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第30回クラスターカップJpnIII

ハナを主張しグレード初勝利
  高松騎手が見事代役を果たす

地方競馬のJpnIII競走には別定重量やハンデの設定で負担重量の差が大きいレースも少なくなく、このクラスターカップJpnIIIもそのひとつ。昨年は57キロのドンフランキーが勝ち、2016年にはダノンレジェンドが60キロで勝ったこともあったが、一般的に短距離戦は斤量差の影響が大きいと言われているとおり、近年の勝ち馬は多くが55キロ以下。今回は、オープン特別4勝ながらグレードタイトルがない54キロのサンライズアムール(単勝2.0倍)と、東京盃JpnIIなどダートグレード2勝で昨年のJBCスプリントJpnI(佐賀)でも2着がある57キロのチカッパ(同2.3倍)が人気を分けた。しかし結果は、明暗が分かれるものとなった。

なお、戦前から人気が予想されたサンライズアムールは、騎乗予定だった幸英明騎手が2日前の中京開催で落馬負傷。地元岩手の高松亮騎手に騎乗変更となっていた。

スタートダッシュは外枠の馬たちが速かったが、サンライズアムールは4番枠から高松騎手が押してハナを主張。アドバンスファラオの笹川翼騎手も気合を入れて行ったが控えて2番手。3番手には、内に地元の前哨戦・岩鷲賞を制したエイシントルペード、外にキャンディドライヴがつけた。

この日の盛岡競馬場は良馬場で始まったものの、断続的な雨で第2レース以降は稍重。メインのクラスターカップJpnIIIも引き続き稍重ではあったが、その発表以上に湿った感じのスピード馬場。手応え十分に直線を向いたサンライズアムールは、坂下から気合を入れられると行き脚衰えず、逃げ切って勝利。北海道のキャンディドライヴがゴール前迫ったがクビ差2着。直線半ばでやや一杯になったアドバンスファラオは1馬身半差で3着。先行4頭のうちの3頭で前残りの決着となった。

人気を分けた一方のチカッパは、先行勢と互角のスタートを切ったものの、控えて7番手あたりの中団を追走。直線伸びてはいたが4着まで。59キロを背負ったダノンスコーピオンはさらに離れて5着だった。

7番人気ながら中央上位の一角を崩して2着に入線したキャンディドライヴだが、検量室に戻る途中の馬場で落合騎手が下馬。厩務員に引かれて検量室前に戻ってきたが、大事には至らなかったようだ。

見事に代役を果たしサンライズアムールを勝利に導いた高松騎手だが、「幸騎手が怪我をしての乗替りで手放しに喜ぶことはできないですが、とにかく結果を出したい一心で、ホッとしたということに尽きます」と、表彰式のインタビューでもほとんど笑顔はなかった。管理する小林真也調教師からは、内枠で揉まれたくないこと、まわりが遅ければ逃げてもいいが二の脚は速いのであまり気合を入れていくと掛かってしまうことなど、さまざまに指示が伝えられていたようだが、むしろ高松騎手は「細かく教えていただいたので乗りやすかった」とのこと。

小林調教師は障害の重賞勝ちはあるものの、平地のグレードタイトルはこれが初めて。「注文が多くてジョッキーには申し訳なかったですけど、高松さんがうまく乗ってくれました。ジョッキーのおかげです」と笑顔で盛岡競馬場を後にした。

取材・文斎藤修

写真佐藤到(いちかんぽ)

Comment

高松亮騎手

(スタートで)出していって、折り合いの心配もありましたが、自信をもって行くしかないと逃げることになりました。うしろから来てるのもわかっていたので、最後は祈るような気持で追っていました。まだ(グレード勝ちの)実感もなくて、代役を果たすことができてホッとした気持ちのほうが大きいです。

小林真也調教師

勝って嬉しいということもありますが、まずは無事に競馬ができてホッとしています。中央では斤量的に難しいし、爪の不安もありましたが、距離的な面でもほかに使えるレースがなかったのでここを使いました。一旦休ませて、賞金的に出られるようであればジーツーやジーワンにも挑戦したいです。