2強一騎打ちの様相が一変
直線勝負に賭けて差し切る
ブリーダーズゴールドカップは格付こそJpnIIIではあるものの、秋のJBCレディスクラシックJpnIや海外遠征を目指すダート牝馬の一流馬が対戦する舞台となっている。そういう意味では、11年前に牝馬限定戦としたことが奏功したといえる。今回は、前走で初の敗戦を喫したとはいえこの路線の現役最強といえるオーサムリザルトに、デビューから5連勝でオープン特別を勝って重賞初挑戦となるダブルハートボンドの対戦が注目となった。
場内では、横山武史騎手、藤田菜七子元騎手らのトークショーが行われるなど、平日にもかからず門別競馬場の入場者は2217名。お盆中の開催だった北海道スプリントカップJpnIII当日(2650名)に次ぐ今シーズン2番目という多くの入場者でにぎわった。そしてブリーダーズゴールドカップJpnIIIの本場馬入場では藤田元騎手が誘導馬に騎乗。ラチ沿いに人垣ができるほどのファンが注目するなか、スタートを迎えた。
スタートしての長い直線は先行争いになることもなく、最内枠のダブルハートボンドがライバルの出方をうかがいながら先頭に立ち、1馬身ほどの差でオーサムリザルトが2番手。3番手内にグランブリッジ、外にマンマリアーレと中央勢が前を固め、そのうしろにライオットガール、地元のゼロアワーと、ほぼ想定されたとおりの展開で淡々と流れた。
3コーナー手前でグランブリッジの手応えが怪しくなって徐々に後退すると、3~4コーナーでは前の人気2頭が後続との差を広げて一騎打ち。そのまま直線を向くと、残り200メートルあたりでダブルハートボンドがオーサムリザルトを振り切り、勝負あった……かに思われた。しかし外から際立った末脚で伸びてくる馬が1頭。ライオットガールがゴール前でダブルハートボンドをとらえ、1馬身半差をつけて勝利。オーサムリザルトはさらに3馬身離れて3着で入線。マンマリアーレが4着、ゼロアワーが地元馬最先着の5着だった。
「強い2頭がやりあって、そのスキを突ければいいなと(騎手と)話していたんですが、それがうまくいって、馬もがんばって走ってくれました」と笑顔の中村直也調教師は、北海道スプリントカップJpnIIIのヤマニンチェルキに続いて門別でのダートグレード連勝となった。
2着だったダブルハートボンドの坂井瑠星騎手は「楽なペースでリズムよく行けて、オーサムを振り切ったと思ったんですけど、勝った馬の決め手が上でした」とのこと。ペースは2ハロン目に11秒8がある以外、1400メートルまでは12秒台のラップで流れた。しかし最後の600メートルのレースラップは、13.0-13.5-13.9。残り100メートルを切ってライオットガールに交わされ、ダブルハートボンドは0秒3遅れたので同馬の最後1ハロンは14秒2と考えられ、終いの3ハロンは完全に脚が上がっていた。「楽なペース」と鞍上が感じていた以上に2強の駆け引きは消耗戦となったようだ。
一方、オーサムリザルトの武豊騎手は「レース後の息遣いも悪くて、今までにない感じ。前回は伸びなかった感じだけど、今回は止まってた」とのこと。その後の状態が案じられる。
また3年以上地方のみで走り続け、牝馬同士ではほとんど崩れることがなかったグランブリッジは7着。JBCレディスクラシックJpnIに向けたダート牝馬路線は混沌としてきた。
取材・文斎藤修
写真浅野一行(いちかんぽ)
Comment

中村直也調教師
折り合いはつく馬なので、距離も我慢してくれればと思っていました。3~4コーナーで強い2頭が離していたので追いつくかなと思いましたが、しっかり最後まで頑張って、交わしてくれてよかったです。JBCに行きたいと思っているので、それまでどう調整していくか、これから馬の状態を見て考えます。









岩田望来騎手
この馬に2000メートルはちょっと長いと感じていましたが、終いを生かす形がうまくはまりました。前半リズムよく行けて、3コーナーから動いて行ったときはすごく反応があったので、これならという思いで直線を迎えました。なかなか結果が出せずにいましたが、これで馬も自信を取り戻したと思います。