高杉騎手がJRA2位へ躍進
地方1位通過は松本騎手
ヤングジョッキーズシリーズTR 笠松
ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)トライアルラウンドも西日本地区は笠松が最終ステージ。10月21日金沢から連戦となった森田誠也騎手(JRA)は「中1日なので人が気負わないようにしたいです」と話した。1鞍のみ騎乗の阿部基嗣騎手(高知)は笠松初騎乗。騎手紹介式で馬場を歩き「高知と全然違って、足が取られない」と、笑顔で驚きを話した。同じく笠松初騎乗の土方颯太騎手(兵庫)は地方西日本で暫定4位につけるものの、笠松での結果次第では逆転される可能性もあり、気合十分。「園田よりペースが速い印象。川原正一騎手からは『前に行った方がいいのでは』と、ここで重賞を勝った同期の新庄海誠からは追い出しのタイミングを聞いてきました」と下調べに余念がなかった。
第1戦は先行集団の外から運んだ高杉吏麒騎手(JRA)が3馬身差で勝利。9月27日にJRA通算100勝のメモリアルを決めており、YJS出場騎手では実績上位ということを結果で示した。内から4頭目を走っていた向正面でじわっと上がっていくシーンは何気ない一コマに見えたが、「できれば3頭目が良くて、内の馬を外から被せにいきました」と、意識的に動いたことで相手は後退。3~4コーナーでは外を回りすぎることなく、先に抜け出していた吉村誠之助騎手(JRA)に並びかけることができた。
2着は田山旺佑騎手(JRA)。本馬場入場時に落馬し、騎乗馬が放馬したため馬体検査となったが、異常はなく出走すると、直線で内から脚を伸ばした。それでも本人は「放馬がなければもっとやれていたかも。自分の技術のなさでみなさんに迷惑をかけてしまいました」と意気消沈した。3着に2番手から3コーナーで先頭に立った吉村騎手。トライアルラウンド笠松に出場しているJRA騎手中唯一の笠松勝利経験者で、小回りコースを意識したレース運びをしたが、勝ち馬が来た頃には「余力がありませんでした」。4着は序盤に後手を踏んだ河原田菜々騎手(JRA)が差し、5着に土方騎手だった。
レース後の取材対応や第2戦の装鞍が一段落すると、一人また一人と報道陣の元にやってきてポイントを確認。トライアルラウンド最終戦ではすっかり馴染みの光景となった。ファイナルラウンド進出は地方、JRAとも各地区上位4名ずつで、この時点で地方西日本暫定4位の土方騎手はどうすれば順位をキープできるか何度も計算した。JRA西日本暫定3位の高杉騎手も逆転されるパターンを把握しようとポイント表と長時間睨めっこ。最終的には「分かりません」と苦笑して検量室へと戻っていき、川端海翼騎手(JRA)は同13位ながら「1着を取ればファイナルに行けますか?」と最後まで諦めていなかった。
なお、第2戦は青海大樹騎手(佐賀)の騎乗馬が出走取消。さらには締め切り3分前に吉村騎手の騎乗馬が馬体検査とのアナウンスが流れ、のちに競走除外となり、両者には規定により6ポイントが付与された。
泣いても笑ってもトライアルラウンド最終戦は、川端騎手と森田騎手が2頭並んで後続を離す逃げ。川端騎手はファイナル進出には自身の勝ちが絶対条件と認識した上での積極的な競馬を見せたが、森田騎手のミランミランは重賞勝ち馬で力が抜けており、4コーナーで相手を振り切って勝利を収めた。2馬身差の2着には中団内からロスなく脚を伸ばした田山騎手、3着に地方西日本暫定1位を独走する松本一心騎手(笠松)、4着高杉騎手は「ファイナル進出に向けてポイントを取りに行こうと」と、後方ながら2コーナーから追い出せる準備を整えていた。5着は逃げた川端騎手だった。
勝った森田騎手はYJS初勝利に喜んだものの、残念ながらファイナル圏内までは届かずJRA西日本10位。一方で高杉騎手は4位以内に残れたことを把握しており、2位という最終順位を聞く前に「よしよし!」と笑顔。松本騎手も「手堅く乗ってきました」と地方西日本1位をキープした。対照的に土方騎手は「悔しすぎてリアクションできないです……」と第2戦6着を引きずりながらも、最終順位が3位と知ると「ファイナルラウンドは地元・園田ですし、JRA中京も昨年のYJSで騎乗したので、有利だと思います」と気持ちを切り替えた。
明星晴大騎手(笠松)は勝てば大逆転でファイナル進出の可能性を残していたが、第1戦9着、第2戦7着。前日に地方通算100勝を達成したため、順調にいけば今年が最後のYJSとなりそうだ。
取材・文大恵陽子
写真岡田友貴(いちかんぽ)
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第2戦1着 森田誠也騎手(JRA)
馬が強かったです。少しペースが速いかなと思いましたが、能力のある馬なので、引かなくてもいいかなと判断して、あの位置で競馬を運びました。気を抜く面のある馬と聞いていて、抜け出してその面を見せましたが、最後までよく頑張ってくれました。










第1戦1着 高杉吏麒騎手(JRA)
砂を被ると進まないと聞いていたので、そこだけを気を付けて向正面へと入っていきました。先日JRA100勝も達成してYJSは今年で最後になりますが、ファイナルに出場できそうなので、最後まで怪我なく頑張りたいです。