好位から直線抜け出す
雨中決戦は波乱の決着
昨年のレパードステークスGIIIは単勝1番人気のミッキーファイトが勝って、ジャパンダートクラシックJpnIでの2着、そして今年の帝王賞JpnI制覇につなげた。しかし今年は群雄割拠の感があるメンバー構成。出走15頭で重賞を制したことがあるのはジャナドリア(雲取賞JpnIII)だけだが、6番人気という評価。単勝1番人気は初ダートとなるヴィンセンシオの4.7倍で、10倍未満が6頭いる分布になっていた。
その要因のひとつには、朝から降り続く雨の影響があったのかもしれない。水曜日の深夜から北陸地方に降り続いた雨は金沢競馬場の厩舎地区に浸水被害をもたらしたが、週末は金沢から300キロほど離れた新潟にもやってきた。ダートコースの馬場状態は午前中最後の第5レース終了後に稍重から重になり、レパードステークスGIIIのときには不良馬場。ゴール地点のあたりから1コーナーにかけて、砂の上には細長い水の帯ができていた。
雨が降り続くなかでゲートが開くと、先手を取ったのはジャナドリア。直後にヒルノハンブルク、ハグなどが続き、最内枠のドンインザムードは好スタートからいったん下げて1コーナーで3番手。向正面でインコースから外に出して、上昇していった。
一方、逃げたジャナドリアは3コーナーで後続に迫られて苦しい雰囲気。その外を回ったドンインザムードは手ごたえ十分で残り200メートルあたりで先頭に立つと、そのままの勢いで押し切った。
半馬身後ろの2着争いは、ヒルノハンブルクが粘るところ、ルヴァンユニベールがインコースから強襲して写真判定の勝負。しばらくして、ハナ差でルヴァンユニベールが2着と発表された。
その結果にルヴァンユニベールの内田博幸騎手は、検量室前で「内が開いたよ」と、迎えた担当厩務員にうれしそうに声を掛けた。北出成人調教師も「この馬は人気よりも走るんですよ(12番人気)。また体重が増えていましたが(10キロ増で560キロ)」と笑顔。そのあと「これで準オープンか」と思案したところで、9月2日の不来方賞JpnIIは選択肢に入りますと話した。
勝ったドンインザムードも不来方賞JpnIIに進む可能性がありそう。騎乗した松山弘平騎手は「右回りの前走(1番人気で6着)は、もたれる面があったので、現時点では左回りのほうがいいのでは」とコメントしていた。となれば今後の大きな目標は、大井のジャパンダートクラシックJpnI以外になるのかもしれない。
実績上位のジャナドリアは6着で、1番人気のヴィンセンシオは7着。ダート戦を連勝して臨んだロードラビリンス(3番人気)は10着で、「馬場が合わなかったとジョッキー(川田将雅騎手)が言っていました。パワーが必要な舞台で改めてですね」と松下武士調教師。
同じく連勝中だったルグランヴァンは、2番人気の支持を受けたが14着。原優介騎手は「ワンターン(東京ダート1600メートル)で勝ち上がってきた馬で、コーナー4回の今回は向正面でフワッとする感じがありました。前は開いていても、そこに入っていけなかったですし」と、残念そうに話していた。
取材・文浅野靖典
写真宮原政典(いちかんぽ)





