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第27回ジャパンダートクラシックJpnI

ハイペースで逃げ切り完勝
  ナチュラルライズは三冠ならず

創設2年目を迎えた3歳ダート三冠で、早くも三冠馬の誕生が期待された。羽田盃JpnI、東京ダービーJpnIを制し、ここへ駒を進めてきたJRAのナチュラルライズ。多少粗削りな面があるものの、折り合いを欠きながら完勝した春二冠の内容を見れば、この世代では一枚上の実力がある。そのナチュラルライズが、海外遠征を経験してきたルクソールカフェ、アドマイヤデイトナ、ドンインザムードにどう対峙するか、また春のこの路線で好走した大井のナイトオブファイアとシーソーゲーム、ホッカイドウ競馬の三冠馬ソルジャーフィルドなど、地方馬が一矢を報いることができるのか。20時5分発走の大井第11レースに熱い視線が注がれた。

好スタートを決めて逃げたのは3番人気のナルカミ(JRA)。不来方賞JpnIIと同様にペースを掌握する。一方、ナチュラルライズは外枠もあって無理に逃げ争いに加わらず、スタンド前の直線いっぱいを使って先行。1コーナーで少し口を割るしぐさを見せながらも、4番手で落ち着いた。

ナルカミは前半の3ハロン35秒3、5ハロン60秒2で逃げ、今年の帝王賞JpnIを上回るハイペースを作る。さすがにこのペースでは厳しいと思われたが、4コーナーでも単独先頭。並びかけようとするナチュラルライズよりも、手応えの面では上回っていた。直線の半ばを過ぎても2頭の差は詰まらず、むしろ少し広がったような印象。残り100メートルで完全に脚いろは一緒となり決着がついた。3馬身差でナルカミが最後の一冠をゲットした。

勝ちタイム2分3秒7(良)は前身のジャパンダートダービーから通じて史上2位の好時計で、不良馬場で行われた東京ダービーJpnIを0秒1上回った。手綱を取った戸崎圭太騎手は2010年のマグニフィカ(船橋)、16年のキョウエイギア(JRA)以来、このレースは3度目の勝利。デビュー地・大井での重賞制覇は20年東京盃JpnII(ジャスティン)以来5年ぶりとなる。「もまれる競馬をしたことがなかったので、砂をかぶることは極力避けたかったですね。抜群の手応えで直線に向いたので、最後まで押し切れるのではないかと思いました」と、コースと馬を知り尽くした騎乗で栄冠を手にした。

三冠制覇に挑んだナチュラルライズは最後に力尽きて2着。スタートから掛かり気味に追走しながら、勝負どころで反応よく差を詰めにかかり、直線も懸命に食い下がった。後半3ハロン39秒4は勝ち馬に次ぐメンバー2位で、横山武史騎手は「まだまだ難しいところはありますが、これまでと比べたら折り合いはつきましたし、よく頑張ってくれたと思います。きょうは勝ち馬が強すぎました」と力走したパートナーをねぎらった。

2着から9馬身差の3着には、ルクソールカフェが入った。ナチュラルライズの直後で機をうかがっていたが、3コーナー過ぎで上位2頭に離され、直線でさらに突き放された。佐々木大輔騎手は「右から左に手前を替えるのが得意ではなかったので、その点をうまくサポートして競馬を組み立てるべきでした」と肩を落としたが、5月のケンタッキーダービーG1以来の実戦で3着なら上々。今後もタイトル獲得のチャンスは十分にある。

東京湾カップ勝ちのケンシレインボー(船橋)が6着に入り、地方勢では最先着。後方の追走からメンバー中3位となる40秒0の上がり3ハロンをマークした。山中悠希騎手は「長距離が合っていますね。2000メートル以上なら脚をためて、しまいを伸ばすことができます。休み明けでいいパフォーマンスを見せてくれたし、今後が楽しみです」と話した。勝ち馬には3秒0差をつけられたが、3着のルクソールカフェからは0秒6差。相手関係や展開次第でダートグレードでの好走も期待できる。

これで2年目の3歳ダート三冠が終了。昨年もそうだったが、最終戦が秋に移行したことで海外帰りやトライアル組が加わり、見どころの多い一戦となった。同じ2000メートルでも東京ダービーJpnIとは明らかに違うレースであり、スタミナ面を問うJRAの菊花賞GIとも意味合いが異なる。来年以降も唯一無二の存在として、秋の大井を盛り上げる。

取材・文大貫師男

写真いちかんぽ(岡田友貴、早川 範雄)、NAR

Comment

戸崎圭太騎手

スタートを出れば、おのずと行けると思っていたので、その作戦をとりました。前走よりも馬が良くなっていましたし、リラックスしていい感じで走ってくれました。去年は(ミッキーファイトで)2着でしたが、3歳ダートが盛り上がってきているなか、今年は勝つことができて良かったと思います。

田中博康調教師

結果的に逃げる形になり、最高のパフォーマンスをお見せできたと思います。右回りはプラスだと自信を持っていましたし、心肺機能が高く、距離ももちます。気性の危うさをマイナスのほうに出さないようにしていければ、今後も期待できると思います。次走はオーナーサイドと相談して決めます。