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ヤングジョッキーズシリーズTR 高知

2戦ともJRA騎手が差し切る
  地元阿部騎手が第1戦2着

ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンドの西日本地区2ラウンド目は祝日の高知競馬場。塩津璃菜騎手、土方颯太騎手、高橋愛叶騎手の兵庫同期3名と、地元・高知の阿部基嗣騎手、城野慈尚騎手がここで今年の初出場を迎えたことで、西日本では地方騎手が出揃った。

2日前に稍重だった馬場は、良馬場に乾き砂煙が高く舞うほど。それを見て、「YJSの前にレースがあれば、馬場傾向を見られたのに」と思案顔だったのは高橋騎手。サウナで一緒になった地元の名手・永森大智騎手に馬場について聞くと「癖のない馬場」と教えられたこともまた迷う一因だった。その横で「最内枠、嫌だな」と土方騎手は肩を落とし気味に「前に行った方がいいのかな?」とこちらも悩んでおり、二人は答えの出ぬまま装鞍へと向かった。

第1戦は逃げ・先行馬がやや手薄な構成。今年3月にデビューした田山旺佑騎手(JRA)が好スタートから先手を取り、そのまま隊列が決まるかと思われたが、1コーナー手前でハナを奪ったのは鷲頭虎太騎手(JRA)だった。スタート一歩目こそ躓いたが、「怖がりな面があり、行き脚もついたので行こうと思いました」とプラン通り。4コーナーを先頭で回り、そのまま押し切るかと思われたが、ゴール直前で一気に差し馬3頭が迫り、その中からハットグットゲットと大久保友雅騎手(JRA)が勝った。ホライゾネット着用でパドックでは時折うるさい仕草を見せ、返し馬はせずに厩務員に曳かれて直線引き込み線のスタート地点まで歩いていくなど、気難しさを窺わせる馬だったが、「前走を見ていい脚を使うと思っていた」と長所を引き出した。

クビ差2着だった阿部騎手は「直線で行ける!と思いました」と勝利まであと一歩。昨年(高知第2戦)も逃げ粘りを図るところ、ゴール直前でアタマ+クビだけ差されての3着で、2年続けて惜しいレースとなった。

3着和田陽希騎手(JRA)は「向正面に入ってすぐ追い出したんですけど、もう少し脚を溜めればよかったかもしれません」、4着塩津騎手も「最後は伸びたんですけど、悔しい」と差し届かず。5着川端海翼騎手(JRA)の騎乗馬は3歳時に気性の難しさが聞かれていた通り、パドックから我の強さを感じたようだが、「信頼関係を築けるよう返し馬に重点を置きました」という成果が8番人気での掲示板だろう。

第2戦は最内の土方騎手が逃げ候補の1頭。戦前、同期で大外枠の塩津騎手も「前に行きたい」と話しており、ここにもう1人の同期・高橋騎手を交えた3頭が先頭で並んで1コーナーを回った。前半400メートルのラップタイムは25秒1で、第1戦より0秒1速いだけだったが、見た目にはややペースが流れていた。

土方騎手は直線半ばまで先頭を守り抜いたがさすがに脚が上がり、中団から脚を伸ばした松本大輝騎手(JRA)が1馬身差して勝利。発走直前、田山騎手の騎乗馬がゲート内で立ち上がったことで、ゲート入り前の塩津騎手を除く全馬がゲートから一度出されて枠入りのやり直しとなったが、「馬が辛抱してくれていいスタートを切れました」と松本騎手は話した。気ムラな面があると聞き、返し馬を丁寧に行ったことでも勝利を引き寄せた。

2着土方騎手はスタート直後、内から4~5頭空けて外を走っていたが、「多少、外に出そうとは思っていましたが、馬が自ら外に行って」とやや誤算。しかしながら、ほぼ同時刻発走だった笠松・オータムカップで新庄海誠騎手が勝ち重賞初制覇を果たしたと聞くと、「勝った!?悔しいけど、嬉しい」と高橋騎手と二人で同期の活躍を喜んだ。

3着は内から伸びた川端騎手。「詰まって出して、になったので、もう少し早く仕掛けてスムーズに運びたかったです」と展開が上手くいかなかった。4着塩津騎手は現在、門別で期間限定騎乗中。先日は牧場でバーベキューを楽しんだようで、馬産地ならではの日々を満喫すべく再び北の大地へ戻った。

5着青海大樹騎手(佐賀)は次週30日が地元ラウンド。今年は佐賀から唯一の出場とあり、「佐賀の底力を見せたいです」と次戦に向けて意気込んだ。

なお、田山騎手の騎乗馬は馬体検査の結果、競走除外となり、規定により6ポイントが付与された。

一方、JRA勢はというと、高知ラウンドを勝った大久保騎手も松本騎手もポイントをしっかり計算しており、大久保騎手は「何ポイントくらいあればファイナル圏内ですか?」と逆質問。松本騎手も「西塚騎手や大久保騎手も勝利を挙げていて接戦だと思うので、気を引き締めて頑張りたいです」と話すと、一人夜まで高知に残り、第6レースのエキストラ騎乗で勝利を挙げて最終電車で栗東へと帰って行った。


取材・文大恵陽子

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 大久保友雅騎手(JRA)

これまでのレースを見て、いい脚を使うと感じていました。焦らず中団前めにいたいと考えていました。残り3ハロンで手応えが良く、脚がありそうな田山騎手をマークして、これなら届きそうと思い、直線は馬場のいい所を走らせました。良馬場でしたが、砂は重馬場だった昨年のYJSの方が深く感じました。

第2戦1着 松本大輝騎手(JRA)

1コーナーの入りでペースが流れていると感じ、リズムを大切に運びました。向正面はいい位置で、馬も行く気を持っていてやりたい競馬に馬が応えてくれました。高知ではエキストラ騎乗もさせていただき、多くの経験を積ませてもらっています。頑張ってくれる馬と共に気を引き締めて頑張ります。