第1戦勝利の佐藤騎手がJRAトップ
地方は山本騎手が首位を守り抜く
ヤングジョッキーズシリーズTR 浦和
東日本地区におけるヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンドの最終ラウンドは、浦和競馬場が舞台。地方所属騎手は先週の大井が終了した時点で7位以内のうち、浦和で騎乗があるのはトップの山本大翔騎手(船橋)だけ。つまり、ファイナルラウンド出場圏内の2位から4位の神尾香澄騎手(川崎)、谷内貫太騎手(大井)、宮内勇樹騎手(北海道)は見守るしかない状況だ。
そのためポイント獲得数が少ない騎手は、文字どおり“一発逆転”を狙うことになりがち。第1戦でそれを実行したのは大井終了時点で24ポイントの及川烈騎手(浦和)。どちらかで勝利を挙げれば4位以内に食い込める計算だ。
第1戦のゲートが開いた瞬間に先手を取ったのは佐藤翔馬騎手(JRA)。そのすぐ横に舟山瑠泉騎手(JRA)が、掛かりぎみに並んでいった。
そして向正面に入ったところで勝負をかけたのが11番人気馬に騎乗した及川騎手。5番手あたりから前を行く2頭を目指して追い上げたが、見せ場を作ったところで失速。3番手につけていた阿岸潤一朗騎手(北海道)も及川騎手の動きに呼応したが、こちらも4コーナー手前で失速してしまった。
そのような動きはあったものの、佐藤騎手と舟山騎手の並走状態は継続。そして4コーナーで舟山騎手が先頭に立ち、しかし騎乗馬が外に張る動きをしたところで舟山騎手は落馬してしまった。舟山騎手の落下地点にちょうどいたのが、徐々に上昇してきた水沼元輝騎手(JRA)。舟山騎手をよけたことでバランスを崩して落馬してしまった。水沼騎手は大井終了時点でJRA東日本4位。ここでポイントを増やせる勢いがあっただけに、その意味でも厳しい競走中止になってしまった。
先頭で並んでいた佐藤騎手は、4コーナーで舟山騎手の騎乗馬と接触したもののゴールまで走り切って勝利。2着には中団から目立つ伸び脚を見せた谷原柚希騎手(JRA)が入り、3着には最低人気馬に騎乗した若杉朝飛騎手(北海道)が入った。
レース後、佐藤騎手は「事故があったので素直に喜べないところはありますが」と前置きして、「逃げて勝ったことがある馬なので、スタートから出していこうと考えていました」と、ファイナル進出を確定させる結果に納得の表情。2着の谷原騎手は「予想よりスタートが良くて、道中は内を回るほうがいいかなと考えて進めました」とのこと。谷原騎手はこれで合計68ポイントとなって、ファイナル進出の可能性が高まった。
3着の若杉騎手は、第2戦で上位に入ればファイナル進出が可能と状況が変化。それを受けて、第2戦の騎乗予定馬を管理する小澤宏次調教師からアドバイスを受けていた。
ただ、意識はあると伝えられたものの、2名の騎手が救急車で搬送されたために、検量エリアでの言葉数は少なめ。ほどなく第2戦は、JRA交流戦で来場していた石田拓郎騎手が舟山騎手の騎乗馬に、長浜鴻緒騎手が水沼騎手の騎乗馬に乗ると発表された(両名ともトライアルでのポイント加算の対象)。
その第2戦は、単勝10番人気でも30.8倍とオッズが割れていたが、5倍未満が3頭いる分布。結果は、1番人気馬に騎乗した阿岸騎手が先行策から押し切って勝利。中団から差した2番人気馬の佐野遥久騎手(川崎)は2馬身半差で2着。3番人気馬の及川騎手が3番手追走から3着に残った。
惜しかったのは、6番人気馬で逃げて4着だった若杉騎手。2着と3着はアタマ差で、そこから半馬身差と粘り切れなかった。「(出場できる)最後の年なので、ちょっと……いや、かなり悔しいです」と苦悶の表情。また、第2戦で佐野騎手が2着に入ったことで、大井終了時点で地方東日本4位だった宮内騎手は谷内騎手から1ポイント差の5位に後退。北海道勢のファイナル出場はならなかった。
がっかりしている若杉騎手を見て、阿岸騎手は「来年は僕と藤田凌駕がファイナルに行きます」と苦笑い(宮内騎手はすでに減量卒業)。逆に地方東日本3位に上がった佐野騎手は「あと15勝で100勝なので、今年が最後かも。反省点はいろいろありますが、第2戦は前を行く阿岸に離されないように頑張りました」と、ホッとした表情をしていた。第2戦で5着だった加藤雄真騎手(川崎)は「向正面から徐々に位置を上げていく考えでした」と、10番人気馬で勝負をかけた最終戦を振り返った。
地方東日本の1位と2位は、山本騎手と神尾騎手で変わらず。JRA東日本では、第1戦を勝った佐藤騎手が1位で、同2着だった谷原騎手が2位。急遽の参戦となった石田騎手はポイントを加算できなかったが3位に残り、4位には浦和に出場していなかった横山琉人騎手が入った。
惜しかったのはJRA東日本で5位だった遠藤汰月騎手。最終戦のあと「浦和でも人気薄でした」と苦笑いしていた。船橋は7、10番人気、大井が6、7番人気、浦和が10、8番人気で、その状況での1勝、4着1回は、好成績と考えていいだろう。
「また来年、頑張ります」と遠藤騎手。そのほかの騎手も思いは同じだろう。
取材・文浅野靖典
写真宮原政典(いちかんぽ)
Comment

第2戦1着 阿岸潤一朗騎手(北海道)
スタート後にいい位置を取るところだけ気を付けて、最後は後ろから誰も来るなと思いながら追いました。肩ムチだけで反応してくれる馬で、お客さんもたくさんいて気持ち良かったですね(笑)。第1戦でファイナルに行けないことは分かっていましたが、ここで自分の仕事はできたと思います。














第1戦1着 佐藤翔馬騎手(JRA)
競られましたし、ペースが速いかなと感じていた上に厳しい展開になりましたが、最後までよく頑張ってくれました。JRAのなかでは浦和での経験が多いと思うので、そこはアドバンテージになったかもしれません。昨年のファイナルラウンドでは表彰台に上がれなかったので、今年はそこを目指したいです。