第1戦はJRA騎手が上位独占
地元塩津騎手が第2戦快勝
ヤングジョッキーズシリーズTR 園田
ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンド西日本地区は園田から後半戦に突入した。地方西日本はここまで暫定3位から6位までが7ポイント差でひしめいており、少しでも上の着順を得てリードしたいところ。3位の阿部基嗣騎手(高知)は「すぐ下の順位のジョッキーが今日は印の集まった馬に乗るみたいだから、どうかな」とライバルの動向が気になる様子だった。
ところが、いいのか悪いのか、第1戦は先日の佐賀第2戦に続き掲示板5頭中4頭をJRAジョッキーが占め、そちらに高ポイントが集中することとなった。その中心にいたのは勝った柴田裕一郎騎手(JRA)とクラウンオーシャン。中団外目から運び、向正面で外から西塚洸二騎手(JRA)が早めに動いてきた瞬間を逃さず呼応するように追い出すと、4コーナーで抜け出して勝利を収めた。
これには2着の西塚騎手が「上手く利用されました」と悔しそうにすると、後輩の柴田騎手は「利用させてもらいました」と控えめに言いつつもニヤリ。柴田騎手というと自身の初勝利などコンビ2勝を挙げたアリスヴェリテとの大逃げが印象的だが、「競馬の流れもありますし、一番は馬のことを考えて乗りたいと思っています。今日は『あそこで動かないと』と思いました」と話した。
西塚騎手は「向正面から仕掛けるのは決めていたんですけど、勝ち馬が一緒に動いて勢いを利用されたのが計算外でした」。ただ、直線入口での騎乗姿勢や追い方を見ると内にモタれるのを立て直しながらでも上位までもってきた。西塚騎手は紫苑ステークスGIIを勝ったケリフレッドアスクと3日後に秋華賞GIに出走予定で、今週は何社もの取材を受けるなどプレッシャーもかかるであろう中でもしっかりした騎乗を見せた。
3着に後方2番手で脚を溜めた今村聖奈騎手(JRA)、4着和田陽希騎手(JRA)で、地方勢唯一の掲示板は5着の高橋愛叶騎手(兵庫)。阿部騎手は「ポイントが近い塩津璃菜騎手(兵庫)と土方颯太騎手(兵庫)には抜かされないようにしました」と7着だった。
第2戦は地元・兵庫勢が魅せた。単勝1倍台に支持されたベラジオガルフと塩津騎手が人気に応えて勝利を収めたのだ。ただ、戦前はオッズほど抜けた存在という雰囲気ではなく、地元記者は「気性が難しい面がある」と不安を吐露。本馬場入場時も気の悪さを見せた騎乗馬に対し、塩津騎手が怒る声も聞こえてきた。ゲートが開くと、内で包まれて序盤は走りのリズムが良くない場面もあったが、向正面で内に進路を見出すと4コーナーで先頭に立って完勝した。
7月下旬から門別で期間限定騎乗中の塩津騎手はこの日が久しぶりの園田。何人もの調教師から祝福を受けると同時に「二の腕、逞しくなったな!」とパワーアップを認められた。「門別の先輩騎手から『減量があるから、もっと逃げた方がいいよ』とアドバイスを受けました。逃げていなくても、減量を生かして勝負所ではみんなより早く仕掛けることを心がけています」と、門別でいろんな学びを得た模様。YJSでは減量は適用されないが、このレースでは向正面で周りからのマークが厳しい中でも早めに動いており、経験が生きたのだろう。
その厳しいマークをしたのは、同期の土方騎手。互いにファイナル出場が狙えるポイント圏内となれば勝負としては真っ当なレース運びだった。何とか勝利を目指したが、及ばず土方騎手は2着。その攻防を見ていた6着の同期・高橋騎手は「バチバチだけど、プライベートではみんな仲いいですよ」とフォローするなど、ファイナル進出への執念が垣間見られた。
第1戦は不完全燃焼だった鷲頭虎太騎手(JRA)が3着で、4着に気分よく逃げた今村騎手、5着には先月の笠松・オータムカップをサンライズホープで勝って重賞初制覇を飾った新庄海誠騎手(兵庫)だった。
この結果、地方西日本は塩津騎手が暫定2位に、土方騎手が4位に順位を上げた。一方、第2戦7着の阿部騎手は「4コーナーで進路取りを失敗してしまって。それがなければ5着もあったかも」と悔やみ、5位に順位を下げたが、予定ではまだ笠松1鞍を残している。他の地方騎手たちもまだ金沢と笠松での騎乗を残すため、多くの騎手にファイナル進出の可能性が残されている。
対してJRA西日本は、今村騎手、鷲頭騎手、和田騎手がこれにてトライアルラウンド終了予定。今村騎手は今年5月11日に通算101勝(地方でのJRA馬の騎乗含む)を挙げて見習騎手を卒業しているため、YJSも今年が最後。暫定4位をこのままキープしてファイナルラウンド出場を決めるかどうか、金沢と笠松の結果を待つ状態となりそうだ。
取材・文大恵陽子
写真桂伸也(いちかんぽ)
Comment

第2戦1着 塩津璃菜騎手(兵庫)
すごく緊張していました。1コーナーでは前が詰まってしまいましたが、調教師からの指示は3コーナー手前で早めに動かしてほしいとのこと。ちょうど進路が開いていたので突き抜けられました。馬のおかげです。門別の調教師や騎手、厩務員も応援してくれていたので、勝てて嬉しいです。














第1戦1着 柴田裕一郎騎手(JRA)
向正面で外から来たので、動き出しが早いかなとも思いましたが、一緒に行きました。直線は馬が強かったとしか言いようがなく、しんどい競馬をさせてしまった中でも勝ってくれました。僕自身も久しぶりの勝利で嬉しいですし、ファイナルに行きたいので、大きな1勝です。