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第52回オータムカップ

JBCへ夢が広がる勝利
  新庄騎手は重賞初制覇

今年のオータムカップは兵庫から3頭が参戦し、単勝3番人気のサンライズホープが勝ち、2番人気のナムラタタが2着。1番人気に支持された地元のイイネイイネイイネは3着だった。

出走した9頭のなかに前走で重賞を制した馬が3頭いたが、ナムラタタは9番人気、イイネイイネイイネは8番人気、愛知のサンヨウスフィーダは7番人気での勝利。また、近3走で逃げていた馬がいないこともあって、単勝10倍未満の馬が5頭という、割れぎみのオッズになっていた。

ゲートが開いて先手を取ったのはイイネイイネイイネ。ただ「積極的に逃げたわけではなかった」そうで、レース前半は9頭がほとんど一団となるスローペース。その形なら、1周して向正面のスタート地点に戻ったところで先頭の筒井勇介騎手がペースを上げたのは、当然の判断といえた。

ただ、イイネイイネイイネは今年の春に笠松1900メートルで2度の逃げ切り勝ちがあるとはいえ、基本的には好位付けが合うタイプ。「やはり、流れに乗って差す形のほうが良いですね」とレース後に筒井騎手が振り返ったとおり、今回は後続の目標になってしまった。

逆に展開が向いたのは、勝ったサンライズホープ。出遅れての最後方でも馬群から離れることなく追走して、2周目の向正面で上昇を開始。4コーナーでは、粘り込みを図るイイネイイネイイネ、3番手からインコースを狙ったナムラタタと比べると、遠目で見ても手応えの差がハッキリしていた。最後の直線に入ったところで先頭に出ての押し切り勝ちは、2着との差が1馬身でも内容としては完勝。鞍上の新庄海誠騎手はゴール地点で力強く左手を握った。

その勝利にサンライズホープを管理する柏原誠路調教師は「新庄で勝てたのが本当にうれしい」と、感無量の表情。新庄騎手は中学卒業後に地方競馬教養センターに入ったものの、すぐに退所。その後は柏原厩舎で厩務員として5年を過ごし、20歳のときに教養センターに入りなおした経歴がある。「担当厩務員として摂津盃を勝ったことがありますが(19年ヒダルマ)、騎手として厩舎の馬で重賞を勝つことができてうれしいです」と、新庄騎手も感無量の様子だった。

重賞連勝を狙ったナムラタタは、最後の直線でイイネイイネイイネとの競り合いをクビ差制して2着に浮上。石橋満調教師は「展開が向かなかった割に、よく頑張ったと思います」と、人気薄で制した摂津盃がフロックでないことを示した。吉村智洋騎手も「道中が流れなさすぎ。それでもインを回って頑張ってくれました」とコメントを残した。

サンライズホープは8歳。JRA所属の4歳時にシリウスステークスGIII、5歳時にみやこステークスGIIIを制した実績がある。しかし最近は「他地区の中長距離の重賞に登録しても、入れてもらえないことが多くて」という状況だったそうだ。「これでいろんなところに行けますね」と話す柏原調教師に、このレースが“JBCクラシック指定競走”で登録すれば選ばれる可能性があることを伝えると、「そうなんですか。オーナーに相談してみます」と、笑顔がさらに明るくなった。

取材・文浅野靖典

写真(いちかんぽ)

Comment

新庄海誠騎手

前半は後方でガマンして、3コーナーを過ぎて、まくり切れたところで勝てるかなと思いました。4コーナーでは前の馬が止まっていて、後ろからは来なさそうで、吉村さんがインコースで詰まっていることが分かったので、ゴールではガッツポーズをしようかなと考える余裕がありました(笑)。

柏原誠路調教師

ある程度の距離がないと良さが出ないので、今回は1900メートルのこのレースに出られましたが、正直なところ入着があればと思っていました。でも向正面で勢いよく上がっていったところでオッと思って、4コーナーでは勝ったと思いました。スローペースで離されずに進められたのが良かったのだと思います。