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ヤングジョッキーズシリーズTR 船橋

2戦ともクビ・クビ差の接戦
  横山騎手が2・1着で躍進

昨年のヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド船橋は、第1戦で11番人気のケイティーユイが勝ち、2着に12番人気のジーニーボニータ。その2頭を管理する浦和の水野貴史調教師は、今年も両馬を第1戦に送り出した。

「同じC3クラスにまた出るんだから、この1年であまり稼いでいないってことなんですけどね」と水野調教師は笑ったが、今年はケイティーユイが3番人気、ジーニーボニータは1番人気に支持されたのだから、昨年とは大きく様相が異なる。そしてケイティーユイの鞍上は、昨年はジーニーボニータに乗っていた横山琉人騎手(JRA)。ケイティーユイが逃げて、ジーニーボニータが最後の直線で差を詰めてくるという展開も昨年と同じで、今年も同じ馬でのワンツーになるかというところ、ゴール手前で山本大翔騎手(船橋)のハヌマーンビーチが力強い動きで差し切った。

「いいところを進むことができました」と、クビ差での勝利に山本騎手は笑顔。浦和所属で今回が初めての1600メートルという馬に通算2勝目をもたらした要因は、船橋所属騎手というアドバンテージだったかもしれない。

2着の横山騎手は、水野厩舎の異なる馬で2年連続の2着。「後ろを離したほうがいいと思って、2コーナーで気合をつけていきました。でも最後は少し苦しくなってしまいました」と振り返った。ただ、やや出脚がつかなかったところから、先手を取った遠藤汰月騎手(JRA)に並び、そのまま先頭に立って主導権を取ったところは、デビュー5年目の経験をいかしたという印象を残した。

その横山騎手を見ながら2番手を進んだ遠藤騎手は「(横山)琉人さんが来たとき、併せたら掛かると思ったので、引く形でガマンさせました。それでも道中は少し掛かってしまって」と、悔いが残る表情。3着に入った佐野遥久騎手(川崎)も同様で、「前が止まると思ったんですが、意外としぶとくて。もう少し早めに仕掛ければ良かったです」と後悔しきり。2着とはクビ差で、最後の伸び脚が際立っていただけに、見ている側も惜しいと思える内容だった。

1800メートルの第2戦で単勝1番人気に支持されたのは、船橋での9戦いずれも5着以内と安定しているミヤビモルタルで、鞍上は第1戦が6着だった石田拓郎騎手(JRA)。2番人気は第1戦を制した山本騎手で、3番人気には第1戦で2着だった横山騎手。ここまでが5倍台以下で、4番人気馬は13.3倍と、やや偏ったオッズになっていた。

14名の騎手がすべて初コンビで、最初のコーナーまでおよそ450メートルあるとなれば、スローペースになりがち。ここでは最内枠から先手を取った加藤雄真騎手(川崎)が、9番人気馬を4着に粘らせる好結果を残した。「メンバー的に思い切って行ったら面白いかなと考えました」と、4着でも笑顔。一方、2番人気の山本騎手は中団から徐々に位置を上げたが、最後の直線では伸びを欠いて7着に終わった。勝ったのは山本騎手の後ろを追走していた横山騎手。早くもファイナルラウンドに向けて大きくリードを取る結果になった。

2着の石田騎手は「道中の手ごたえがとても良かったので、早めに仕掛けました。4コーナーでは勝てるかなと思ったんですが、でも最善は尽くせたかなと思います」と振り返った。

逆に悔しそうな表情を見せたのが、4番人気馬で3着だった神尾香澄騎手(川崎)。「向正面でいいところに付けられたんですが、前の馬が下がってきてスムーズにいかなくて。最後はいい脚を見せてくれた分、うまくさばけていればという思いが残ります」とのこと。神尾騎手はデビュー5年目で、ヤングジョッキーズシリーズは今年が最後。それだけに、勝ち馬からクビ差、クビ差という結果には、もどかしいものがあったのだろう。

ただ今年は、地方東日本地区の騎手には最低でもあと4回の騎乗機会がある。現時点では山本騎手が36ポイントでトップに立ったが、獲得ポイントが少なかった騎手も、上位に入る可能性は十分に残っている。

JRAでは門別と船橋の両方に出た騎手もいるが、船橋の2戦だけで50ポイントを獲得した横山騎手がトップ。パドックではJRAの若手騎手たちが、JRAの出場騎手に向けて声援を送っていた。そのことを石田騎手に聞いてみると「いつものレースとは違いますね」と、苦笑いしつつもうれしそう。こういう光景が見られるのも、ヤングジョッキーズシリーズの面白いところのひとつだ。


取材・文浅野靖典

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

第1戦1着 山本大翔騎手(船橋)

前に行く馬が多かったのですが、その流れのなかでもいい場所で進められました。ペース的に前が止まるだろうと考えていましたが、最後の直線ではちょっと差があったので届くかなと心配しました。でも馬が頑張ってくれたおかげで勝てました。

第2戦1着 横山琉人騎手(JRA)

脚を溜める形のほうが良いと聞いていて、3コーナーでの手ごたえが良かったので上がっていきました。雰囲気的にはもう少し差をつけて勝てるかなと思ったんですが、相手もしぶとかったですね。船橋では昨年も2着がありましたし、いい結果を残すことができてうれしく思います。