馬群で揉まれる展開も中央勢を完封
デビュー4連勝で2歳牝馬の頂点へ
ホッカイドウ競馬デビューの2歳馬は、早い時期から新馬戦や重賞が組まれキャリアを重ねることで中央馬との対戦でも優位を誇ってきたが、今年最強クラスと期待される馬で特徴的なのは、4~5月の早い時期のデビューでも戦歴をそれほど重ねていないこと。全日本2歳優駿JpnIを見据え同舞台の鎌倉記念(川崎)を圧勝したベストグリーンはキャリア4戦。そして今回のエーデルワイス賞JpnIIIで単勝1.3倍という断然人気にこたえて勝利したリュウノフライトもこれが4戦目。ともにデビューから4連勝。JRA認定フレッシュチャレンジを勝ったあと重賞3連勝と、同じようなキャリアで2歳ダートチャンピオンへの階段を着実に昇っている。
ちなみに、ベストグリーンは能力検査(800メートル)で今年唯一49秒を切る48秒6をマークし、リュウノフライトの49秒3も3番目タイのタイム。デビュー前から素質を見込まれ、ともにレースを絞って使われ無駄のないキャリアで世代トップを狙えるところまで歩んできた。
リュウノフライトのレースぶりは、単にスピードで押し切るだけではない2歳馬らしからぬもの。デビュー戦こそ逃げ切りだったが、2戦目のリリーカップは好スタートから控え、前3頭が競り合うところを外に持ち出しての差し切り。フルールカップは2番手好位から軽く仕掛けただけで後続を置き去りにする圧勝。そして中央勢と初対戦となった今回は、なかなかに厳しい展開となった。
好ダッシュのエムティリオがハナを切ると、互角のスタートを切ったリュウノフライトは2番手集団。外から内から中央勢が押し寄せ、ごそっと固まった好位集団の中で揉まれる格好となった。それでもリュウノフライトは楽な手ごたえのまま4コーナー手前で先頭に立つと、ぴたりとついてきたのは2番人気、中央のトウカイマシェリ。直線では3番手以下を離しての一騎打ちとなり、リュウノフライトは相手が来れば来るだけ伸びて1馬身半差をつけてのゴール。2馬身差の3着も中央のタイセイフレッサで、いずれも1勝馬だった中央勢を完封する結果となった。
「ポジション取りのところで隣の馬とぶつかったりして、リズムが悪くなって(自分の)馬に迷惑をかけてしまった」と小野楓馬騎手は反省を語った。山口竜一調教師は「今日は揉まれて今までで一番難しい競馬になった。こういう厳しい経験を積んで強くなっていくからね」と、精神力の強さと将来への期待を感じさせる一戦でもあった。
今年で28回目のエーデルワイス賞JpnIIIで、北海道所属馬の勝利は14頭目。過去13頭は6~9戦目での勝利だったが、冒頭のとおりリュウノフライトは4戦目という、北海道所属馬としてはもっとも少ないキャリアで制した。
次走については「東京2歳優駿牝馬で、2歳では一番強いことを証明したい」と山口調教師。さらに「中央でもトップをとれるくらいの素質があるので、北海道にとどめておくのはもったいない」とのこで、その後は南関東なのか中央なのか、移籍についてはオーナーの判断次第となるようだ。
取材・文斎藤修
写真浅野一行(いちかんぽ)
Comment

山口竜一調教師
レース中のアクシデントはいろいろあることなので、それも馬が成長するための経験だと思います。それでも持っているスピードが他の馬と違うので、自然と先頭に立った感じです。あとは直線、信じて見ていました。地方のペースに慣れてしまうのではなく、どんどん経験を積んでいってほしいと思います。









小野楓馬騎手
楽に追走できたし、追ってからもしっかり反応して、最後まで走り切ってくれるのがこの馬のいいところです。動き出しのときは一気にスピードが上がるような感覚がありました。砂も嫌がらないですし、今日のように揉まれても最後まで走りきってくれるので、もっともっと強くなっていくと思います。