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第10回金沢シンデレラカップ

人気に応え直線差し切る
  GDJ連勝で2歳女王へ前進

過去9回で5勝を挙げる北海道勢が今年は遠征なし(2021年は金沢所属馬限定)、さらに他地区からの遠征馬のうちシェエム(高知)とエリザベートバディ(大井)は2着こそあれど未勝利での参戦と、例年とメンバー構成がやや異なった。

北海道勢不在となれば、人気を集めるのは同じグランダム・ジャパン(GDJ)に組み込まれた園田プリンセスカップ組。1着ココキュンキュン(兵庫)が1番人気、2着サラサチャレンジ(川崎)が2番人気となった。差のない3番人気に続いたスプリンガフォート(川崎)は門別でJRA認定アタックチャレンジを勝ち、川崎でもJRA認定レースを勝っている実績。デビュー2年目ですでに82勝を挙げる佐野遥久騎手(川崎)は重賞初制覇がかかる一戦となった。

そのスプリンガフォートが好スタートから先手を取った。スタートから200メートルほどで早くも隊列が決まったかと思われたが、外からエリザベートバディとグリーゼが競りかけてきたことで、スプリンガフォートも応戦。ややペースが上がる形で1コーナーを回っていった。それらを見る位置でじっと脚を溜めていたのはココキュンキュン。直線で逃げ粘るスプリンガフォートや、3番手から一旦は先頭に立ったグリーゼを外から差し切って勝利した。

勝ったココキュンキュンはテンションが課題の馬。調教でも普通キャンターを乗れないため、代わりに追い切り本数を重ねており、今回は10月3日と7日に4ハロンから、さらに9日には2ハロンの時計を出した。これは勝った園田プリンセスカップと同パターンで、「前走もそれで仕上がったので」と山本咲希到騎手(兵庫)はその意図を説明した。

そうして遠征した金沢は初の長距離輸送の影響か馬体重マイナス14キロだったが、「発汗もせず落ち着いていたので、マイナス体重は心配はいらないかな、と思っていました」と山本騎手。「前に壁さえ作れれば」と自信を持っており、最内枠を味方につけて理想的なレース運びをした。

3馬身差で2着だったグリーゼは北海道から移籍初戦。JRA認定フレッシュチャレンジを勝ち、前走は1周競馬で3着と適応しており、ここでも力を見せた。

スプリンガフォートが4馬身差の3着に逃げ粘った。序盤で競りかけられる形となりながらもハナを譲らなかったが、「突っ張らずに下げた方がよかったかもしれません。砂を被ったことがなかったので逃げが理想だったんですけど……」と、佐野騎手は反省。同騎手は19年にジョッキーベイビーズで優勝しており、奇しくも数十分前に今年の決勝大会がJRA東京競馬場で行われたばかり。歴代覇者による重賞初制覇は持ち越しとなった。

4着サラサチャレンジの吉原寛人騎手は「前に馬がいて、追いかける形で走りは悪くなく、真面目に走って力を出しました」と話し、5着は未勝利ながら善戦を続けていたシェエムだった。

さて、優勝馬ココキュンキュンは戦前から大晦日の東京2歳優駿牝馬が大目標のようだ、との話が聞こえてきていた。この日、長南和宏調教師は翌日に迫ったオータムセールとの兼ね合いで不在だったが、GDJ2歳シーズン優勝を目指してローテーションを組む模様。西日本を飛び出しての活躍に期待が寄せられる。

取材・文大恵陽子

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

山本咲希到騎手

パドックで跨ってからゲート裏まで落ち着いていて大丈夫だと思いました。競馬が上手で前向きさがあり頼もしいです。前に壁を作れれば、距離は延びても大丈夫。包まれるくらいでちょうどいいと感じています。年末の大井に向けてGDJが続きます。GDJ女王を狙えると思うので、エスコートしたいです。