断然人気に応え直線は独壇場
2着コパノエミリアがGDJ優勝
このレースはJRA勢が目下12連勝中。今年も芝重賞勝ちのクリノメイのほか、1勝クラスを勝ち上がって勢いに乗る3頭が駒を進めてきた。ただ、今回は地方勢も興味深い面々で、乱ペースの厳しい戦いを繰り広げてきた南関東勢に加え、のじぎく賞で8馬身差の圧勝劇を演じたコパノエミリア(愛知)などが参戦。JRA勢の層の厚さは理解しつつも、地方勢の好走も期待できるようなメンバー構成となった。
そうはいっても、JRAで3戦オール連対を誇るメモリアカフェの素質は一枚上と評価され、単勝1.6倍の1番人気に推された。ダートで注目を集めるナダルの産駒で、前走(1600メートル)の勝ち時計は同日の古馬2勝クラスを上回る優秀なもの。3歳牝馬同士なら、初物尽くしでも克服できると見られた。以下、JRAのクリノスワローが4.8倍、ツキノアカリが7.9倍に推され、船橋のプラウドフレールが11.0倍の4番人気で続いた。
ゲートが開くと、大外枠から浦和のジョートビーが飛び出して先手を奪う。離れた2番手にプラウドフレールがつけ、その後ろにクリノスワロー、クリノメイが続く。メモリアカフェもこの一角で1周目スタンド前を通過した。
前半の900メートルは54秒4。さすがにこのペースでは厳しく、ジョートビーは向正面の半ばで後退し、プラウドフレールが先頭に立つ。クリノスワローがこれに食い下がる形で4コーナーを迎えたが、その外を抜群の手応えで回ってきたのがメモリアカフェだった。直線に向いて追い出されると難なく先頭に立ち、そのまま後続を置き去りに。最後は5馬身差をつける完勝で、ダート3歳女王の座に就いた。
手綱をとったクリストフ・ルメール騎手は「自分から進んでいきましたし、僕はただのパッセンジャーでした」と笑顔で振り返った。3コーナーから持ったままで位置取りを上げていったあたりは、いかにも馬がレースを分かっているような印象。今の少し力が要る馬場なら、勝ちタイム2分17秒3(良)も上々だ。
管理する柄崎将寿調教師は今年3月に開業。厩舎初勝利を飾ったメモリアカフェで初タイトルも獲得した。「最後の直線もどきどきしましたけど、突き放したときには勝てるかなと思ってホッとしました。初勝利の馬で重賞も勝てて夢のようです。“メモリア”は記憶の意味ですけど、僕の記憶だけでなく、みなさんの記憶にも残るような1頭に育てていきたいと思っています」と喜びを語った。次走は未定だが、今後もダート中心のローテーションになることは確実。各地で3歳女王としての走りを見せてくれるに違いない。
7番人気のコパノエミリアが、中団から脚を伸ばして2着。のじぎく賞で能力の高さを示したが、ダートグレードの舞台でも実力をいかんなく発揮し、グランダム・ジャパン3歳シーズンの総合優勝を果たした。吉村智洋騎手は「思った通りの走りでしたね。勝った馬は強かったですが、もともとチャンスはあると思っていたし、縦長の展開も想定内でした。操縦性のいい馬です」と、器用に立ち回ったパートナーをねぎらった。初めての左回りをこなしたことで、先々へ向けて視野も広がってくる。今後はマリーンカップJpnIIIからJBCレディスクラシックJpnI(ともに船橋)へ向かう予定。ひと夏を越えて、さらにパワーアップした姿を見せてほしいところ。
早めに先頭に立つ形になったプラウドフレールが3/4馬身差の3着に踏ん張った。「距離は少し長かったですが、最後まで辛抱して走ってくれましたね。もう少し折り合っていければ」と張田昂騎手。前2走が3歳牝馬戦とは思えないような厳しい流れで、それを経験したことが今回の辛抱強さにつながった印象もある。着実に成長を遂げているだけに、秋以降も活躍が期待できそうだ。
取材・文大貫師男
写真築田純(いちかんぽ)
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柄崎将寿調教師
ナイターや2100メートルは不安材料でしたが、割り切って馬の調整だけに専念してきました。スタートは良かったし折り合いもついていたので、最後に伸びる伸びないは距離の問題だと思って、冷静に見ていました。前走を使ってから精神的にも成長して、どっしりしてきたなと感じています。











C.ルメール騎手
馬の状態はばっちりでした。ナイターは初めてでしたけど、ずっと真面目だったし、息も入って、最後はすごくいい脚を使ってくれました。速いペースでもだんだんポジションを上げて、自分から進んでいきました。JRAで連勝したときがいい感じだったので、今回も重賞レベルで能力を見せてくれましたね。