早め先頭から盤石の8馬身差
2頭目の兵庫三冠へ視界良好
今年の兵庫3歳世代は早くからオケマル一強ムードだった。それを色濃くしたのは3月の兵庫若駒賞。門別からの移籍で期待を寄せられていたベラジオドリームが真っ向勝負を挑むも3着に敗れたことで、オケマルの強さが際立った。その後、強力なライバルが台頭することなく、兵庫優駿でオケマルと未対戦は、門別から移籍し、1500メートル以下を走ってきたエイシンハリアーのみ。そうなれば単勝1.0倍の圧倒的支持を集めたのは当然の流れだろう。
陣営にはプレッシャーもかかった。盛本信春調教師は「YouTubeや雑誌の取材も受けていたのでね」と話すと、下原理騎手は「強いことは分かっていましたが、枠順が出るまでは安心できませんでした」という心境。ところが、6番枠と発表されて下原騎手はガッツポーズ。「兵庫優駿は真ん中の枠が乗りやすいと思っています」と、自信を持って臨んだ。
レースはいつも通り、先入れでゲートに収まった。ところが、スタートで僅かに後手を踏む。出遅れというほどではなかったが、兵庫優駿で最も緊張感が走ったシーンだったかもしれない。それでも二の脚をつけて3番手外の砂を被らない位置につけると、盤石の競馬だった。
2周目向正面で先頭に並びかけ、3コーナーでは早々に先頭。4コーナー手前ではスタンドから拍手が起きるほどだった。「暑さもあってか最後はバテていました」と下原騎手は心中を吐露するが、それでも8馬身差をつけての圧勝だった。
2着はベラジオドリームが盛り返し、ぎふ清流カップから中1週のローテーションながら力を見せた。逃げたキミノハートも2馬身差3着に粘ったが、「勝ち馬が強かった」というのが両陣営の共通認識だった。
兵庫優駿初制覇となった盛本調教師は「少しウルウルしました」と感動。昨年のJRAブリーズアップセールで気に入った馬でのビッグタイトルとなった。
対照的に下原騎手は「勝たないといけない立場だったので」と、ゴールの瞬間も引き揚げ時にもガッツポーズはせず、安堵の表情を見せた。
馬名の由来は「オッケー。(まる)」の略語。高橋文男オーナーをはじめとする馬主関係者や休養先の牧場関係者も駆け付けた口取り撮影では“オケマルポーズ”と名付けられた両手で丸を作るポーズで笑顔が咲いた
その輪の中にいた牧場関係者は「これまではレース後に牧場に入厩時、疲れが見られて毛ヅヤも冴えなかったのですが、前走・菊水賞後は疲れが出ませんでした」と話す。盛本調教師も「回復が早くなって、やっと体質が強くなってきました」と胸を張る。それでいて、追い切りではまだ目一杯は追ったことのない馬。来年以降、盛本調教師も下原騎手も「ダートグレードで戦える馬になってくれたら」と期待を寄せる。
その前に、今年は兵庫三冠に専念。「黒潮盃や不来方賞も行ってみたいけど、兵庫三冠と日程が重なるから」と、盛本調教師はかねてより地元路線を決めていた。三冠最終戦となる10月9日、園田オータムトロフィーには直行予定。その理由は夏の暑さで、昨年9月のデビュー前、「暑いとオケマルらしい元気な動きを見せない時があった」ため、大事を取る。
兵庫三冠は、かつて園田ダービー、兵庫チャンピオンシップGIII、菊水賞で構成されていた時代の2001年にロードバクシンが達成したのみ。史上2頭目の偉業に挑むこととなる。
取材・文大恵陽子
写真桂伸也(いちかんぽ)
Comment

盛本信春調教師
今回はプレッシャーがあり、勝ってホッとしました。夏負けはしていないものの、暑さだけが心配でしたが、前走くらいの状態は維持できました。二の脚で好位につけ、ゴーサインに反応して走ってくれたと思います。このあとは休養へ。宝物のような馬。とにかく無事にいければと思います。







下原理騎手
菊水賞は内枠で、序盤から行かせて掛かったので、今日は折り合い重視で乗りました。揉まれずに運べて、道中は安心できました。2周目向正面で予想以上にペースが遅く、早めに動いても大丈夫と思い、追い出した時の動きは抜群でした。あのペースなら後ろも追いつけないと思っていました。