スローの逃げで中央勢を完封
成長した桜花賞馬が秋の主役へ
3歳以上牝馬のダートグレードとして春に行われていたマリーンカップJpnIIIが、昨年より秋に移行され牝馬の3歳限定戦に。距離も1800メートルとなってJBCレディスクラシックJpnIの前哨戦に位置づけられた。ひと夏を越した乙女たちも加わった昨年のJBCレディスクラシックJpnIでは、当レース(4着)をステップにアンモシエラが優勝。3着にもテンカジョウが入線し3歳馬の活躍が目立った。
「気持ちいい~っ!」
今年は表彰式でマイクを向けられた張田昂騎手の第一声に納得させられるレースだった。
スタートダッシュを決めた張田騎手とプラウドフレールが先手を取りきった。外からサヴォンリンナが追いかけ、さらに外からクリノメイ。内からはコパノエミリア、その後ろに1番人気のメモリアカフェといった隊列で進んだ。
軽快に飛ばすプラウドフレール。行きたがるのを鞍上がなだめるとペースはいったん緩んだ。
向正面に差し掛かると中団後ろにいた2番人気のプロミストジーンがじわじわとポジションを上げ、3コーナー過ぎではメモリアカフェが外に出して前を捕らえにかかる。
しかし4コーナーを回るとプラウドフレールは二枚腰を使って差を広げ、ゴールでは張田騎手が右手を大きく上げての逃げ切り。2着メモリアカフェには3馬身差をつけた。
「直線に入って、ゴールが近づくと後ろからの蹄音が聞こえなくなった。あれ?このまま勝っちゃうの?自分でも信じられない思いだった」と張田騎手は勝利の瞬間をそう話した。
メモリアカフェのクリストフ・ルメール騎手は、「休み明けだったぶん瞬発力がなかったね。スローペースで前が残る展開になった。今日は勝った馬に向いたし強かった。この馬も使って良くなるはず」と悔しそうな表情を見せていた。
追い上げて半馬身差で3着プロミストジーンの戸崎圭太騎手も、「ゲートに入るときから精神的に難しいところを出してポジションが後ろになってしまった。ペースも遅かった」と話し、緩急つけながらレースを牽引した勝ち馬のペースに泣いたかたちだ。
勝ったプラウドフレールは南関東牝馬クラシックの一冠目・桜花賞を制していたが、その時も見事な逃げ切りだった。三冠目の関東オークスJpnIIでは向正面で先頭に立ったものの、メモリアカフェに直線で交わされ突き放されたが、今回はその雪辱を果たす結果となった。
「関東オークスのあとは牧場で疲れを取るためのんびりさせましたが、その後はしっかり乗り込んでパワーアップして帰ってきました。特に尻のあたりがブリブリと大きくなって、休ませるたびに充実していますね」と担当する秋葉文勝厩務員。フジノウェーブ記念を連覇した兄ギャルダルやローレル賞馬の姉ミスカッレーラも秋葉厩務員が手がけてきた。
「ひと夏を越して、桜花賞の頃と比べてもスピード、馬体、精神面とすべてが強化されているように思う」と、東京2歳優駿牝馬から手綱を取ってきた張田騎手も成長を強調した。川島正一調教師はダートグレード初勝利。「次走はロジータ記念に向かう」とのことだった。
取材・文中川明美
写真早川範雄(いちかんぽ)
Comment

川島正一調教師
いいかたちで夏を過ごして帰ってきた。道中も(馬が)自分から動いたと(騎手が)言っていたし、もっと良くなると思います。兄姉もうちにいますがまた違ったタイプで、スピードだけでなく利口な馬ですね。稍重の馬場が気になっていたんですが、3馬身離して結果的に馬場も向きました。









張田昂騎手
無理して逃げようとは思っていなかったんですが、スタートも良かったので気持ちよくいきました。スローのちょうどいいペースでレースができました。中央、地方、海外とか関係なく丁寧にひとつひとつ上を目指していきたいですね。