人気2頭の一騎打ちは4馬身差
距離巧者が馬場も味方に逃げ切る
青藍賞は、3週間後に行われるマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIにつながる一戦。今年は11頭が出走したが、ファンの注目はヒロシクンとフジユージーンの2頭に集中した。
ヒロシクンは今春の赤松杯とシアンモア記念を逃げ切って、フジユージーンはその2戦とも2着。しかしヒロシクンは前走のマーキュリーカップJpnIIIでは向正面で失速して、最下位となっていた。
対するフジユージーンはシアンモア記念のあと、静岡県にある富士ファーム(馬主所有の牧場)で休養し、8月上旬に水沢に帰厩。直前の追い切りでは800メートルで50秒を切る時計を連発していた。
その2頭が本馬場に入った直後の単勝オッズは、ヒロシクンが2.0倍でフジユージーンが2.4倍。フジユージーンの馬体重が、前走からプラス20キロの586キロと発表された影響があったのかもしれない。
ただ、最終的にはヒロシクンが2.1倍、フジユージーンが2.0倍と逆転。しかし結果はヒロシクンの完勝で、フジユージーンとの対戦成績を3戦3勝とした。
この日の馬場状態は“重”でも、前日の夕方から雨が降ったことで、調教の時間帯には馬場に水たまりがあったそうだ。その影響は大きく、逃げ先行タイプ同士での決着が続いていた。
馬場状態はヒロシクンにとって大きな援軍。岩手のマイルで9戦して、昨年のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIを除いてすべて勝利している距離巧者は、今回もゲートが開いた瞬間に先手を取った。
「でもフジユージーンがどこにいるのか、後ろを気にしましたよ。スタンド前でビジョンを見て、後ろのほうにいることが確認できたので、そこで『これなら』と思いました」という高松亮騎手の手綱は3コーナーの手前まで動かず。そのあたりでフジユージーンが接近してきたが、「後ろから来たからゴーサインを出したのではなく、自分のリズムでペースを上げていきました」とのこと。迫られて突き放したように見えたのは、たまたまのタイミングだったようだ。
その走破タイムは1分39秒5で、前半800メートルが50秒9、後半800メートルが48秒6。残り800メートルから400メートルの区間では、200メートルごとに11秒6を2回記録していた(専門紙エイカン・峯村正利氏の計測)。それは後方から追い上げたフジユージーンにとっては厳しい流れ。4馬身差の2着に菅原辰徳騎手は「出負けしてしまって……。1周目のスタンド前で2番手くらいまで押し上げたほうが良かったのかも」と、肩を落とした。
それでも「(初めて装着した)ブリンカーの効果はあったと思いますし、状態も良かったです」とのこと。改めて、古馬重賞での初勝利を期待したいところだ。
2着から2馬身半差の3着に入ったのは5番人気のシンヨモギネス。「フジユージーンが前にいたので付いていきました。ただ、この馬は前にいる馬を交わさないタイプなんですよ」と、鈴木祐騎手は苦笑い。今後も重賞で相手なりに結果を出す可能性がありそうだ。
3番人気のヘリオスは先行策を取ったが4着。山本政聡騎手は「道中での反応がいまひとつ。休み明けの分かなあ」と振り返った。
取材・文浅野靖典
写真 佐藤到(いちかんぽ)
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佐藤雅彦調教師
マーキュリーカップの疲れが多少残っていて、中間は宮城県で1カ月休養して、今回はギリギリ間に合ったというところです。この馬は普段から何もムダなことをしないタイプ。直前の追い切りも2本だけで、調教の内容も普通という感じでした。でも体つきが良くなっていることは感じます。








高松亮騎手
スタートが速い馬もいましたが、マイペースに持ち込むことができました。勝負所でフジユージーンが来るだろうなと思っていましたが、そこから突き放してくれて、強いヒロシクンを見せることができました。この対決を楽しみにしている人も多いと思うので、この2頭で岩手を盛り上げていきたいです。