初重賞で圧巻の差し切り
新谷厩舎のワンツー決着
今年のマーキュリーカップJpnIIIは良馬場で行われたが、昼過ぎに降ったスコールのような雨の影響が残っていた様子。第4から第10レースまでは稍重で、差し追い込みが届く結果が続いていた。
その流れはメインレースでも再現され、離れた7番手からレースを進めたカズタンジャーが最後の直線で一気に差を詰めて勝利を飾った。
その要因のひとつになったのが、昨年と同じくメイショウフンジンの右隣にヒロシクンがいる枠順。ゲートが開いた瞬間にヒロシクンが勢いよく飛び出して、昨年に続いて逃げの手を打った。
対するメイショウフンジンは、昨年は2番手争いの競り合いに敗れ4番手からだったが、今年は二の脚を使ってヒロシクンに対抗。1周目のゴール板ではその2頭が並び、3番手のクラウンプライドとの差は6馬身ほど。1コーナーでリードを取ったヒロシクンに2コーナーでメイショウフンジンが再び接近した流れは、明らかに速いものだった。
クラウンプライドは、余裕を持ちながらの追走。直後に川崎のライトウォーリアがつけた。クラウンプライドは競り合った2頭が3コーナーで失速したことで、勝利した昨年よりも早めに先頭に立つことに。その流れに乗ってディープリボーンが2番手に上がり、セラフィックコールも加わってきたが、その2頭は鞍上の手がさかんに動く形。馬なりのまま進むクラウンプライドとの差は歴然としていた。
クラウンプライド鞍上の坂井瑠星騎手が追い出しを開始したのは、直線を向いてから。しかし今年は、後方から追い上げたカズタンジャーの勢いが圧倒的に上だった。残り100メートルあたりで4馬身ほどあった差はあっという間になくなり、最後はカズタンジャーがクラウンプライドに1馬身差をつけて快勝。ディープリボーンは2着から4馬身差での3着だった。
勝ったカズタンジャーの川田将雅騎手は、レース直後は肩で息をしている状況。それでも納得がいくレース内容だったようで、勝利騎手インタビューでは上機嫌。贈られた花束をパドックから声を掛けたファンに手渡して、笑顔を見せていた。
管理馬が1着と2着に入った新谷功一調教師は「カズタンジャーは充実期を迎えているところだと思います」とコメント。2着のクラウンプライドは「放牧に出してリフレッシュした雰囲気がありました」と、復活の手ごたえを感じていたようだ。このあとは韓国のコリアカップG3で3連覇を狙う予定。しかし今回の結果でレーティングが足りるかどうか、微妙な状況になってしまった。
ライトウォーリアは「いつものように掛かるところがなかった」(吉原寛人騎手)とのことだが、徐々に後退して6着だった。兵庫のマルカイグアスは7着。鴨宮祥行騎手は「なかなか進んでいかなくて……。でもいい経験になったと思いますし、またチャレンジしていければと思います」と話した。
そして地元勢では、サクラトップキッドが単勝426.4倍ながら4着に健闘。「流れが合ったのだと思います。でも、いつ走るのか分からないタイプなんですよね」と、高橋悠里騎手。ヒロシクンは最下位だったが、ゴールしたところでスタンドから拍手が贈られていた。
取材・文浅野靖典
写真早川範雄(いちかんぽ)
Comment

新谷功一調教師
選定馬発表の時点では補欠でしたが、ほかの馬の動向を見ながら繰り上がりを待っていました。ゲートを出てからの脚があまりないタイプで、交流では盛岡がベストだと考えていました。好成績が左回りに偏っていますが、広いコースなら右回りでも大丈夫。適性を考えて、次のレースを選びたいと思います。










川田将雅騎手
ゲート内でイライラすることなく待ってくれて、状態は前回よりいいと思いました。ただ、自分から進んでいく気がないので、促すようにしても後方から。それでも勝負どころから動いたので、あとはつかまえてくれと追い続けました。もっとやる気を出すように、意識を変化させてあげたいと思います。