ハイペースの2番手で直線突き放す
強敵不在となって1番人気に応える
今年の岩手2歳馬は豊作。ハイレベルの戦いが続いている。中でも牡馬はレジェンドバローズ、牝馬・芝路線はセイクリスティーナが断然リード。
レジェンドバローズは新馬、2戦目、重賞・ビギナーズカップと圧巻の3連勝。この足跡は無敗の8連勝で岩手二冠を制したフジユージーンとまったく同じ。次のターゲットもネクストスター盛岡の予定だった。
一方、セイクリスティーナはデビュー戦こそ2着だったが、2戦目から破竹の4連中。芝の若鮎賞、芝の地方全国交流・ジュニアグランプリ、牡馬相手にダートの若駒賞といずれも完勝。10月26日、牝馬交流・プリンセスカップで遠征馬を迎え撃つため、日々調教メニューをこなしている。
しかし、順調に事が進まないのがサラブレッドの常。ネクストスター盛岡を控え、レジェンドバローズに脚部不安が発生した。菅原勲調教師は「脚元に熱が出たので休養させる。3連勝で走るのは分かったので、無理をさせたくない。復帰は来シーズンになると思う」
レジェンドバローズの出走見送りによって、主力に浮上したのがラウダーティオ。デビュー2連勝で臨んだビギナーズカップはレジェンドバローズに7馬身差の完敗だったが、3着以下には8馬身差。デビュー2連勝中のディオニスにも注目が集まった。
ディオニスはリオンディーズ産駒で5月25日、盛岡ダート1000メートルを1秒6差で圧勝。その後、3カ月の休養に入り8月31日の復帰戦を4馬身差で完勝。それを叩いてネクストスター盛岡は予定どおりのステップだった。
最終的にラウダーティオが単勝1.6倍、ディオニス3.6倍。以下は10倍以上で一騎打ちムードが漂っていたが、ラウダーティオが前々走、前走と同様、ゲート内で立ち上がって一瞬ヒヤッとさせた。それでも鞍上の山本聡紀騎手にとっては想定内。うまく着地させたところでゲートが開き、無事にスタートさせた。
逃げたのは好枠を生かしたフォーティチュード。2番手にラウダーティオ、3番手外にイタズラベガ、さらに外にセローム。5番手インにつけたディオニスは若干掛かり気味。6番手にフォーエバートライがつけ、先団から離れてラブコラージェンが追走した。
前半3ハロンが34秒4。翌日のマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIが34秒9だから、馬場差があったにせよ2歳馬には超ハイペースだった。道中の隊列はほぼ変わらず、4コーナーでラウダーティオが先頭に立ち、後続を突き放す。内をすくってラブコラージェン、外からディオニスが差を詰めたが、1馬身差で押し切って快勝。重賞初制覇を果たした。
1番人気に応えて快勝したラウダーティオだったが、板垣吉則調教師はスッキリしない表情。「ゲートのこともあるので次走以降については未定だね」とコメントしたが、横川典視氏が「来年ですが、北海道スプリントカップなんかが合うんじゃないですか」と振ると「それもありかも」と笑顔を見せて答えた。
取材・文松尾康司
写真佐藤到(いちかんぽ)
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板垣吉則調教師
2戦目からゲート内で立ち上がるのが癖になってしまった。4コーナーでディオニスが手応えよく上がってきたが、今日は前回(ビギナーズカップ)と違って息が入ったのか追い出してから反応して引き離してくれた。これ以降の2歳戦はマイル戦しかないので、今後は距離との戦いにもなっていくと思います。






山本聡紀騎手
ゲートを出てしまえば速い馬。2、3番手がいいと考えていたので理想の位置がとれました。今日は反応が良かったし、外から兄(聡哉騎手)の馬(ディオニス)が来たが、最後まで頑張ってくれた。あとは砂を被ったり競馬の幅を拡げていければ、もっと強くなる。課題が多いですが、潜在能力は高いと思います。