いない。

サンヨウテイオウは昨年の6月下旬に門別競馬場でデビュー。3戦して3着または4着という成績を残して8月から愛知所属として出走し、年末までに2勝を挙げた。しかし、いわゆる“ソエ”を気にしている状態だったそうだ。

それが解消に向かい始めたのが、望月騎手とのコンビになった4走前から。条件戦では大崩れが少なくても重賞では苦戦ぎみだった馬が、調教でしっかりとした負荷をかけられるようになったことで地力がついて、前走駿蹄賞でクビ差2着と健闘を見せた。そして東海優駿では、後方寄りの位置から2周目の向正面で馬群の外を回って一気に上昇。最後の直線に入る手前で先頭に立って押し切った。

その姿に、望月騎手の地元、愛知県豊橋市などから来場したとおぼしき若者たちが大興奮。ゴール後に馬場を1周してきた望月騎手とサンヨウテイオウがスタンド前に戻ると「ジュンキ、ジュンキ」と大合唱を始めた。検量エリアが見える場所では、カメラを持った人たちが押し寄せて大混雑。これまで筆者が見てきた数回の東海ダービー、東海優駿とは違う雰囲気になっていた。

「家族や親せき、そして友人たちが来てくれて、その前で勝ててよかったです。コールも聞こえました。気持ちよかったです」と、望月騎手は笑顔。10番人気(148.8倍)で2着に入ったヴィリケン鞍上の村上弘樹騎手が「勝ち馬とは3馬身差。4コーナーではいい手応えでしたが、前を見たら先頭までが遠かったです」と振り返ったほどの完勝だった。

ヴィリケンは、1周目のゴール板では5番手あたりを追走。村上騎手は「僕の内側に(同じ角田輝也厩舎の)カワテンマックスがいて、そこからどうやって外に出すのかと思いながら」乗っていたとのこと。そのカワテンマックスは単勝1.3倍の支持を受けたが、最後は伸びを欠いて6着に終わった。丸野勝虎騎手は「スタート直後に進んでいかなくて、そのあと前には行けたんですが、やっぱり進みが悪くて。メンタル面の不安が出てしまった感じがします」と残念そうな表情。角田厩舎はカワテンマックスを含む5頭出しで臨んだが、2着にヴィリケン、半馬身差の3着にエバーシンスが入ったものの、東海優駿(ダービー)3年ぶりの勝利には至らなかった。

また、3年連続2着の渡邊竜也騎手が騎乗したスターサンドビーチは4着。2年連続2着からの戴冠を狙った笹野博司調教師は「流れが速くなったところで置かれましたね。この馬の弱点が出る形になってしまいました」と話した。

一方、サンヨウテイオウを管理する原口次夫調教師は「騎手で勝ったことはありますが、調教師としては初めて。調教師冥利に尽きます。オーナーさん、厩務員、騎手、みんなに感謝です」と、感無量の様子だった。

取材・文浅野靖典

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

望月洵輝騎手

2周目の向正面で外に出したときに馬がハミを取ったので、早いかなとは思ったんですが、出していきました。全国区でどれだけやれるのかというところも楽しみにしますが、まだ対戦していない名古屋の強い3歳馬もいますからね。その馬たちとの対戦も楽しみにしながら、またコンビを組めたらと思います。

原口次夫調教師

ソエが気になるので強い調教ができなかったのですが、駿蹄賞の後は痛いところが出なくて、そのあとも大丈夫だったことが大きかったです。枠順もちょうどよくて、望月君が最後までしっかり追ってくれました。2000メートル前後ならほかの競馬場でもやれると思います。今後はオーナーさんと相談します。