西塚騎手が1・2着で好発進
松本騎手はYJS初勝利
ヤングジョッキーズシリーズTR 名古屋
ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンドの西日本地区が開幕した。今年のファイナルラウンドが行われるJRA中京競馬場からほど近い名古屋競馬場がその初戦の舞台。今年は地方所属騎手の出場資格が初免許取得から2年目以降に変わったことで、地元・名古屋からの出場はなかったが、同じ東海地区の笠松から松本一心騎手と明星晴大騎手が出場。前者は昨年ケガでYJS不出場、後者は今年4月の新緑賞をゴーゴーバースデイで勝って重賞初制覇を果たしており、ファンの中には自作と思しき名前入りキャップを被った人もいて、彼らに送られる声援は大きかった。
なお、2鞍騎乗予定だった川端海翼騎手(JRA)は騎乗停止のため、橋木太希騎手(JRA)に変更となった。
2戦とも混戦模様。近走成績や走破タイムの似た馬同士で構成されており、新聞を眺めながら「どの馬が強いんだろう」と相手関係の把握に思案するジョッキーもいた。
第1戦は逃げ・先行タイプが複数頭の構成。内から橋木騎手、今年デビューで名古屋初騎乗の森田誠也騎手(JRA)、西塚洸二騎手(JRA)、さらに古川奈穂騎手(JRA)の4名が横並びで1コーナーに入っていった。先団が固まったことで一見ハイペースに思われたが、そこからペースは落ち着いた。
ところが、3コーナーで橋木騎手の騎乗馬がフラつくアクシデント。外の古川騎手は騎乗馬がバランスを崩し立て直す必要に迫られた。その間に先頭に立ったのは西塚騎手で、直線で外から迫る古川騎手をクビ差しのいで勝利を手にした。
「初戦をまず勝ててよかったです」と笑顔を見せた西塚騎手。9月7日には紫苑ステークスGIIをケリフレッドアスクで勝ち、重賞初制覇を果たした腕が光った。殊勲の騎手を枠場で出迎えたのは同期の今村聖奈騎手。このあとのJRA交流レース騎乗のため来場しており、同期の勝利を喜んだ。
2着古川騎手は悔しい表情。3コーナーの不運を考えればそれも当然だろう。過去レースを見て砂を被らない方がいいと判断し、1コーナーでは4頭目でも外を回ることを選択。そのため「3コーナーでは(手綱を)抱えながらエンジンを踏んでいければと思っていたのですが。しんどい形でも馬は最後の最後まで差を詰めてくれました」と勝利まであと一歩だった。
3着は内をすくって伸びた大久保友雅騎手(JRA)。「勝負所で外に行くか迷ったんですけど、1つでも上の着順を狙うには内に行くしかないと思いました」と、ニュージーランドでの武者修行で8勝を挙げて帰国した若者は話した。
4着松本騎手と5着山本屋太三騎手(兵庫)は後方から末脚を伸ばしたが、山本屋騎手は「前の馬たちが最後はタレると思ったんですが。これなら中団後ろにつければよかったです」と思いの外、ペースが落ち着いたことを悔やんだ。
第2戦は逃げ争いも勝負所の様相も対照的だった。各馬、五分のスタートから誰が逃げるか牽制しあう様子を見て、内から押してハナを切ったのは西塚騎手。馬群はひと固まりになり、手綱をグッと抑える騎手が多くスローペースは一目瞭然だった。最後方で持ちきれない手応えだった松本騎手がたまらず2コーナーから進出して前に並びかけた。道中で息を入れられた分、前を行く2頭は直線を向いても粘ったが、ゴール前で松本騎手が1馬身半抜け出して勝った。
逃げた西塚騎手が2着で、3着は序盤から意識的に内で競馬を運んだ河原田菜々騎手(JRA)。昨年トライアルラウンドを2位通過した彼女は「みんな予想以上に外を走っていて、内から5頭目くらい。2頭分空けるくらいの場所までなら内を通ってもいいかなと思いました」との意図だった。4着に直線で鋭く伸びた古川騎手、5着に鷲頭虎太騎手(JRA)だった。
西日本地区開幕ラウンドの2戦を終えて、地方の暫定1位は4着・1着で42ポイントの松本騎手。JRA騎手が第1戦で1~3着独占、第2戦も2~5着を占めたため、2位は大きく離れて12ポイントで青海大樹騎手(佐賀)となった。一方でJRAは1着・2着で50ポイントの西塚騎手が好発進。古川騎手も2着・4着と好成績を残したが、こちらは「一つ勝てていれば、もう少し楽に今後のトライアルラウンドを運べたかなと思います」との思いだった。とはいえ、この日はエキストラ騎乗で18時35分発走の最終レースまで残り、見事勝利を挙げた。
地方騎手たちも新庄海誠騎手(兵庫)や山本屋騎手は表彰式を終えた松本騎手を祝福すると、「また頑張ります」と帰路に着いた。次回のトライアルラウンドは9月23日、西日本地区の高知競馬場で行われる。
取材・文大恵陽子
写真岡田友貴(いちかんぽ)
Comment

第2戦1着 松本一心騎手(笠松)
馬に助けられました。持ちきれないくらいの手応えで、ペースも遅かったと思います。仕掛けが早く、直線も長く感じましたが、勝ててホッとしました。怪我で不出場の昨年は「出たいな。悔しいな」と思っていたので、気合が入っていたのがいい方向に出ました。










第1戦1着 西塚洸二騎手(JRA)
若手騎手戦なので積極的にいく騎手が多いだろうと思い、3番手でもいいと考えていました。追って味のある馬ではないと聞いていたので、馬が頑張れる間に早め先頭に立ちました。まずは勝ててよかったですし、あと何勝かできればと思います。