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第29回北海道スプリントカップJpnIII

直線抜け出し人気馬を振り切る
  新種牡馬の産駒がグレード初勝利

ダート競走の体系整備により、昨年から北海道スプリントカップJpnIIIは夏の3歳スプリントチャンピオン決定戦となった。兵庫チャンピオンシップJpnIIを勝ったマテンロウコマンド、ネクストスター北日本2着で前哨戦の星雲賞を4馬身差で快勝したミラクルヴォイスなど、新たな3歳路線を使われた快速馬が集結した。

JRAからは3頭。単勝1番人気となったマテンロウコマンドのほか、阪神1400メートルのバイオレットステークスを追い込んで勝利したヤマニンチェルキ、阪神1200メートルで古馬相手に5馬身差勝ちのエコロアゼルが出走。地元の北海道からも、ミラクルヴォイスのほか、栄冠賞馬で骨折明け10カ月ぶりの星雲賞で3着に入ったベラジオゼロ、星雲賞2着の快速牝馬ワンダーウーマンなど5頭が顔をそろえ、少頭数ながらも好メンバーがそろった。

レース当日の最高気温は27.7度と過ごしやすく、場内は『夏のケイバ祭り』と題したイベントや縁日、グルメブースなどでにぎわい、スタンド収容人数の倍近い2,650人が来場した。

スタンドからの拍手で迎えられたスタート。しかし、地元の期待を背負った3番人気のミラクルヴォイスがスタート前にゲート内で立ち上がるなどして出遅れた。一度は改善したかに思われた課題がここで出てしまった。

ワンダーウーマンが軽快に逃げ、ベラジオゼロが続く。3番手の外に2番人気のヤマニンチェルキで縦長の展開となった。ヤマニンチェルキは楽な手応えで徐々にポジションを上げていく。4コーナー手前で内からエコロアゼルが伸び、復活を期すベラジオゼロは後退。落合玄太騎手が初騎乗のワンダーウーマンも粘りを見せたが、直線に入りヤマニンチェルキが先頭に立った。序盤に行き脚がつかず中団後方にいたマテンロウコマンドが追いこむも1馬身届かず。ヤマニンチェルキが1分12秒4(良)で優勝した。2馬身半差の3着はエコロアゼルで上位をJRA勢が独占。4着はワンダーウーマン。ミラクルヴォイスは出遅れが響き8着に終わった。

ヤマニンチェルキの鞍上は北海道の名手、石川倭騎手。「チャンスをいただいたので勝ててほっとしています」と安堵の表情を見せた。短距離適性のあるフォーウィールドライブの初年度産駒で、父にダートグレード初制覇をプレゼント。錦岡牧場の育成スタッフ村山大河さんは「生まれた時から見栄えして、同期の中でも目立っていた」と話した。同馬はパドックでも栗毛の馬体を輝かせていた。

中村直也調教師は「1400までが良さそう。小回りはどうかな」といい、今後のプランは番組を見ながらを考えるという。昨年の勝ち馬チカッパはその後東京盃JpnIIを勝ちJBCスプリントJpnIは2着。2着以下の馬たちもダートスプリント路線を賑わせている。出走馬の今後の活躍を楽しみにしたい。

取材・文小久保友香

写真浅野一行(いちかんぽ)

Comment

石川倭騎手

ずっと余裕があって、いつでも抜け出せるような感じだったので、自信を持って追い出せました。初ナイターだからか、ハミを抜いたりかんだりと繰り返していましたが、しっかり対応してくれました。先々が楽しみです。

中村直也調教師

うれしいです。夏負けが気がかりでしたが結果が出てよかった。直線で1番人気のマテンロウコマンドが追いかけてきた時は心配しました。オープン勝ちの実績もありますし、展開がかみあえば勝てると思っていました。