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ヤングジョッキーズシリーズTR 川崎

人気薄の台頭で2戦とも波乱
  谷原騎手はデビュー初勝利

ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンド(TR)東日本の第3ラウンドは川崎が舞台。騎乗予定だった宮内勇樹騎手(北海道)が疾病のため、第1戦は及川烈騎手(浦和)、第2戦は所蛍騎手(船橋)にそれぞれ騎手変更となった。

昨年のTR川崎は雨の重馬場で、今年は曇り空での重馬場が舞台。砂の色は水分が多く含まれていることが分かる濃い灰色で、第1戦の前は4レース連続で逃げ先行馬が勝利を挙げていた。

そのことは各騎手の頭に意識として入っていたのだろう。1500メートルで争われる第1戦のゲートが開くと、佐野遥久騎手(川崎)が先手を取り、すぐに大外枠の神尾香澄騎手(川崎)が並んで、競り合うような形のまま向正面に入った。その流れは、最後の600メートルが43秒1もかかったように、ハイペースといえるもの。やや離れた3番手を追走した加藤雄真騎手(川崎)は「普段のレースなら、僕を含めた前の3頭で決まるんですが……」と振り返っていた。

佐野騎手のキーファインは最後の直線に入ったところで失速。「(騎乗馬が)最近は1400メートルが続いていて、1500メートルを心配していたところに競られてしまって」と、レース後の佐野騎手は消化不良という表情。並走した神尾騎手は11着に沈み、3番手の加藤騎手も9着。その流れを利して台頭したのは、前を行く3頭を見ながらレースを進めた騎手たちだった。

勝ったのは向正面で5番手だった長浜鴻緒騎手(JRA)で、2着は7番手ながら直線で先団に加わった及川騎手。3着には4番手を追走した上里直汰騎手(JRA)が粘り込んだ。

「手応えとしてはもう少し、という感じでしたが、バテてしまうような雰囲気はなかったですね」と、長浜騎手。クビ差2着の及川騎手は「道中で脚を溜められたので、最後はしっかりと伸びてくれました。ただ、4コーナーで外に行くしかなかったのが……」と悔しそう。1馬身差で3着に入った上里騎手は「前のペースが速かったですかね。気合をつけながら進めましたが、もう少し溜めても良かったかも」と話した。

結果的に前崩れとなった第1戦は、8、9、7番人気での入線で、馬連複が5万3100円、3連単が222万330円という結果となった。

ひとつレースをはさんで行われた第2戦は距離が1600メートル。単勝1番人気馬が4.9倍で、10倍未満が7頭もいる混戦模様で発走を迎えた。

その第2戦は逃げ先行タイプが少ない組み合わせ。ゲートが開いて先手を主張したのは石神深道騎手(JRA)と神尾騎手で、どちらも最近2戦では中団からレースを進めていた馬だった。2頭を見る形で谷原柚希騎手(JRA)、直後を佐藤翔馬騎手(JRA)や佐野騎手などが追走。2コーナー付近では先頭から最後方まで20馬身以上はあろうかという縦長になった。

向正面に入ってペースが落ち着くと、前の3頭を見ながら進めていた佐藤騎手と加藤騎手がまくりぎみに追い上げて、舟山瑠泉騎手(JRA)も追い上げを開始。最後の直線に入るところでは、前の8頭が5馬身ほどの間に凝縮した。

そのなかから抜け出してきたのは、4コーナーで5番手に下がった谷原騎手。進路を外に見いだすと一完歩ごとに差を詰めて、残り100メートル付近で先頭に立って押し切り勝ち。デビュー以来の初勝利を川崎競馬場で記録することになった。

レース直後の谷原騎手は「4コーナーで前の馬がいい壁を作ってくれて、最後にいい伸び脚を見せてくれました」と興奮ぎみ。記念となる勝利を挙げたメイワノワを管理する河津裕昭調教師も「渾身の勝負だったから、勝ててよかった」と、うれしそうに話した。

1馬身半差での2着争いは僅差で、4コーナーでインコースを選んだ舟山騎手が佐藤騎手にハナ差で先着。「返し馬で勝負になりそうという感触がありました。でも勝った馬は強かったですね」と、同期の初勝利を祝福。3着の佐藤騎手は「僕の馬は人気薄(単勝42.5倍で12番人気)でしたが、第1戦が大波乱でしたし、実力差はあまりないかなと思っていました。競り合う2頭を見ながらうまく進められましたが、最後はちょっと苦しくなりましたね」と話し、そして「ここまでの門別と船橋でJRAの騎手が多く上位に入ったので、どこかでひとつ勝たないと」と続けた。確かにここまでの東日本地区6戦でJRAの騎手が5勝。佐藤騎手は現時点で41ポイントを獲得して3位にいるが、次の盛岡の結果次第では順位を下げる可能性がある。

一方の地方所属騎手は、門別で2着と3着に入った谷内貫太騎手(大井)が37ポイントでトップだが、川崎では12着と14着。こちらも抜け出した存在がいない状況になっている。

次週に行われるTR盛岡、大井では、東日本の順位がめまぐるしく変動することになるだろう。


取材・文浅野靖典

写真築田純(いちかんぽ)

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第1戦1着 長浜鴻緒騎手(JRA)

スタートはいまひとつでしたが、1コーナーの手前でいい位置を取ることができました。道中はペースが速いと感じながらの追走で、ゴール手前では後ろから迫られましたが、苦しくなりながらもなんとか踏ん張ってくれました。ファイナルには絶対に行きたいので、この次も頑張りたいです。

第2戦1着 谷原柚希騎手(JRA)

レース前に河津調教師に馬の特徴などを教えていただいて、それをもとに頭のなかでイメージして臨みました。2コーナーでは外にふくれましたが、そのあとは内を回ることを意識して、4コーナーでは外に進路を見つけることができました。応援に来てくれた家族の前で勝つことができて良かったです。