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ヤングジョッキーズシリーズTR 佐賀

松本騎手がTR2勝目を挙げる
  地元青海騎手の勝利に大歓声

今年のヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンド(TR)佐賀は、出場する地方所属騎手5名のうち地元の青海大樹騎手を除く4名が佐賀初騎乗。城野慈尚騎手(高知)は兄弟子の多田羅誠也騎手が当地で重賞制覇の実績があり、事前に「馬場を気にせずに」とアドバイスを受けてきた。

第1戦は単勝10倍以下が高杉吏麒騎手(JRA)と松本一心騎手(笠松)の2人だけという、YJSとしてはやや珍しく人気が集中した。その2頭はともに逃げ候補だったが、好発から先手を取ったのは松本騎手とイエヤスの方。1周目ゴール前ではやや掛かり気味にも見えたが、その勢いは直線を向いても衰えず、2馬身差で逃げ切った。これで松本騎手は2勝目。地方西日本はほかの騎手がポイントを伸ばせていないことも相まって、「ファイナル進出はほぼ確定では?」と期待する声さえも聞こえた。

2着は1番人気の高杉騎手。返し馬で1コーナー方向に走らないこともあるため、平山宏秀調教師の「ゲートまで歩いていって」という指示の下、返し馬は行わなかった。しかし、その前段階でパドックで跨った瞬間から高杉騎手によると人間やその扶助を少し拒否する面が感じられたとのこと。テン乗りの難しさが表れた。

3着は吉村誠之助騎手(JRA)で、4コーナーで前の馬が後退したところを内に切り替えて上手く対処。4着明星晴大騎手(笠松)は「最後に脚を使うと聞き、溜め気味に乗りました」と話し、対照的に5着柴田裕一郎騎手(JRA)は「思ったよりも前の位置を取れましたが、前半に出していった分、キレませんでした」と、それぞれに脚の使いどころがポイントだった。

第2戦は4コーナーで4頭横一線から、大外を回ったドナアフロディテと青海騎手がゴール直前でアタマだけ差して勝利。地元での一戦とあって直線はスタンドのあちらこちらから「青海~!」「差せ―!」の大声援で、必死に追う本人の耳にも届くほどだった。それは調教師控室も同じで、こちらも大声援だった模様。

その歓声に埋もれて悔しさを味わったのは一度は先頭に立った河原田菜々騎手(JRA)。「直線で残るかと思ったんですけど、1頭、いい脚で来られました」と汗を拭った。3着吉村騎手、4着高杉騎手とここもJRA騎手が上位に入り、5着今村聖奈騎手(JRA)は第1戦に続き4コーナーで内を回った。「エキストラも含め3鞍乗せていただき、内2~3頭目までは砂の深さは変わらないと思い、ロスない競馬を心がけました」。佐賀初勝利(2023年2月9日の条件交流)や過去のYJSでもこうした騎乗がたびたび見られており、今回も1つでも上の着順を目指そうとする騎乗だった。

なお、スタートで城野騎手が落馬。幸い大きな怪我はなく、レース後、歩いて戻ってくると「大丈夫です」としっかり答え、その後のレースではエキストラ騎乗を行った。

同じく高知から遠征した阿部基嗣騎手は馬場に苦戦した。佐賀も高知も一見すると内を空けて走る共通点があるが「佐賀の方がもう一段階空けていて、どこを走ればいいか掴みきれませんでした」と難しさを感じた。

西日本地区はこれで3ラウンドが終了。地方暫定1位は松本騎手で、獲得した74ポイントは昨年同1位の土方颯太騎手(兵庫)の70ポイントを上回る。となれば、本人や応援に駆け付けた笠松競馬関係者の表情が自然と明るくなるのも当然だろう。2位青海騎手は52ポイント。予定では残り1鞍のみのため、まだ安心はできなさそうだ。

JRAは上位着順を得た騎手が多いため、西日本暫定1位西塚洸二騎手の50ポイントから20ポイント差に8人がひしめく。そのうちの3名は次回の西日本地区、10月16日のTR園田に出場予定で、引き続き熱戦が期待される。


取材・文大恵陽子

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 松本一心騎手(笠松)

行けたらハナへ行ってほしい、と調教師からの指示で、すんなり行けて自分のペースに持ち込めてよかったです。4コーナーでは手応えがあり、追ってまだ伸びてくれると思いました。今日はすごく緊張していましたが、いい結果に繋がってよかったです。

第2戦1着 青海大樹騎手(佐賀)

人気になっていたので、何とか勝ちたいと思っていました。前走で騎乗した飛田愛斗騎手からは抜け出すと遊ぶと聞きました。出負けして思ったより後方からになりましたが、馬を前に追いてギリギリまで抜け出さないよう心掛けました。地元・佐賀での1勝は思い出に残ります。