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第3回ネクストスター笠松

一騎打ちを制し無傷の4連勝
  地元生え抜きがスター街道歩む

今年、笠松競馬場は走路改修のため、6月中旬からおよそ2カ月の間休催した。厩舎関係者によると、この休催期間が意識され、2歳馬の入厩は例年よりも全体的に遅くなり、当地での活躍を期する門別デビュー馬の転入も頭数は控えめで時期も遅め。例年と異なる競馬の流れの中で、昨年同様10月下旬にネクストスター笠松の時期を迎えた。

転入馬は、当レースの前に1走しないと出走資格が生まれない。9月下旬の特別戦を勝って臨むベラジオファントム(2番人気)は、門別で中1週が続いた後転入して、笠松では中3週のローテーション。「勝った後、膝に少し不安が出た。それがどう出るか」(後藤佑耶調教師)と、調整に苦心した様子だった。またリバーストリート(3番人気)は、門別で重賞を好走したあと、前走当地の準重賞・ジュニアクラウンまで僅か中18日。そして今回も中15日。前走の「次走ネクストスターを見越した仕上げ」(田口輝彦調教師)から、どれだけ状態面で進捗があるか注目された。

一方、笠松デビュー馬からはスター候補が現れていた。ヨサリ(1番人気)は5月にデビューした後、ソエの影響もあり放牧に出され、休催期間終了に合わせ8月中旬に再始動。9月の準重賞・秋風ジュニアも快勝し3連勝で臨む今回、レース間隔は1カ月半。断然の能力を示してきた上に、渡邊竜也騎手は「非常に順調に来た」とレース前から馬の状態には自信を示していた。

例年と異なる状況の中、それでも地元デビュー馬対転入馬というこの時期特有の対決の構図は出来上がり、どちらに凱歌が上がるか注目される一戦となった。

同日行われたヤングジョッキーズシリーズのレースに触発されたかのように、戦いは熾烈を極めた。逃げたポルタロマーナが刻んだラップは、向正面入口までの600メートルが36秒4と、時計の掛かる馬場状態かつこの時期の2歳戦としてはかなり速いもの。ベラジオファントムとリバーストリートが前を追い、門別出身馬3頭が先団を固める。注目のヨサリはやや出負けしてその後ろの4~5番手となったが、「ゲート先入れなので、ある程度の出遅れはあるかもと思っていた」(笹野博司調教師)と、陣営も想定の範囲内だった。

3コーナーではリバーストリートが前を交わしにかかり、ベラジオファントムは追随出来ず後退。代わって進出したヨサリが外から並び、そこからは一騎打ちとなる。抵抗するリバーストリートだったが、「手応えの割に、道営の時みたいにぎゅーんと来るところがなかった」(筒井勇介騎手)だけに、ヨサリの勢いには抗しきれない。ゴールでは、ヨサリがリバーストリートに1馬身半競り勝った。2馬身差の3着には、出遅れて後方から追い上げたラブリーボニータが入った。

ヨサリの鞍上で渡邊騎手は、ゴールと同時に左手を力強く挙げ勝利をアピール。1本立てた人差し指は、この1つめのタイトルが馬にとり活躍の序章に過ぎぬことを確信した、その表れだったのかもしれない。

リバーストリートの田口調教師は「状態が良ければなぁ……やはり疲れが残った」と話し、筒井騎手も「臨戦態勢の差が出た」と無念の表情。7着と敗れたベラジオファントムの明星晴大騎手は「膝の不安もあり、攻めきれなかった」と振り返った。それぞれの談話から、転入馬を短い日程で仕上げレースに使って行くことの難しさが、改めて印象づけられた。

卓越した力量に加え、地元生え抜きの意地も示したヨサリが、今後名古屋も含めた東海地区のこの世代の戦いでどのように存在感を発揮していくのか、興味は尽きない。

取材・文坂田博昭

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

渡邊竜也騎手

ゲートの所作が悪く出負けしましたが、道中も馬は凄く集中していました。(直線の競り合いでは)馬の負けん気も強いので、負けないと思って追っていました。賢い馬ですし、乗っていて背中が良く、まだ成長の余地もあって楽しみな馬。地元デビュー馬の代表として勝つことが出来て、非常に嬉しいです。

笹野博司調教師

勝ててホッとした気持ちです。これまでビシッと攻めたことがなく、今回はしっかりした状態で競馬を使おうと仕上げて臨みました。キャンターが非常に軽く、芝でも行けそうなトビをしている馬なので、どこかで芝も試してみたいです。今調子が良いので、馬の状態を見ながら年内もう1戦と考えています。