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第19回秋桜賞

直線突き放し3馬身差快勝
  重賞3度目の挑戦で初制覇

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬秋シーズンは、9月に入り後半の佳境にさしかかる。シリーズ第6戦の秋桜賞は、今年も9月初旬のこの時期に、名古屋1700メートルで争われた。

ポルラノーチェ(北海道)の出走取消は残念だったが、遠征馬が4頭エントリー。とりわけ、シリーズ第4戦の金沢・読売レディス杯でワンツーだったヒメツルイチモンジ(兵庫)とアンティキティラ(高知)が揃って参戦したことが興味を惹いた。「牝馬どうしのレースの方が走りが良い」と戦前話した1番人気・ヒメツルイチモンジの笹田知宏騎手は、今回は良績の乏しい1700メートルの距離を課題に掲げた。一方3番人気・アンティキティラの多田羅誠也騎手は、昨年当レースに挑戦した際と同様、8月に本馬場が調教に使えなかった高知競馬場での調整過程を懸念しつつも、いつものように馬場に入って入念に状況をチェック。「前回来た時(3月、若草賞土古記念4着)より砂が薄い気がする」と、馬にとってプラス要素となりそうな馬場状態の変化に、勝利への意を強めていた。

一方の地元勢。その筆頭としてプリメイラが2番人気に推された。昨夏、JRAで未勝利のまま当地に転入。15戦して11勝と一歩ずつ階段を上がるように出世してきた同馬について、宇都英樹調教師は「順調にここまで来た。早い段階から牝馬限定のここを目標にしていた」と話し、重賞初制覇への期待感を示していた。

この日、台風接近で予想された降雨は、時折パラパラと降る小雨程度。馬場状態は良のまま、戦いの火蓋は切られた。

徹底先行の馬がいない中、アンティキティラが鞍上に促されつつ先頭に立つ。各馬が周囲を見ながら位置を探る中、ヒメツルイチモンジは3列目で馬群の中という好位置を確保。一方、3番枠から出たプリメイラも同じく3列目の内側に位置を取ったが、「あそこは少し馬場が重たかった。本当は(2列目でもう1頭分外の)今井騎手の取ったところが欲しかった」(望月洵輝騎手)と、我慢の競馬を強いられる。ペースはすぐに落ち着き、1周目正面直線から1~2コーナーにかけても上がらない。

やがて、3コーナー手前でアンティキティラがスパートをかけると、追随するのは好位外目にいたヴィルミーキスミーと、内を捌いて迫るプリメイラの2頭に絞られた。とりわけプリメイラの脚勢が良く、4コーナーを回りながらアンティキティラの内側を掬うように捉えた。最後の直線は、抜け出したプリメイラの独壇場。重賞初制覇のシーンは、後続に3馬身もの差をつける実に鮮烈なものとなった。

2着には、アンティキティラが粘った。多田羅騎手は「スローで上がりの勝負にしたかった。予定通りの競馬は出来た」と振り返り、作戦に沿った走りを実現した馬を労った。

3着に、4番人気のエバーシンス。スローペースの中で後方から追い上げ、2着に1馬身差まで詰めた走り自体は見事だったが、角田輝也調教師は、後方に置かれる因となったスタートのロスを敗因に挙げ、これを悔やんだ。

ヒメツルイチモンジは、6着。笹田騎手は、流れが速くなった勝負所で離された点を指摘し「ペースに緩急がつくとエンジンのかかりが良くなく、直線もそれほど伸びてはいない。やはり距離は合わない」と、懸念された距離を敗因に挙げた。

GDJ古馬秋シーズンは、表彰対象の地方馬では、第1戦のスパーキングレディーカップJpnIIIを制したフェブランシェが30ポイントで首位をキープ。一方、今回2着でポイントを18に伸ばしたアンティキティラが混戦の2番手争いを微かにリードし、このあとシリーズは終盤を迎える。

取材・文坂田博昭

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

望月洵輝騎手

これまで2回の重賞では、僕の不甲斐ない騎乗で良い結果が残せず、今回1つタイトルを獲らせることが出来てホッとしています。転入当初から潜在能力がある馬と感じていましたが、ここまで出世してくれるとは思っていませんでした。今日の相手も非常に強いですし、全国区でも通用する馬だと思っています。

宇都英樹調教師

真面目で、スタートが良くある程度位置も取れるし、追っての伸びもいいし、調整の面でも苦労するところがない馬です。1カ月に1回程度しっかり使えるところもいいですね。今後はレースを探しながら、牝馬限定のレースがあれば良いかと思います。現状ダートグレードは、少し相手が強いかも知れません。