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第71回平和賞

マイペースの逃げで接戦制す
  全日本2歳優駿で頂点狙う

『未来優駿』の一戦である平和賞は、今年で71回を数える南関東でも歴史ある2歳重賞。全日本2歳優駿JpnIのトライアルで1着馬に優先出走権が与えられ、2024年から南関東グレードSIIへ格上げされている。

地方全国交流となった06年以降の19回をふり返ると、南関東が12勝、北海道が7勝。特に過去3年は北海道が連勝している。

9頭立てで行われた今年は、北海道から3頭が参戦。単勝一桁台が4頭と人気が割れていたが、1番人気に推されたのは北海道のミリオンクラウン。以下、コンヨバンコク、ロードレイジング、キングペルレと続いた。

地元船橋のスマトラフレイバーがスタートダッシュを決めて飛び出した。キングペルレに、外からミリオンクラウンが追いかけ先行争いとなったが、1コーナーを回るまでにはスマトラフレイバーが主導権をつかんだ。

軽快に逃げるスマトラフレイバーを先頭に前5頭と、後方4頭に馬群が2つに分かれたが、後方集団の2番手にいたロードレイジングが外目からポジションを上げていくと、3コーナー手前で隊列がぎゅっと縮まった。

ロードレイジングは、4コーナーではスマトラフレイバーに並ぶ勢い。直線ではこの2頭の決着になるのかと思われたところに、最後方を追走していたモエレサワンミヤギが鋭く迫って、ゴール前はきわどい態勢となった。

結果はスマトラフレイバーの逃げ切りだったが、「逃げたい馬もそういないし、今日は強気に出していこうと考えていた」とスマトラフレイバーの野畑凌騎手。後続を引きつけながら自分のペースに持ち込む好騎乗だった。「向正面から自分のペースで走ることができたし、最後は根性を見せてくれましたね。スピードのある馬ですが、これなら距離が延びても大丈夫だと思います」と続けた野畑騎手はデビューから4年目の21歳。すでに今年168勝(11月5日現在)を挙げ、目下南関東リーディングでは笹川翼騎手、矢野貴之騎手に次ぐ3位と大躍進している次代のエース。全国リーディングでも8位とベストテン入りしている。

表彰式では涙をにじませていた稲益貴弘調教師。「すごく悔しかったのを思い出してね。一昨年の平和賞で人気になっていたバハマフレイバーが最下位だったので、同じオーナーの馬で勝ててよかった」と涙のわけを口にした。次走を聞かれると、「状態が問題なければ川崎に行きたい」と全日本2歳優駿JpnI出走を示唆した。

直線だけの脚で追い込んだ北海道のモエレサワンミヤギがクビ差の2着。「真面目なタイプではないので道中の進みは悪かったが、今回はそれが直線の脚につながっていい方に出た」と本橋孝太騎手。齊藤正弘調教師によれば、このあと船橋の森泰斗厩舎に移籍予定だという。

さらにクビ差で3着は早めに動いたロードレイジングで、「自分の競馬はできたけど最後は脚いろが一緒になってしまった。切れる脚は一瞬だから、そのぶん甘くなったね」と御神本訓史騎手はコメントした。

北海道からの3頭はモエレサワンミヤギだけでなく、直線勝負で4着だったクラウニングカップは船橋の山下貴之厩舎に移籍予定。1番人気で7着だった田中淳司厩舎のミリオンクラウンは芝のレースを目指し馬運車は美浦へと向かった。

取材・文中川明美

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

野畑凌騎手

前走はうまくいかなかったんですが、今回はその経験を生かすことができました。スタートの良さからハナに行きましたが、どこからでも競馬ができるし、距離にも対応できるはず。

稲益貴弘調教師

前走のことを考えて砂を被る練習もしていたし初めてシャドーロールを着用した。あとは騎手に任せていたがスタートも良かったからね。馬の状態を見て、大丈夫なら全日本2歳優駿に行きたい。